スーパー耐久シリーズ

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ニュース: 2024.07.22

第2戦 富士24時間の大会振り返り/第3戦 オートポリス大会のプレビューレポート

2024年のENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEは、5月24日(金)~26日(日)に行われた第2戦富士SUPER TEC 24時間レースから約2ヶ月のインターバルを経て、大分県日田市のオートポリスで第3戦『スーパー耐久レース in オートポリス』を迎える。アップダウンが激しく、日本国内のサーキットでもタイヤに最も厳しいと言われるコースのひとつだ。

 

そんな一戦には、7クラス38台が参戦することになった。ST-3クラス、ST-5クラスは今回“お休み”だが、第2戦富士SUPER TEC 24時間レースを振り返りつつ、第3戦で行われる7クラスのオートポリス戦をプレビューしよう。

 

ST-X

GT3カーで争われるST-Xクラスは、第2戦富士には5台が参戦した。香港から新たに参戦した強豪Craft-Bamboo Racingが走らせた#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3は、第2戦富士でいきなりポールポジション獲得の速さをみせた。

しかし、決勝レースではトラブルもあり少しずつ後退。代わってトップ争いを展開したのは、2023年勝者の#1 中升ROOKIE AMG GT3、富士SUPER TEC 24時間レース初挑戦となった#23 TKRI松永建設 AMG GT3の2台。夜間には雨も降り出す不安定な天候のなか、2台は絶えず1周以内のギャップで首位争いを展開し、これを#31 DENSO LEXUS RC F GT3が追う近年まれに見る激戦となった。

この争いは終盤になりようやく決着。チームも「完璧なレース」と振り返った#14 中升ROOKIE AMG GT3が2年連続の富士SUPER TEC 24時間レース制覇を成し遂げることになった。途中、二度のペナルティがあった#23 TKRI松永建設 AMG GT3はわずか1周差の2位。#31 DENSO LEXUS RC F GT3は3周差の3位でレースを終えることになった。

迎える第3戦オートポリスだが、開幕2連勝を飾り#1 中升ROOKIE AMG GT3が参戦しないことになった。チーム事情によるもののようだが、これにより参戦台数は4台となった。2戦連続で2位となっている#23 TKRI松永建設 AMG GT3にとって、そしてもちろん連続3位の#31 DENSO LEXUS RC F GT3、さらにこのコースでこれまで速さをみせている#81 DAISHIN GTR GT3、そしてデビュー戦ポールポジションの#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3も優勝を狙いたい。

前年チャンピオン不参加は寂しいところではあるが、その寂しさを感じさせない熱戦が展開されるはずだ。

ST-Z

激戦区のST-Zクラスは、第2戦富士には12台がエントリーした。豪華ドライバーを揃えた#34 TECHNO FIRST R8 LMS GT4が残念ながら予選を前にしてリタイアとなってしまったが、それでも予選から激しい戦いが展開され、#26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4がポールポジションを獲得した。

しかし、決勝レースではまさかの展開となってしまう。#26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4はトラブル、さらに3番手につけていた#25 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4も序盤アクシデントに見舞われてしまう。

またトップ争いを展開していた#21 Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4、#22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CSもトラブルに見舞われてしまうなか、強さをみせた#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOが#52 埼玉 GB GR Supra GT4を1周差で振り切りレースを制することになった。

迎える第3戦も11台が参戦し、激戦が予想される。第2戦でトップを争った#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOと#52 埼玉 GB GR Supra GT4の2台は、昨年もオートポリスで同一周回の争いを展開しており、今季も優勝候補だろう。

一方で、2台にポイント差で離されまいとライバルたちも準備を整えてくるはず。特に、速さをみせながらなかなか勝利に手が届かない2台のraffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4は、今回第2戦のリベンジに燃えているはずだ。

ST-TCR

ツーリングカーの世界規格であるTCR車両で争われるST-TCRクラスは、今回の第3戦がシーズン初開催となった。エントリーしたのは3台で、M&K Racingが2台のRacer ホンダカーズ桶川 CIVICを投入。本来第2戦にも登場を計画していたAudi Team SHOW APEXが#430 エヴァRT初号機 Audi RS3 LMSを投入する。

ドライバーラインアップとしては、いずれもTCR車両の経験があるドライバーが多く、今季初戦から非常に激しい戦いとなりそう。またST-Zクラスに迫るスピードもあることから、総合順位でも興味深い戦いをみせそうだ。

ST-Q

他のクラスに該当しない、STOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは、第2戦富士に8台という多くの台数を集めた。チームオーナーでもあるMORIZOの誘いでチーム監督、スーパーフォーミュラ会長も務める近藤真彦が加わり注目を集めた#32 ORC ROOKIE Corolla H2 conceptがこのレースでも大きな注目を集めたが、ABSのトラブルにより悔しいレースとなってしまった。

#32 ORC ROOKIE Corolla H2 conceptは、そんな悔しさを晴らすべく第3戦オートポリスにも登場する。液体水素を燃料とする挑戦の進化は第2戦富士では30周の連続周回を果たし証明されることにもなったが、第3戦オートポリスではレースでの結果として繋げたいところだろう。

僚友の#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptも第2戦富士ではトラブルに見舞われたが、クラスを超えるスピードをみせてきた。また#92 GR Supra Racing Conceptも、序盤アクシデントに見舞われれたがしっかりと完走を果たしている。2台は第3戦オートポリスも参戦予定で、さらなる進化が期待されるところだ。

#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptは、第2戦富士では決勝レース途中駆動系のトラブルに見舞われており、第3戦オートポリスはリベンジを果たしたいところ。今回、MAZDA SPIRIT RACINGは1台体制で、#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptに集中して臨む。

そして今回のST-Qクラスで最も注目の車両と言えるのが、#61 SUBARU HighPerformanceX Future Conceptだ。これまでBRZでの戦いを続けてきたTeam SDA Engineeringが、BRZでの活動を第2戦富士でひと段落させ、新たな挑戦に臨む。どんな走りをみせるのか、楽しみなところだろう。

ST-1

今シーズン、ST-1クラスは#2 シンティアム アップル KTMの1台のみの参戦で、スピードの面ではST-Zクラスを上回るスピードを開幕2戦で披露してきた。

しかし、第1戦SUGO、さらに第2戦富士ともレース中にトラブルに見舞われてしまった。もちろん第3戦オートポリスで目指すのは完走だ。しっかりとレースを走り抜けば総合順位でも上位が見えてくるだけに、ノートラブルでの走りを期待したいところだろう。

ST-2

第1戦SUGOから1台が増え、第2戦には8台が参戦し盛り上がりをみせてきたのがST-2クラス。そんな一戦は、夜間の降雨の時間帯でも四駆のメリットを活かしスリックで走行を続け、ライバルがトラブルやペナルティが相次ぐなか、ほぼミスなくレースを進めた#13 ENDLESS GRヤリスがレースを制した。

迎える第3戦オートポリスは、ふたたび1台減で第1戦SUGO同様の7台のラインアップとなった。第1戦を制したのは、今季新車を投入した#225 KTMS GR YARISで、今季からST-2クラスに参戦している#72 OHLINS CIVIC NATS、#95 SPOON リジカラ CIVICが表彰台に続いている。

第3戦もシビック・タイプR勢、GRヤリス勢ともに混戦が予想されるが、昨年オートポリスを制している#13 ENDLESS GRヤリスが相性の良さをみせるか。もちろん昨年2位に食い込んでいるシンリョウレーシングチームの2台のランサー・エボリューション勢も見逃せない存在だろう。

ST-4

トヨタGR86、そしてマツダ・ロードスターが参戦し、毎戦接戦が展開されているST-4クラスは、第2戦富士では上位陣の僅差の争いのなか、夜間に変化していくコンディションを的確に読み切った#884 シェイドレーシング GR86が2位に4周差をつけ優勝。ST-Zクラスの僚友とのダブル優勝を成し遂げた。

迎える第3戦オートポリスも第2戦同様7台が参戦するが、このST-4クラスは2023年のオートポリス戦では開催がなかった。つまりデータが少ないコースとも言える。開幕から2位、優勝とランキングをリードする#884 シェイドレーシング GR86がさらにリードを広げるのか、それとも開幕戦ウイナーの#3 ENDLESS GR86が待ったをかけるのか。それとも第2戦で2位となった#41 エアバスターWINMAX GR86 EXEDYが今季初優勝を飾るのか、それとも別のウイナーが誕生するのだろうか……? 接戦で読みづらいクラスだけに、レースは見逃せないところだろう。

 

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