スーパー耐久シリーズ2017 第3戦 プレビュー

June 1, 2017

鈴鹿サーキットが舞台のスーパー耐久シリーズ第3戦は、昨年に続いて「SUZUKA“S耐”サバイバル」として、予選と決勝の間に「セカンドチャンス100」を実施。また、今季初の全クラス混走での4時間レースとなる。

初登場のVWゴルフを加えて、ST-TCRクラスはしっかり5台での戦いに

 「セカンドチャンス100」とは、平たく言えば敗者復活戦で、決勝への生き残りをかけたレースになる。ただし、昨年とはシステムが改められ、ST-Xクラスに対する全車決勝進出の優遇は廃されている。その上で予選からの決勝進出は大幅に増やされ、各クラス下位3台のみセカンドチャンス100にまわり、最下位のチームだけが涙を飲むことに。どうあれ、トラブルを抱えたり、リタイアしたりすることは絶対に禁物だ。

 また、決勝進出台数が従来の45台から50台に増やされたこともあり、按分比例の結果、1台だけのST-1クラスのみならず、ST-TCRクラスとST-2クラスも全車が決勝進出可能となった。そのことは、特に1台だけを落とすのは忍びない……と感じていたST-TCRクラスのファンには、非常に歓迎すべきニュースだろう。

 台数は少ないものの、ST-TCRクラスには話題が満載。これまでもホンダ シビックType RとアウディRS3 LMSが2台ずつ互角の戦いを繰り広げていたが、今回からはフォルクスワーゲン ゴルフGTIも加わることになった。密山祥吾率いる、Adeanauからエントリーの#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRは、日本初レースということもあって実力は未知数ながら、ゴルフとRS3には共通部分が多く、スピードに関して圧倒的な引けを取ることはなさそうだ。3車種入り乱れて、さらに言えば5台で繰り広げる激しいバトルを、誰もが望んでいるに違いない。

 そして、道上龍と幸内秀憲の参戦で話題を集めている#97 Modulo CIVIC TCRながら、長らくTBNとされていたAドライバーが、このほどついに発表され、土屋圭市がドライブすることとなった。2003年の勇退以来、久々の公式レースとなる土屋ながら、Moduloの開発ドライバーを務めていたり、今でもデモランなどで激走を見せていたりするだけに、腕に錆など絶対にないだろう。ちなみに道上と土屋が組んでレースを戦うのは、1996年の鈴鹿1000km以来とのこと。

 また、幸内はかつてシビックインターカップで活躍し、黒木健次や西垣内正義らと激闘を繰り広げた、ホンダワンメイクレース伝統のドライバーだ。一時、ブランクはあったものの、昨年タイの耐久レースでホンダ ジャズ(日本名フィット)を駆り、チャンピオンを獲得。こちらもまた、腕に錆はまったくなさそうだ。近頃ではハイデックスの代表として、小林可夢偉や中嶋一貴らのヘルメットペインターとして世界的に知られてもいる。かつてレースをともに戦ったドライバーから、この復帰が大いに歓迎されているのは言うまでもない。

 

ウエイトハンディは、高速テクニカルコースの鈴鹿で、どう影響を及ぼすか?

 もうひとつ、今回のレースで重要な要素はウエイトハンディ制度だ。ここまで2戦を終了し、勝ったチームはそれなりのウエイトを積んでいる。これが低速から高速まで、バランスよくコーナーを備える鈴鹿に関しては、重大な影響を及ぼすことだろう。ことST-TCRクラスに関しても、2戦連続で1-2フィニッシュのModulo CIVIC TCRは#97、#98ともに30kg積んでいるのに対し、#19 BRP Audi Mie RS3 MLSも#45 LUQUI MOLY RS3 LMSは、わずか5kg。初参戦の#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRに至っては、当然0kgと差は大きい。

 ちなみに、いちばんのヘビー級はST-Xクラスで開幕2連勝のスリーボンド日産自動車大学校GT-Rで、実に60kgを積む。さすがに3連勝は至難の技どころか、むしろセカンドチャンス100行きの可能性とて、十分にあるだろう。そこで生き残った上で、どれだけ上位に食い込めるかで今後のタイトル争いが大きく左右されることとなるのでは? 

 また、興味深いのはクラスごと、ウエイトを積むチームに数のばらつきがあることだ。最小はST-4クラスで、3チームのみ。つまり、表彰台が独占され続けていることを意味している。逆に最多はST-3クラスの6チームで、どのチームも連続して表彰台に立っていないということになる。両クラスとも激戦区として知られているのに、この対照的な結果。いずれにせよ、今回、そして次回のオートポリスまではしっかり累積されるだけに、この2戦が天下分け目の戦いになるのでは? 逆に言うと、ウエイトに苦しんでいないチームが、この2戦でしっかりポイントを稼げなければ、もうタイトルの芽などあり得ないとさえ断言してもいいだろう。

 さて、気になる週末の天気だが、北中部地方には日曜日、曇り時々雨との予想が……。せっかくの年に一度の鈴鹿でのスーパー耐久だけに、爽やかな天気の下で決勝を楽しんで欲しいもの。ただ、どうせ降るなら予選やセカンドチャンス100の行われる土曜日に、と思っているチームは、FRとFFの混在するクラスのFFの方に、かなり多く存在するのでは。もし、土曜日に降れば、ST-3クラスやST-4クラス、そしてST-5クラスのFFチームの願いが届いたことになる!

(はた☆なおゆき)

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