《プレビュー》ピレリスーパー耐久シリーズ2019 第1戦 鈴鹿サーキット

ピレリ スーパー耐久シリーズ第1戦 鈴鹿サーキットプレビュー

今年も戦いの火蓋は、鈴鹿サーキットから切って降ろされる!

昨年に続き、ピレリ スーパー耐久シリーズは鈴鹿サーキットから幕を開ける。5時間の全クラス混走レースとして、大激戦はもはや必至。昨年は全クラスでウィナーが、その後チャンピオンに輝くという前代未聞の結果になっていた。果たして、今年はいかに?

 

 

開幕戦ウィナーがチャンピオンになれた理由

昨年の開幕戦ウィナーは、シーズンを終わってみると、全クラスでチャンピオンになっていた。その理由として鈴鹿のバラエティに富むコースレイアウトは、総合力の高いチームにしか優勝を許さないということが考えられる。低速から高速まで巧みに組み合わされたコーナー、そして2本のストレートを持ち、ストレートが速いだけでも、コーナーが速いだけでも勝てないということだ。さらに昨年はコントロールタイヤがピレリに改められて、いち早くその特性をつかんでいたチームが、その後もレースを有利に戦ったということも考えられる。

今は全クラスにウェイトハンディ制が設けられているため、1〜3位に入れば嫌が応にも車重が増す。次から厳しい戦いを余儀なくされる中、全車ノーハンディの状態での強さは、本当の実力だとも。また、先にハイポイントを獲得できていれば、シーズンを通じた戦略にも余裕が増す。特に開幕戦は5時間レースで、優勝すれば30ポイント。次のSUGOで勝つより10ポイントのマージンを得られるということになる。今年もそういったジンクスは、ありやなしか、注目されるところである。

 

ST-Zクラスの初バトルを制するのは?

さて、注目されるといえば、GT4車両によるST-Zクラスが鈴鹿で初めて成立すること。それも昨年は2戦で成立したといっても、それぞれ1台が出るに留まり、バトルはなかった。今年はついに複数エントリーがあり、初めてのバトル勃発となる。

今回のエントリーは4台で、3車種が登場。しかも、いずれも勝ちに行けるチームだ。まずメルセデスAMG GT4が2台で、#3 ENDLESS SPORTSは内田雄大/山内英輝/高橋翼組。そして#190バースレーシングプロジェクト【BRP】が奧村浩一/水谷晃/林久盛/山脇大輔組となっている。そしてジネッタG55 GT4は#35 TECHNO FIRSTからのエントリーとなり、田中勝輝/石川京侍/本山哲/TBN組に。そしてKTM X-Bow GT3は#2 KTMカーズジャパンからのエントリーで、飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組という、誰もが知る存在や、スーパー耐久を知り尽くしたドライバーがほとんどであるからだ。

ちなみに、3月2日に富士スピードウェイで行われた公式テストには、このうち#35ジネッタを除く3台が出場。#2KTMは深刻ではなさそうだったが、トラブルに見舞われており、#190メルセデスはそのテストがシェイクダウンだった。すでにテストを重ねていたという有利さはあって、トップタイムを#3メルセデスがマークしたのはごく自然な流れだろう。そのテストの印象では、#3メルセデスのストレートでの速さが目立ち、完全な状態であれば、#2 KTMはそのレイアウトを見るまでもなくコーナーが速そう。想像では#35ジネッタが中間的立ち位置にいそうな感じもあり、こと鈴鹿においては速い、遅いがセクションごとはっきり分かれそうだ。

 

GTNET MOTOR SPORTSがST-Xクラス、久々の連覇を狙う

FIA-GT3によるST-Xクラスには、連覇を狙う#1 GTNET MOTOR SPORTSが浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組という不動の体制で挑んでくる。このチームは鈴鹿にめっぽう強く、昨年だけでなく、2014年、15年、17年にも優勝経験が。今シーズンのST-Xクラスはチームの入れ替わりが少なくなく、ニッサン ニスモGT-R GT3は2台のみとなった。もう1台もMY15こと2015年の仕様で、その点ではハンディはないのだが、他の車両との差がどうか気になるところである。

シリーズ完全初登場は、#777D’station Racingがポルシェ911GT3Rからスイッチした、アストンマーティン ヴァンテージAMR GT3。ドライブするのは、星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組だ。スーパー耐久の公式テストには参加していなかったため、その戦闘力は未知数と言わざるを得ない。そして、シリーズ返り咲きとなるのが、#300 TAIROKU RACINGからエントリーのフェラーリ488GT3。ここは山口大陸/ハリソン・ニューエイ/ニコラ・コスタ/高木真一組で挑むこととなる。この2台がどうGT-Rと渡り合うかで、今シーズンの大勢は読めてくるのではないだろうか。

 

シビックが急増のST-TCRクラス。アウディは牙城を崩せるか?

ST-TCRクラスはホンダ シビックが一気に増えて4台となり、アウディRS3 LMSが1台減の3台、そしてフォルクスワーゲン ゴルフGTIが1台は昨年と変わらず。今までシビック2台を走らせていた童夢が#97 Modulo Racing With DOMEとして、ディフェンディングチャンピオンでもある、植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹組に勢力を集中するのが、果たしてどう影響を及ぼすか。

ニューボディを投じているのが、すでに明らかになっているのが#10Adenauのゴルフ、そして#19バースレーシングプロジェクト【BRP】のRS3だ(公式テストに参加していなかった車両でも変更の可能性はあり)。強固なモノコックを持たないTCR車両の最大の弱点が、疲労によるシャシーの剛性低下とされ、特に長丁場を走る、このシリーズでは顕著だという噂も。となれば、ハコ替え効果が見込めるだけに、より有利にシリーズを戦えるかも。

 

ST-1クラスは再び一騎討ち状態に

ST-1クラスは今年も2台の戦いに。連覇を目指し、昨年とほとんど変わらぬ体制で挑むのが、#47D’station Racing。引き続き織戸学をドライビングコーチに、ポルシェ911 GT3 Cupを走らせる。対抗馬は、#998 TRACY SPORTSのアウディR8 LMS CUPに改められた。このクルマ、ワンメイクレース用のいわゆるカップカーだが、気になるのは性能調整。これがどれほどかによって、今年の戦力図が変わってくるだろう。ドライバーはいずれも中国出身で、そのうちジェイソン・ジャンとレオ・イーは、CTCCこと中国ツーリングカー選手権でチャンピオンの経験もある。まずはお手並み拝見といったところか。

 

ST-2クラスにかかる、同一クラス7連覇の期待

過去にクラスを改めて6年連続、あるいは通算での回数で6回チャンピオン獲得の経験を持つチームは存在したが、実は同一クラスで、しかも連続となるとST-2クラスでスバルWRX STIを走らせる、#59 TOWAINTEC Racingが最多となる。もし、今年もチャンピオンを獲得すれば、文句なしの記録達成に。大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組のラインアップは昨年のまま、現状で隙は見当たらず。

やはり最大のライバルとなるのは、三菱ランサーEVO Xの#6シンリョウレーシングチームか。こちらも冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組は不動のメンツ。そろそろ歯止めをかけないと。

 

シリーズ最大の激戦区ST-3クラス、果たして最後に笑うのは?

ニッサン フェアレディZ33が1台欠けこそしたが、その他の車種構成にはまったく変化のないST-3クラス。だが、ドライバーラインアップは微妙に変化しており、戦力強化が図られたという印象だ。チャンピオンの#38 TRACY SPORTSは堀田誠と阪口良平に堤優威が、#62 Le Beausset Motorsportsは嵯峨宏紀と山下健太に小河諒が、そして#68埼玉トヨペットGreen Braveは服部尚貴と脇阪薫一に吉田広樹が加わった。

OKABEJIDOSHA motorsportは2台とも大幅刷新。#14は山崎学と安宅光徳、伊橋勲、そして#15は長島正明と小松一臣、古谷直広、市森友明という組み合わせとなった。また、#34 TECHNO FIRSTも手塚祐弥と大草りき、前嶋秀司の3人が新たに組むことに。こういった変化が、どう戦況に影響を及ぼすのか、大いに注目だ。

なお、影響といえば、レクサスRC350に関しては最低重量が見直されて、20kg追加に。これに対してライバル車両は従来どおり。+20kgが厳しくないはずがない。このあたりにも注目して欲しい。

 

ST-4クラスはTOM’S SPIRITの3連覇なるか

今年も大半がトヨタ86で占められるST-4クラス。やはり本命はディフェンディングチャンピオンの#86 TOM’S SPIRITか。松井孝允と中山雄一、坪井翔のトリオは昨年のまま、強さはそのまま維持されるのは間違いないからだ。

もちろん、ライバルたちも黙って手をこまねいているわけではない。戦力アップを狙い、強力なドライバーを加えたのが、#884林テレンプSHADE RACINGと#5 TRACY SPORTS SPV Racing。それぞれ国本雄資、たしろじゅんを新たにレギュラーとして加えている。このあたりがどう化学変化を起こすかが、大きな鍵になりそうだ。また、新規参戦の#310 C.S.I Racingも、久保凛太郎と細川慎弥、山口礼の組み合わせも強力。今年の台風の目となる可能性も十分にあるだろう。

そして注目すべきは、ホンダS2000で孤軍奮闘の#116キャプテンハーロック・レーシングチーム。WSエンジニアリングと四国のTeam PRINCEがジョイント、その名のとおりアニメ・キャプテンハーロックのアルカディア号を模したカラーリングで走行する。

 

今年は再びST-5クラスでロードスターとFITが互角の勝負に?

昨年、ST-5クラスにおいて、#2 TEAM221と#88村上モータースとで、猛威を振るったマツダ ロードスターだが、今年は最低重量が見直され、20kg追加となった。これでホンダFITとの差が詰まって、互角の戦いが繰り広げられるのではないかと、もっぱらの評判だ。特に鈴鹿では、東コースでロードスターが、西コースでFITが速そう。どちらが追いかけ、追いかけられるのか大いに注目したい。

さて、昨年のチャンピオンである#2 TEAM221だが、今年は活動を休止。オーナーでもあった筒井克彦が、デミオ15MBからロードスターに改めた、#66 OVER DRIVEからの参戦となる。筒井のロードスターに対する豊富な経験が注がれれば、悲願の初優勝も夢ではない。もちろん、#88村上モータースのリベンジにも期待がかかる。

一方、FIT勢では公式テストにおいて、最速だったのは#168 RFCレーシング。チームにとって、鈴鹿はホームコースであるだけに、優勝は是が非でも欲しいところ。また、久しく優勝から遠ざかっている#69 J’S RACINGながら、条件が整った時の強さは過去の実績からも明らかなだけに、逆襲の時を待ちたいものだ。

 

このサーキットはここで見よう! デグナーカーブby阪口良平

皆さん、なかなか西コースには行かないと思いますが、せっかく長い時間のレースですから、デグナーにも足を運んでみてください。実はデグナーの向こう側にも観客席があるんです。デグナーのひとつめ、通称デグ1なんかスリリングに縁石またいだりしていますから、迫力も十分! 僕らのRC350は、別にデグナー得意じゃないんですけど(笑)、ギリギリ行っているところを見られると思いますよ。

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