スーパー耐久シリーズ2017 第4戦オートポリス プレビュー

July 10, 2017

今回も2グループ開催で予選を土曜日に行い、決勝は日曜日の午前にグループ2を、そして午後にグループ1を、それぞれ3時間レースとして行う予定となっている。

今回は地元九州からのスポット参戦あり

ここからシリーズは後半戦に突入。
さらにいうと今回はランキング上位陣に試練は覚悟の上での、最後の戦いとなる。
というのも、ウエイトハンディの累積は今回までで、次回の富士では半減され、最終戦の岡山では再びノーハンディとなるからだ。
したがって、今回ウエイトを積んだ車両が、いかに高得点を獲得できるかによってタイトルの行方が変化する。
おそらくアップダウンの激しいテクニカルコースのオートポリスは重い車両にタイムだけでなく、タイヤに大きな影響を及ぼすことだろう。
そのあたりも頭に入れて、レース展開を見守ってほしい。

さて、今回のトピックスとして挙げられるのは、2台のスポット参戦があることだ。
「たった2台?」と思うかもしれないが、1台は地元九州のチームで、さらに2台とも九州のドライバーが中心となっている。
実は九州はツーリングカーの人気が高く、独自の発展を遂げてきた。
オートポリス誕生以前にも、今はなき西日本(MINE)サーキットに積極的に遠征し、またダートトライアルやジムカーナの改造車クラスのハイレベルさは、全国に知られたほど。

その流れが現在のゴールドカップにも引き継がれているのだが、近頃は台数の減少が目立っているのと、他のサーキットと交流がはかれなくなっているのも、また事実。
これは鈴鹿や岡山に積極的に遠征しているスーパーFJとは、まるで好対照なのである。
そこでゴールドカップのツーリングカー出身で、現在もST-5クラスを戦う筒井克彦が、こんな意見を述べてくれた。
「正直、今のツーリングカーレースは『ガラパゴス』状態で、難しい局面を迎えていると思います。独自のレギュレーションでやっているから、他所からも入ってこられないし、ここからも出られない。だから、僕はスーパー耐久のレギュレーションでやればいい、って提案しているんです。すると、古いクルマを買ってこられたり、それでスーパー耐久に出られたりもする。いい交流ができると思うんですけどね」

実際、現在のツーリングカーレースは基本、排気量ごとに分けられたN1オープンレースながら、中には同じメーカーであればエンジン換装が許されたりもする。
その一方で、年に1~2戦、耐久レースも行なっており、長丁場のレースに対する意識は低くない。
そんな中で地元からスーパー耐久のスポットエントリーがあったことは、大いに歓迎すべきことなのだ。
そこで勝手に筆者は提案したい。
来年はST-Kクラスを新設しては、と。
ゴールドカップの一戦として組み込んで、地元ドライバーも積極的にスーパー耐久に挑んでもらえれば・・・。
給油装置の準備が必要だから、あえてそのあたりを考慮し、独自のクラスを設けるのだ。
それでスーパー耐久の魅力を感じてもらった上で、筒井の提案するレギュレーションの共通化が果たせれば、他のサーキットにも進出する機会は、一気に増すことにもなるだろう。

 

 

今度こそ見られるか、フェラーリの大逆襲!

先にも述べたとおり、オートポリスはウエイト感度の高いサーキットで、しかもシャシーバランスに優れる車両が有利な側面を持っている。
すると、ことST-Xクラスにおいて、ランキング上位を占めるGT-R勢には苦戦は必至。
#3 ENDLESS ADVAN GT-Rと、これを1ポイント差で追いかける#1スリーボンド日産自動車大学校GT-Rは、ともに60kgを積んで、そして前回優勝の#99 Y’sdistraction GTNET GT-Rも40kg。
つまりライバル車両には反撃をかける、またとない機会となるわけだ。
特に注目されるのはミッドシップのフェラーリ勢。
しかもターボで加給されるから、空気の薄い高地であるオートポリスでは、まさに大暴れ必至と言えるだろう。
ここまで3戦連続でポールポジションの#8 ARN Ferrari 488 GT3はもとより、#89 HubAuto Ferrari 488 GT3も今回の本命としておこう。
また、駆動方式の違う車両が混在するという意味では、ST-5クラスも面白そうだ。
シャシーバランスに優れるロードスターに有利そうだが、ここまで2連勝の#88 村上モータース MAZDA ロードスター NDは35kgも積んでおり、たかが35kgといってもローパワーなクラスにおいて、及ぼす影響は極めて高いと言えるだろう。
となれば、先にコメントを挙げた筒井を擁する、#2 TEAM221 BOMEX マッハ車検 ND5 RCが大いに優位か?
また、ウエイトに苦しんでおらず、なおかつパワーでロードスターに勝るという点ではフィットが、特に#69 J’SRACING ホンダカーズ浜松北 みきゃんFITが最も当てはまる。
ディフェンディングチャンピオンも、今年は不運な展開が続いているだけに、このあたりでストレスを一気に発散させたいと思っているはずだ。

 

 

どこまで続くか、シビックTCRの快進撃

今回もST-1クラスは#31 Nissoku Porsche 991 GT3Cupの1台のみ。
前回は総合でも5位に食い込んだが、果たして何台FIA-GT3を抑えることができるか注目される。

ST-TCRクラスは前回から登場した#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRがエントリーせず、再び4台での戦いとなる。
ここまで3戦すべて勝っているのが、ホンダシビックTCRで、#98 Modulo CIVIC TCRが2勝、#97 Modulo CIVIC TCRが1勝と、ここまでアウディ RS3 LMS勢の優勝を許していない。
3戦すべて、#45 LUQUI MOLY RS3 LMSがクラスポールを奪い、速さは実証されているのだが、決勝では不運なトラブルに泣かされ続けている。
しかし、#98は50kg、#97は30kgも積んでいる以上、もう・・・いうのが大方の予想。
一方、#45は15kgで、#19 BRP Audi Mie RS3 LMSは10kgとあって、ここで勝たねばどこで勝つ、という状況だけに全力を尽くしてくるに違いない。

一方、ST-2クラスも今回は4台のみの参戦に。
ここまで2連勝の#59 DAMD MOTUL ED WRX STIも50kg積んで、もはや苦戦は必至だろう。
開幕戦ウィナーの#20 RSオガワ ADVAN ランサーや、前回2位の#6 新菱オート☆DIXCEL EVO Xは、それぞれ25kg、10kgしか積んでいないこともあり、一矢報いるに絶好の機会となりそう。

昨年とは異なり、混戦状態となっているST-3クラスは、ランキングトップの#62 DENSO LeBeausset RC350ですら30kgとあって、まだまだどのチームにも勝つチャンスはありそうだ。
当然、これまでの3戦以上に勝ちに来るのは、#38 muta Racing TWS IS350であるのは間違いない。
ディフェンディングチャンピオンでありながら、まだ1勝というのは大いに不満のはず。
#62と5kg差の25kgとあって、十分に勝機はありそうだ。
徐々に戦闘力を高めている#68 埼玉トヨペット GreenBrave マークXも、十分不気味な存在であるし、何より第2戦を制した#15 岡部自動車Rn-sチームテツヤZ34が、その前に勝ったのがオートポリスでもある。
再び一矢報いるレースにしたいという思いは、きっと強いに違いない。

表彰台に上がっているのは、たった3チームのST-4クラス!

他のクラスはウエイトハンディ制度が効いて、ポイントがばらけているものの、ST-4クラスに関してはウエイトを積んでいるのは、スポット参戦のチームを除けば、3チームだけ。
ということは、表彰台は独占され続けていることになる。
ランキングトップの#86 TOM’S SPIRIT 86は40kg、2位の#93 SKR ENGINEERING ings S2000は30kg、そして3位の#13 ENDLESS ADVAN 86も20kgとあって、果たしてその影響は出るのか?
それぞれチーム力に優れるチームだけに、このまま・・・ということも考えられなくもないが、そろそろ牙城を崩してくれるチームの登場を待ちたいところだ。
逆に言うと、まだ20kgということもあり、昨年もオートポリスで勝っている#13が有利かもという予想の一方で、コース的な相性は#54 TC CORSE iRacing ROADSTERに良さそう。
どうあれ、激戦の予感は十分にある。

昨年のレースは予選が雨に見舞われ、特にグループ1では予選が行われず、ランキング順にグリッドが決められただけに、いくつかのクラスではレコードの更新もあるはずだ。
そのあたりも注目してほしい。

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