スーパー耐久シリーズ2017第1戦 もてぎ200✗2Races Gr.1決勝レポート

レースレポート

April 3, 2017

ディフェンディング王者のスリーボンド日産自動車大学校GT-Rが貫禄の今季1勝目を挙げる

スーパー耐久シリーズの第1戦がツインリンクもてぎを舞台に、予選が4月1日(土)に、グループ1の決勝レースが4月2日(日)に行われた。
予選は完全なドライコンディションではなかったが、200分間で争われる日曜日の決勝レースは天候に恵まれて、ドライコンディションで争われることとなった。

予選でポールポジションを獲得したのは、#8 ARN Ferrari 488 GT3の永井宏明/佐々木孝太組。
しかし、決勝ではスタート直後に#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組がトップに立ち、そのまま逃げ切って今季1勝目を挙げた。

ST-3クラスでは#38 muta RacingTWS IS350の堀田誠/阪口良平組が、そしてST-4クラスでは#93 SKR ENGINEERING S2000の太田侑弥/佐々木雅弘組が、それぞれポール・トゥ・ウィンを達成している。

 

大接戦の予選で、ARN Ferrari 488 GT3がポールポジションを獲得する

予選はAドライバーセッションが限りなくウェットコンディションで、Bドライバーセッションは後半がほぼドライコンディションという、非常に厳しい状況の中で行われた。
Aドライバーセッションで、ST-Xクラスのトップは2分3秒580を記録した#8 ARN Ferrari 488 GT3を駆る永井宏明。
2番手につけた#3 ENDLESS ADVAN GT-RのYUKE TANIGUCHIに1秒の差をつけた。

Bドライバーセッションでは開始と同時に、ほとんどの車両がドライタイヤをチョイス。
序盤は#3 ENDLESS ADVAN GT-Rの山内秀輝と、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井によるシーソーゲーム状態となっていたが、中盤からアタックを開始した#99 Y’s distraction GTNET GT-Rの星野一樹が、1分50秒197をマークしてトップに浮上。
これに藤井、山内、そして#8 ARN Ferrari 488 GT3の佐々木がほぼコンマ5秒差で続いていたこともあり、合算タイムでトップには#8 ARN Ferrari 488 GT3が着くこととなった。

なお、佐々木はベストタイムを記した直後にスピンしてしまったものの、ダメージは最小限。
苦笑いしつつ、メカニックに謝る様子が印象的だった。
2番手は#3 ENDLESS ADVAN GT-Rが、そして3番手は#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得した。

ST-3クラスでは#62 DENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀が、Aドライバーのトップ。
しかし、このクラスもトップ4は、コンマ4秒差という大接戦。
対照的にBドライバーは、#38 muta Racing TWS IS350の阪口が、2番手の#39 ADVICS TRACY RC350の前嶋秀司にすら1秒以上の差をつけることに。
その結果、#38 muta Racing TWS IS3500がトップとなった。

ST-4クラスでは太田侑弥と佐々木雅弘が、ともにトップだった#93 SKR ENGINEERING S2000がクラス最前列のグリッドを確保。
これに#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/蒲生尚弥/井口卓人組が続くこととなった。

スタートがすべてだった、ST-Xクラスのトップ争い

大激戦かつ意外な展開となったグループ2の決勝レースから、明けて1日。サポートレースの決勝レースを経て、12時30分からグループ1の決勝レーススタート進行が開始される。
好天に恵まれ、青空の下での戦いとなった。

ST-Xクラス上位陣のスタートドライバーは#8 ARN Ferrari 488 GT3は永井で、#3 ENDLESS ADVAN GT-Rは山内、そして#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは藤井。
この3人による1コーナーでの先陣争いが、このレース最大の見せ場になった。
「アウトから行くと、永井さんに見せかけた」という藤井の一瞬のフェイントに、永井は反応してわずかにインを開けてしまう。
その隙を逃さず藤井はトップに浮上、アウトから攻めていった山内はこれで行く手を阻まれるも、130Rでようやく2番手に躍り出る。
さらにS字で永井は、#89 HubAuto Ferrari 488 GT3の吉本大樹にも抜かれ、4番手に後退してしまう。

オープニングラップのうちに山内に対し、1秒8の差をつけた藤井は3周目には3秒にまで広げるが、その後はたびたび現れるバックマーカーの処理で広げ続けることがままならず。
それでもプレッシャーをかけられるまでには至らぬ間隔で、周回を重ねて行く。
そして、37周目には同時にピットイン。それぞれ内田とTANIGUCHIと交代、ピットに戻った時には第1スティント同様、僅差ではあったものの、全車が最初の交代を終えて#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが再びトップに立ったあたりから、徐々に差が広がっていく。
マージンが約20秒に達し、#3 ENDLESS ADVAN GT-Rが68周目にピットに入ってきたのを見届けた、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは次の周にピットイン。

大量のマージンを渡された平峰は、#3 ENDLESS ADVAN GT-Rの元嶋佑弥にペースを合わせる余裕さえ見せ、難なく逃げ切りを果たすことに。
ディフェンディングチャンピオンとしての貫禄を、大いに見せつけることとなった。
3位は#99 Y’s distraction GTNET GT-Rの植松忠雄/星野/藤波清斗組が獲得し、またしてもGT-R勢が表彰台を独占した。
なお、#8 ARN Ferrari 488 GT3は序盤の接触でタイヤを痛め、予定外のピットストップを強いられたこともあって、#89 HubAuto Ferrari 488 GT3に続く5位に甘んじた。

ST-3クラスは、終始muta Racing TWS IS350が快走!

グループ1は、クラスごとの速さが明らかに異なるため、入り乱れて争われることは皆無だった。
そのため、トップ争いは目に見えるままの格好となっていた。
ST-3クラスでは、昨年同様、#38 muta Racing TWS IS350の阪口がスタートからトップを譲らず。
序盤こそ、#39 ADVICS TRACY RC350の前嶋、そして#62 DENSO Le Beausset RC350の嵯峨に接近を許したものの、周を重ねるごと引き離していく。
そして前嶋にすら、30秒の差をつけた32周目に堀田とバトンタッチ。
タイヤ無交換だっただけに、乗り始めは戸惑ったという堀田ながら、慣れてくるにつれ、後続との差は保たれるようになってくる。

ドライバー交代をいちばん最後としたことから一時トップを走った#62 DENSO Le Beausset RC350だが、39周目に平木湧也に代わってからのペースが一向に上がらない。
無交換だったタイヤが悲鳴を上げていたためだ。
やむなく55周目には早々とピットに戻し、中山雄一と交代するが、その時すでに勝負権は失われていた。

もちろん、終盤になっても#38 muta Racing TWS IS350の速さに衰えは一向になく、そのまま逃げ切り成功。
2位には#39 ADVICS TRACY RC350の手塚祐弥/前嶋/鈴木陽組がつけ、TRACY SPORTSのワンツーフィニッシュが達成された。
3位は#68 埼玉トヨペットGreen BraveマークXの服部尚貴/脇阪薫一/平沼貴之組が獲得、3時間を過ぎてラスト5周で、服部が逆転でポジションを奪い取り、見せ場を作ってくれた。

ラスト10分の再逆転で、SKR ENGINEERING S2000が優勝!

その服部の逆転シーンより少し前、やはり3時間を過ぎてから、このレース最大のハイライトシーンとなったのが、ST-4クラスのトップ争いだった。
予選でもトップだった#93 SKR ENGINEERING S2000はポジションを守って走り続け、なんと1時間28分経過した40周目に太田とバトンタッチ。
いったんは3番手に退き、その間にトップには蒲生、井口がつないできた#86 TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86が立つ。
そして最終スティントを託された松井は、49周目から1時間30分後のチェッカーまでひた走ることに。

その間に再びトップに立ったのが、#93 SKR ENGINEERING S2000の太田だった。
やはり太田もなかなかピットに戻らず、ようやく佐々木と代わったのは、残り30秒を切ろうとしていた75周目。
その直前でのリードは約40秒だっただけに、そのままトップを守り続けることはできなかったが、ほぼ10秒だった差はあっという間に縮まっていく。
S2000が最も自慢とするストレートスピードの速さに物を言わせ、82周目にはもう2秒を切るように。1秒を切ると、もう松井にはなす術がなかった。
85周目の90度コーナーでインを刺し、佐々木がトップに浮上。
そのまま逃げ切って優勝を飾ることとなった。3位は新体制で挑んだ、昨年のチャンピオンチーム、#13 ENDLESS ADVAN 86の小河諒/高橋翼/花里祐弥組が獲得した。

グループ1総合優勝(ST-Xクラス優勝)

#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-R

藤井誠暢

今回は予選3番手で、エンドレスがライバルだと思っていたし、本当に一騎討ちになりそうだったので、本気でスタートは狙っていました。
それで前に出たら逃げよう、それで主導権を握ろうと。
1コーナーで2台を抜いて、そこからプッシュして流れを引き寄せられました。
内田選手も平峰選手もペースはすごく良かったですね。
ただ今回は、去年チャンピオン獲って、結果出すのが当たり前になっちゃっているんですよ、いい意味で。
今までこの学生プロジェクトは「勝ちたい!」がすべてだったんですが、結果出すのがベースになってきちゃっているので、正直この開幕戦を迎えるにあたって、今までで一番プレッシャーがありました。
エンドレスとは同じクルマで差がないので、辛かったです。
今シーズン、さらに強くならないとダメなんで、いろんなトレーニングもしてきたし、準備もそれなりにしてきたので、その成果がちゃんと出て良かったです。

内田雄大

去年チャンピオンということで、チーム全体の緊張感が去年より高かったですし、その中で初戦から優勝ができたことは嬉しいですし、格別ですね。
何と言っても、藤井選手がスタートでトップを奪取してきてくれて、TANIGCHIさんの前で僕がコースに入れたことが、やっぱり大きかったですね。
これからもひとつひとつ取りこぼしがないように、頑張ります!

平峰一貴

マージンはけっこうあったので、あとは僕のスティントでミスなく、クルマをしっかり最後まで運ぶこと、ただそれだけですよね、僕の仕事は。最後の15周ぐらいは後ろにペースを合わせていて、それまでもタイヤとブレーキをかなりいたわって走っていたので、(1分)52秒台で走ろうとは思ったけれど、監督から「そんなにプッシュしなくていいから」って話も出ていたので、僕はとにかく合わせて走っていました。
このレースがいちばん緊張します(笑)。
僕らはディフェンディングチャンピオンなんで、去年は挑戦の年でしたが、今年は守る走りもしながら、ベストな走りもしなくちゃならないっていうのは、けっこうプレッシャーですよね。

ST-3クラス優勝

#38 muta Racing TWS IS350

阪口良平

今回はスピードだけでなく、ピットでも時間を短縮してくれて、左側の2本だけ交換で。
クルマの動きも、左側のフロントを助けるようなセッティングができているし…。
でも、そういうセッティングはかなりオーバーステアになるんですけど、それに僕は乗らなきゃいけないんですけど、堀田さんにも頑張って乗ってもらったので、それで行けた勝利だと思って、この1勝は大きいな、と僕の中では思っています。
ピットでのロスを考えると、ガソリン満タンにしている時はドライバー交代だけ。
ちょっとガソリン少なめの時は左側2本と決めていたんで、ロスを最小限にできて、うまくいきましたね。

堀田誠

なんとか勝たせてもらって、本当に嬉しいです。
最初に出ていった時は満タンで、しかもタイヤもきつかったんで、びっくりしたんですけど、徐々に慣れてペースもつかめて。
課題はまだいろいろありますけど、とりあえず初戦を勝てたので、次のSUGOに向けて、ふたりでいろいろ考えたいと思います。
SUGOはZが速いですし、実は不得意なんです(笑)。
去年はずっとSCが出ている時に走っていて、「これはこれで良かったぞ」と思っていたので。
去年のSUGOはだいぶ運に助けられたので、今年運だけでなく実力でもぎ取りたいです!

ST-4クラス優勝

#93 SKR ENGINEERING S2000

佐々木雅弘

うまくいった! 
10秒って言われて、もう追いつかないだろうな、って思ったけれど、ちょっと頑張ろうかなと。
あと、松井と遊べるかなと思っていたら、追いついちゃいました。
やっぱり、S2000はストレートが速いんですよ。
ちょっと86の方がストレートはきついので、うまく抜けたのかなと思うんですけどね。
でも、ここだから抜けたのであって、他のコースではやっぱり86の方が速いんで、運も良かったですね。
左側のタイヤを一度だけ交換したけど、本当は交換したくなかったんですよ。
でも安パイ見て交換しようとなって、太田さんもすごく頑張っていたんで、僕も頑張らなきゃいけないな、って。最後まで壊れなかったのも大きいですね。

太田侑弥

佐々木くんのおかげですね(笑)。
結果的にタイヤを2本交換したのが良かったんでしょうね、僕も安定して走れましたから。
決して厳しい戦いではなかったですね。
スーパー耐久の優勝は一昨年の鈴鹿以来、久しぶりの優勝ですから、すごく嬉しいですよ。

(はた☆なおゆき)

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