スーパー耐久シリーズ

NEWS

第6戦 岡山大会の振り返り / 第7戦 SUZUKA S耐のプレビューレポート

2022.11.21

3月に開幕したENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookは、富士スピードウェイ、スポーツランドSUGO、オートポリス、モビリティリゾートもてぎ、岡山国際サーキットと転戦し、ふたたび開幕戦の舞台だった鈴鹿サーキットに戻ってくる。11月26日(土)〜27日(日)に開催される第7戦『SUZUKA S耐』は今シーズン全7戦に拡大されたシーズンの総決算の5時間レースとなる。

今季は第1戦として、すでに多くのチーム、ドライバーが鈴鹿サーキットでの一戦を経験しているが、第1戦は開催されなかったST-4クラスは今季初めての鈴鹿でのレース。第2戦富士SUPER TEC 24時間レース以来となる全クラス混走で、9クラス57台が出走しての5時間レースとなることから、開幕とはまた変わった展開となる可能性も高いだろう。

ST-X

FIA-GT3規定車両で争われるST-Xクラスは、第7戦鈴鹿には7台がエントリーした。同様に7台が参戦した第6戦岡山では、#16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rがポールポジションを獲得。#23 TKRI松永建設AMG GT3、#777 D'station Vantage GT3という予選順位となった。

第5戦もてぎ同様、スタートから飛び出しリードを築いていったのは#23 TKRI松永建設AMG GT3。#777 D'station Vantage GT3が続くが、2台にはそれぞれトラブルが。#23 TKRI松永建設AMG GT3はスタート時、グリッドに沿ってフォーメーションを組まなければいけないところが、グリッドから外れてスタートしてしまいペナルティを受ける。また#777 D'station Vantage GT3は、序盤の競り合いのなかでサイドミラーが脱落。この修復でわずかに遅れをとってしまう。

そんななか、ポールから逃げ切りを果たし今季初優勝を飾ったのは#16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3R。2位は追い上げをみせ、今季2回目の表彰台となった#23 TKRI松永建設AMG GT3という結果に。#777 D'station Vantage GT3は3位となった。

一方スタート時、#23 TKRI松永建設AMG GT3に釣られるかたちでペナルティを受けた#888 Grid Motorsport AMG GT3が4位でフィニッシュ。116.50ポイントを積み重ね最終戦に臨むことになった。このレースで5位に入った#62 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が114.00ポイントで続き最終戦を迎えることになった。91.50ポイントの#81 DAISHIN GT3 GT-Rもタイトルの可能性はあるが、2台の成績次第となる。

チャンピオン争いは実質的に2台の争いとなるが、#888 Grid Motorsport AMG GT3は#62 HELM MOTORSPORTS GTR GT3を先着することが重要。ただし#888 Grid Motorsport AMG GT3は第1戦鈴鹿でペースが悪く、第6戦でもその課題はあった。この点をどう解決するか。また第1戦に参戦していなかった#777 D'station Vantage GT3がどう絡んでくるかも注目だ。

ST-Z

FIA-GT4車両で争われるST-Zは、第6戦岡山では8台がエントリーした。このレースでは2チームのチーム名が変わったが、レースは#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4が優勝。2年連続でGR Supra GT4がこのレースを制しただけでなく、2位には#111 Access HIROSHIMA+ GR SUPRA GT4が、3位には#310 HIRIX★EIKO GT4が入り、GR Supra GT4勢が表彰台独占を果たした。

そんなレースで4位に入った#500 5ZIGEN AMG GT4が、ついに3年目の挑戦で今シーズンのST-Zクラスのチャンピオンを決めてみせた。第2戦富士SUPER TEC 24時間レースでの勝利をはじめ安定した成績を残しての悲願達成となった。

迎える第7戦だが、第6戦同様8台がエントリーするが、チャンピオンを決めた#500 5ZIGEN AMG GT4はエントリーせず。第6戦を欠場した#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RSが復帰する。タイトルは決したとは言え各チームとも良い形でシーズンを終えるべく、見どころのあるレースが展開されるはずだ。第1戦でもGR Supra GT4勢がワン・ツーを飾っており、今回も有力と予想されるが、ライバルたちもシーズンを通じて力をつけてきている。予想がつきづらいレースになるはずだ。

ST-TCR

第6戦はエントリーがなかったST-TCRクラスは、今季参戦した全レースで先着している#75 Team Noah HONDA CIVIC TCRがチャンピオンを決めている。第7戦鈴鹿でも#75 Team Noah HONDA CIVIC TCR、#97 Racer HFDP CIVICの2台が参戦する。

結果的に#75 Team Noah HONDA CIVIC TCRがタイトルを決めているものの、#97 Racer HFDP CIVICにとっては、ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿出身ドライバーが乗り込むことから、鈴鹿は負けられないレースとなるはずだ。

ST-Q

スーパー耐久機構が認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは、第6戦に続き6台が第7戦鈴鹿に登場するが、見逃せないニューマシンが登場予定だ。第1戦鈴鹿で、マツダの丸本明社長兼CEOがサプライズで開発を公言した、#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptがいよいよ登場することになった。

今季開幕戦で#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの戦いを見たMAZDA SPIRIT RACINGが、その戦いに加わるべく開発を進めてきた車両で、まだスペックは明らかにされていないが、バイオディーゼル燃料を使う2.2リッターディーゼルエンジンを積むと推測される。すでに11月6日のイベントでお披露目もされた。

もちろんデビュー戦であり、#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの2台は、今季驚異的な開発が進められ、タイムも大きく向上していることから、すぐにライバルとして戦えるかは分からないが、大きな可能性を秘めた一台になるはずだ。

そして第5戦もてぎ、第6戦岡山と、お互いを驚かせるほど勝負にこだわりはじめた#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの争いは、第1戦鈴鹿から一年を経て、どんなタイムで、またどんな位置関係で戦いをみせるか。

もちろん見逃せないのは、水素エンジンを積む#32 ORC ROOKIE Corolla H2 conceptの戦いも同様だ。鈴鹿サーキットの走行は3回目だが、大きくタイムも向上するとともに、見逃せないのがモリゾウ、小倉康宏のタイムの上がり方だ。佐々木雅弘、石浦宏明も驚く僅差のタイムが記録されており、今回もどんなタイムが記録されるか。

またGT4車両へと繋がる#244 Nissan Z Racing Conceptも、第2戦からの挑戦を締めくくる。コンセプトモデルでの参戦も今回がラストになる可能性もあるだろう。年間を通じて驚異的なブレーキ開発を続けてきた#3 ENDLESS AMG GT4のシーズン締めくくりにも注目したい。

ST-1

第6戦岡山では開催がなかったST-1クラス。第5戦もてぎでは、#47 D'station Vantage GT8Rが第4戦に続く連勝を飾り、シリーズポイントを129.00ポイントに。第1戦、第2戦と連勝を飾った#2 シンティアム アップル KTMの132.50ポイントに肉迫している。

迎える第7戦鈴鹿もこの2台、そして第3戦で優勝した#38 muta Racing GR SUPRAとの争いとなるが、第1戦で優勝した#2 シンティアム アップル KTMがこのまま逃げ切りを飾るか。それとも#47 D'station Vantage GT8Rが逆転するか。3台の争いは最後まで目が離せそうにないだろう。

ST-2

6台がエントリーしたST-2クラスは、第5戦もてぎではそれまで3連勝を飾っていた#225 KTMS GR YARISがついに勝利を逃し、#13 ENDLESS GRヤリスが初優勝を遂げた。そのままシーズンの流れが変わるかとも思われたが、第6戦岡山では#225 KTMS GR YARISが今季4勝目。特に荒川麟と奥住慈英が速さをみせ、チーム一丸となった手ごたえを感じたレースとなった。

これでシーズンは#225 KTMS GR YARISが4勝、#13 ENDLESS GRヤリスが1勝となったが、2台はまだ18ポイント差で、チャンピオンは決していない。#225 KTMS GR YARISが優勢とも感じられるが、速さをみせるシンリョウレーシングチームの2台のランサー、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIがどう絡むか。

そしてなんといっても、これらの争いのなかでも注目とも言えるのが、#743 Honda R&D Challenge FL5だ。第5戦もてぎの際にチームから参戦が公言された新型Honda シビック・Type Rがいよいよレースデビューを果たす。今回はゲストドライバーに武藤英紀を起用しており、多くのHondaファンの前でどんな走りをみせるか、今レースでも最も注目を集める一台になるかもしれない。

ST-3

第6戦岡山では5台で争われたST-3クラス。レースは#63 TRACYSPORTS RC350TWSが速さをみせ優勝を飾ったが、2位にランキング首位である#52 埼玉トヨペット GB クラウン RS、3位に#39 エアバスターWINMAX RC350 55ガレージTWSが入り、2台のポイント差は20ポイントで最終戦を迎えることになった。

#52 埼玉トヨペット GB クラウン RSが優勢のもと迎えるレースではあるが、2台は第1戦鈴鹿でも僅差のトップ争いを展開しており、その差はわずか3.267秒差だった。長い5時間レースで、9クラス混走と予期せぬ要素も多い。最後に笑うのはどちらだろうか……?

ST-4

第1戦ではST-4クラスの開催がなく、迎える第7戦は今シーズン初めて鈴鹿でST-4のレースが楽しめることになる。第2戦から開催されてきたシリーズでは、#86 TOM'S SPIRIT GR86が3連勝。第5戦もてぎこそ#884 シェイドレーシング 86に優勝を譲ったが、第6戦岡山ではきっちりと勝利を奪い返し、決定してはいないものの、26ポイント差と非常に有利な状況で最終戦を迎えた。

第7戦では、#216 HMRスポーツカー専門店 86が戦線復帰を果たし5台で争われることになる。今季デビューとなるGR86勢は鈴鹿のデータはないが、4台ともに同じ条件だ。#86 TOM'S SPIRIT GR86と#884 シェイドレーシング 86にとっては大事なレースだが、他の3台にとっても、来季に繋げることを考えると重要なレースになるだろう。

ST-5

大激戦区のST-5クラスは、第6戦岡山ではスタートからリードを奪った#88 村上モータースMAZDAロードスターが一度は首位を譲るものの、逆転で優勝。今季初勝利を飾った。一方、今季ランキングをリードし続ける#72 OHLINS Roadster NATSが2位に食い込み、92.5ポイントを重ね最終戦を迎えることになった。

とはいえ、第6戦岡山で3位に入った#4 THE BRIDE FITが8.5ポイント差でランキングでも2位に続いており、ランキング5位の#66 odula TONE MOTULロードスターまでチャンピオン争いの権利を残して最終戦に臨むことになる。

今回も15台と多くの台数がエントリーしたが、第1戦鈴鹿では#72 OHLINS Roadster NATSが僅差で優勝。#66 odula TONE MOTULロードスターが2位に食い込んでおり、ランキング3位の#17 DXLアラゴスタNOPROデミオが3位で終えていた。マツダ車が優位のようにも感じられるが、勝敗は予断を許さないだろう。

スーパー耐久シリーズ

ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE 公式WEBサイト
Copyright © Super Taikyu MIRAI Organization. All rights reserved

ページのトップへ