スーパー耐久シリーズ2017第2戦 SUGO Gr.1決勝レポート

April 30, 2017

スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが30kgのハンデ抱えて、なお連勝飾る!

 スーパー耐久シリーズの第2戦がスポーツランドSUGOを舞台に、予選は4月29日(土・祝)に、グループ1の決勝レースは4月30日(日)に行われた。予選は開幕戦に続き、#8 ARN Ferrari 488 GT3の永井宏明/佐々木孝太組が獲得。しかし、3時間で争われる日曜日の決勝レースでは、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大/藤井誠暢/平峰一貴組が逆転を果たし、2連勝を飾ることとなった。

 孤軍奮闘の#31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cupの小川勝人/影山正美/富田竜一郎組は、終始トラブルフリーのまま完走を果たし、ST-1クラスを制覇。ST-TCRクラスでは#97 Modulo CIVIC TCRの伊藤真一/海老澤紳一/中野信治組が、ST-2クラスでは#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至組が、そしてST-3クラスでは、#15 岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組が優勝を飾っている。

ARN Ferrari 488 GT3が2戦連続でポールポジションを獲得する

 土曜日に行われたグループ1の予選は、11時10分から開始され、それぞれの計測時間は15分間とされた。ST-XクラスのAドライバー予選では、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田雄大が1分21秒797をマークしてトップに。これに#3 ENDLESS ADVAN GT-RのYUKE TANIGUCHIが1分22秒014で、そして#8 ARN Ferrari 488 GT3の永井宏明が1分22秒184で続くこととなった。

 Bドライバー予選でトップは、#8 ARN Ferrari 488 GT3の佐々木孝太。1分20秒060を記し、2番手で#89 HubAuto Ferrari 488 GT3を駆る吉本大樹にすらコンマ6秒の差をつけ、また前回の優勝で30kgのウエイトハンディを、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢は背負っていた影響も大きく、1分21秒324を出すに留まったこともあり、合算タイムでは#8 ARN Ferrari 488 GT3が2戦連続でポールポジションを獲得することとなった。

「今回は何事もなく、ポールが獲れました(笑)。ここではもてぎよりもフェラーリに合っていると思うので、チャンスがあるかも!」と佐々木。2番手はTANIGUCHIと山内英輝、元嶋佑弥がドライブする#3 ENDLESS ADVAN GT-Rが獲得し、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは3番手からのスタートとなった。

 ST-1クラスは、31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cupの小川勝人/影山正美/富田竜一郎組が総合8番手につけ、これに続く総合9番手は、#45 LIQUI MOLY RS3 LMSの田ケ原章蔵/白坂拓也/竹田直人組が獲得。ST-3クラスは「ブレーキが厳しい」と語る阪口良平と堀田誠の#38 muta Racing TWS IS350が5番手に留まる中、初のトップを#62 DENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀/中山雄一/山下健太組が獲得した。そして、ST-2クラスでは、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至組がトップとなった。

 

 

スタートでは前に出られなかった、スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井ながら……

 グループ1の決勝レーススタート進行は13時から開始され、爽やかな青空の下で走り出すこととなった。まずは8分間のウォームアップが行われ、ここでトップだったのは#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井。もちろん、今回もスタートを担当するだけに、早々にトップに立つことを誓っていた。そのウォームアップでは、なんと#8 ARN Ferrari 488 GT3の永井がブレーキトラブルからコースアウト。メカニックの対応も素早く、無事グリッドには着いたものの不安要素を抱えてしまう。

 その影響は少なからずあったのだろう、永井のスタートダッシュが鈍り、1コーナーに争い合いながら先に飛び込んでいったのは2台のGT-R。しかし、前回とは異なっていたのは、藤井は#3 ENDLESS ADVAN GT-Rの山内を逆転できず、2番手からの発進となっていたこと。しかも、そのまま激しいバトルを繰り広げるのかと思いきや、徐々に藤井は山内に離されてしまう。ともにプラチナドライバーとあって、1時間12分しか走れないものの、まさにギリギリ1分前の51周目にピットイン。先にピットを離れたのは、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田だった。藤井が燃費走行に徹していたことで、給油時間を短くしたのが理由だった。16秒のマージンを得た内田は、さらに広げることにも成功。#3 ENDLESS ADVAN GT-RのTANIGUCHIを、26秒も引き離していたのだが……。

 最終コーナーでの接触があり、自力で戻るも停止車両があったことから、76周目からセーフティカーがコースイン。これで#3 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rはマージンを失ったばかりか、#3 ENDLESS ADVAN GT-Rと同時にピットイン。今度は元嶋がタイヤ無交換だったことから逆転を果たし、平峰を従えることとなる。ちなみに#1スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは4本交換。平峰はリスタートでの再逆転を狙うも果たせず、しかし大きく遅れを取ることなく元嶋に食らいついていく。

 そしてワンチャンスを、平峰が見逃さなかった。最終コーナーでのわずかなミスで、加速が鈍った元嶋をかわしたのは、87周目の1コーナー。その後は4本交換のメリットを生かし、徐々に差を平峰が広げていき、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは30kgのウエイトハンディもモノとせず、開幕2連勝を飾ることとなった。3位は#8 ARN Ferrari 488 GT3が獲得した。

 孤軍奮闘のST-1クラスは、スタートを担当した影山の走行中に、電気系トラブルが発生したものの、機転を利かせてエンジンをリセットしたことで解消。その後を担当した小川、富田ともに危なげない走りを見せて#31 Nissoku Porsche 991 Cupが、総合7位を獲得するとともに、初優勝を飾ることとなった。

 

目まぐるしくトップが入れ替わったST-TCRクラス、最後に笑ったのは!

 ST-TCRクラスでは、予選トップだった#45 LIQUI MOLY RS3 LMSの白坂のリードから開始されるも、#19 BRP Audi Mie RS3 LMSの柴田優作が食らいついて離れず。やがて#97 Modulo CIVIC TCRの伊藤真一の接近も許し、3台で激しいバトルを繰り広げるようになる。17周目に柴田がトップに立ち、わずかながらも差を広げるように。

 #45 LIQUI MOLY RS3 LMSはフロント右フェンダーの損傷により、オレンジボール旗を出されて順位を落とすも、ドライバーがそれぞれ秋吉圭と奧村浩一、海老澤紳一と中野信治に代わっても、2台での激しいバトルは続いていた。しかし、奧村が「タイヤを使い切ってしまった」と、残り14分間で予定外のピットストップを強いられたことで勝負に決着が。2位にも#98 Modulo CIVIC TCRの黒澤琢弥/石川京侍/加藤寛規組がつけ、順番こそ入れ替えたものの、2戦連続で1-2フィニッシュを達成することとなった。

 

聖地SUGOで岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34が、久々の優勝を飾る

 ST-3クラスは予選トップだった#62 DENSO Le Beausset RC350中山のリードから開始されるも、着実に順位を上げながら近づいてきたのが、やはりと言うべきか#38 muta Racing TWS IS350の阪口だった。わずか5周でトップを奪い、そのまま逃げ続けていった。堀田への交代が29周目と早く、中山が再びトップに立ち、実に1時間39分、63周も走り続けた。しかし、その後のSCランがレースの流れを多く変えた。

 #62 DENSO Le Beausset RC350は山下を6周しか使えず、SCランと合わせて嵯峨へと交代。それでも2番手にはつけたものの、より不運だったのが#38 muta Racing TWS IS350だった。「もう1周早く入るか、後に入れば良かった」と堀田。SCとのポジショニングが悪く、トップとは周回遅れとなってしまったからだ。

 代わってトップに立ったのは、#15 岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34の長島正明/田中徹/田中哲也組。わずか16周で長島は田中哲也と交代し、渋滞を避けて走っていたことで福音がもたらされたのである。しかし、田中徹との交代はSCランの直前で、本来なら大量のマージンが築かれるはずが、嵯峨は隊列の真後ろにいた。リスタートにかけた嵯峨ながら、最終コーナーでの旋回速度にZが勝ることから逆転は許されず。それでもチャンス到来を待ったものの、逆に電気系トラブルに見舞われ、エンジンのリセットで対応なるも、いったん5番手に後退する。だが、諦めずに走り続けた嵯峨はその後の挽回で、ラスト4周で2番手に返り咲く。

 その間に難なく逃げ切りを果たした#15 岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34が、2015年の第4戦・オートポリス以来の勝利を飾ることとなった。3位は#34 SKR team motoyama Z34の本山哲/松原怜史/安田裕信組が獲得。「チームの頑張りと展開に恵まれたこともあって、ここで表彰台に上がれたのは、思ったより早く上がれたし、何と言ってもハッピー。次の鈴鹿もZに合っているコースだと思うので、また表彰台に上がりたいね」と本山。

 ST-2クラスは#59 DAMD MOTUL ED WRX STIが、終始トップを快走。前回に続いて期待された三つ巴のバトルも、20周目に#20 RSオガワADVANランサーの下垣和也/松本武士/近藤説秀組はオーバーヒートで、そして#6 新菱オートDIXCEL EVO Xの冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組はACDの配管が破損し、53周目にリタイアしたため実現ならず。終盤に#59 DAMD MOTUL ED WRX STIにはホワイトラインカットのペナルティでドライビングスルーが命じられるも、ライバル不在の状態では何のダメージにもならず。難なく逃げ切って、久々の優勝を飾ることとなった。

 

グループ1総合優勝(ST-Xクラス優勝)

#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-R

内田雄大

「今回、クルマのセットアップが今ひとつ決まっていなかったんですが、ドライバー3人の力で勝利をもぎ取ることができて、本当に良かったです。30kg積んだつらさは、正直言ってなかったといったら嘘になりますね。でも、しびれました(笑)。今度、60kgで鈴鹿。厳しいですけど、みんなで一丸となって頑張ります」

藤井誠暢

「正直きつかったですよ。スタートは狙っていました。もてぎみたいにスタートでトップに立ったら、いつものパターンで死ぬ気で行こうと思っていたんですが、トップに立てなかったので、コース上では抜けないので燃費走行しようと思って。それで最初のピットで前に出られて、何もなければ、勝てるなと思っていたんですが、SCが出ちゃって。貯金がなくなり、向こうが無交換、こちらが4本交換とはいっても、かなり苦しい状況だったので、平峰選手がすごく冷静にワンチャンスをものにしたんで、あれ以外のチャンスはなかった。平峰選手の強さで勝利したと思うので、すごく感謝していますし、2連勝できてチーム力を出せました」

平峰一貴

「きつかった。その一言以外にありません。無交換っていうのを聞いた時、抜かれるのも仕方ないと思いましたが、本当にワンチャンスでした。向こうも速いから、僕ら以上にペースがいいのは分かっていたし、僕ら以上にかなり多くテストしているので、その分を僕らのチーム力で埋められたっていうのは、かなり大きい。次はもう、こういうチャンスはないと思います。こんなありがたいチャンスはもうないでしょう」

 

ST-1クラス優勝

#31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cup

小川勝人

「前回の借りは、まだ返せていませんが、おふたりが速いので、お世話になりながら走りました。自分に課した課題ですが、まだまだ……でした。次回こそ納得の走りができるよう、頑張ります」

影山正美

「僕のスティントで電気系のトラブルがあって。一回止まってリセットかかったんで、また走り出すことができました。本当にすっきりしました。そのあとは何事もなく……。次の鈴鹿は他が出てきてくれればいいんですが、でも今年のプロジェクトはオーナーさんに慣れてもらうことなので、一台でもしっかりやるべきことをやろうと思います」

富田竜一郎

「無事、完走できました。今回は特に敵もいなかったので、セーフティファーストできっちりゴールすることだけを心がけて走りました」

 

ST-TCRクラス優勝

#97 Modulo CIVIC TCR

伊藤真一

「四輪で優勝したのはいつ以来かなぁ、ST-4に出ていた時にありますね、いずれにせよ久しぶりです。二輪でも勝てていなくて、全然優勝していないので、すごく嬉しいです。今日になったら、すごくセットが良くなって、ペースも上がったので、良かったです、チームが頑張ってくれました」

海老澤紳一

「本当に嬉しいです。でも、お二方のお力添えがあったからなので、ちょっとホッとしました。とはいえ、足を引っ張らないようにと思いつつ、予選のホワイトラインカットとかあったんですけど(苦笑)。おふたりがリカバリーしてくれたので、ありがたかったです。

中野信治

「最終的には、いろいろあったけど接戦にもなったし、盛り上がりましたね、このレースは最後まで何があるかわからないという。シビックは強い。アウディは一発が速いけど、タイヤの負担が大きいようで、特に暑い時は有利かもしれない。次の鈴鹿は出ず、次のレースはオートポリス。そこでも頑張ります」

 

ST-2クラス優勝

#59 DAMD MOTUL ED WRX STI

大澤学

「今回は本当にクルマが決まっていたので、スタート直後からガンガン、マージンを稼いでいって、ST-3クラスの前にも出られたし、ポジション落とすことなくゴールできたのが良かったです。ただ、ホワイトラインカットしてしまいまして、ドライビングスルーペナルティっていうのもあって(笑)。それを差し引いても大丈夫なぐらいマージンがあったので良かったです。踏んでしまったのは僕です。稼いだマージンをちょっとだけ削ったってことで」

後藤比東至

「ペナルティを受けたのは僕です! でも、去年の富士以来の優勝なので、本当に良かったですね。今回どうしても勝ちたかったので。去年チャンピオンは取れましたが、意外と勝てていなかったのでね」

 

ST-3クラス優勝

#15 岡部自動車Rn-s チームテツヤZ34

長島正明

「一応、最初から早めのピットのつもりだったんだけど、ル ボーセのクルマがうちのクルマよりも速かったから早めにピットに入ったんだけど、その後SCとかあって、ちょっと不安だったんだけど、哲ちゃんも徹もすごく頑張ってくれてね。まぁ最初ちょこっと行って、僕は汗もかかずに終わっちゃった。でもね、良かった。2年ぶりなんでね、なかなか勝てなかったから」

田中哲也

「今はZでまともな展開ができるのは、ここだけなんですよ。ここはどうしても勝ちたかったし、勝つつもりで来たので良かったです。2年ぶりですね、なかなか勝つチャンスがなかったので。でもSUGOだけはZに合うんですよね。だから、そこでなんとかしたいと思っていて。ただ、セーフティカーは邪魔でしたね。でも、良かったです、ありがとうございます」

田中徹

「久しぶりの優勝ですねぇ。リスタートの時は、ヒヤヒヤものでした。ストレートで後ろに着かれたら、絶対に負けるので。前は詰まった状態で、後ろのストレート行かれたら、普通にクラス違いのように抜かれてしまいますので、一回抜かれたら、なかなか抜き返せないので、祈りました。そしたら届きました(苦笑)。表のストレートは大丈夫なんですが、裏のストレートまでがあんまり速くないので。助かりました、いろんな意味で」


(はた☆なおゆき)

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