《プレビュー》ピレリスーパー耐久シリーズ2019 第2戦 SUGOスーパー耐久3時間レース

ピレリ スーパー耐久シリーズ第2戦 SUGOスーパー耐久3時間レース プレビュー

土曜日にグループ2の、日曜日にグループ1の決勝が行われる第2戦

各クラスで激しいバトルが繰り広げられた、鈴鹿での開幕戦から約1か月。第2戦がスポーツランドSUGOを舞台に4月27〜28日に開催される。開幕戦は全クラス混走の5時間レースだったが、今回は3時間で競われる2グループ開催となる。ST-4クラスとST-5クラスによるグループ2の決勝は、土曜日に予選の後に行われ、ST-XクラスとST-Zクラス、ST-TCRクラス、そしてST-1〜3クラスによるグループ1の決勝は日曜日に行われる。
 近頃はシリーズ全体のレベルアップが目立ち、しかも2グループに分けての開催はクリアラップが比較的取りやすいことから、記録更新の機会ともなりやすい。さて、今回はどこまで周回数の最多記録を伸ばすのか?

 

 

D’station Vantage GT3は2連勝なるか! 新旧GT-Rの対決が実現!

開幕戦のST-Xクラスは、まさに激動の展開となっていた。ポールポジションからスタートした、浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組の#1 GTNET GT3 GT-Rが接触によるダメージが大きく、修復に多くの時間を要して完走を果たすに留まり、またその#1 GT-Rを抜いて一時はトップを走行した、山口大陸/ハリソン・ニューウェイ/ニコラス・コスタ/高木真一組の#300 TAIROKU RACING Ferrari 458GT3も、接触によるコースアウトで戦列を離れていた。もし、この2台が最後まで走り続けていたならば……。

きっと星野敏/ダレン・ターナー/近藤翼組の#777 D’station Vantage GT3と、三つ巴でのトップ争いを繰り広げていたに違いない。こと開幕戦の様子では3台の実力は伯仲しており、かえすがえす残念ではあった。しかし、その一方で#777 Vantageの世界戦初優勝という貴重な機会に遭遇することもでき、また真の実力をうかがわせてもくれた。

今度こそ、より激しいバトルが繰り広げられることを期待する一方で、#300 TAIROKU RACINGはマシンをGT-Rにスイッチすることとなった。それもスーパー耐久では初めて投じられる2018モデルで。これまで使われてきたGT-Rは、すべて2015モデル。長年のレーシングユースで熟成され尽くしたことが、耐久レースではメリットとなっているとはされてはいた。が、2018モデルはエンジン搭載位置の見直しやブレーキシステムの改良、空力の改善でバランスは著しく向上。そのあたりがスーパー耐久で、どんな影響をもたらすか。新旧GT-Rの対決にも注目したい。

 

速さのKTMか、強さのメルセデスか? ST-Zクラス二番勝負の行方は

開幕戦の鈴鹿では、初めてGT4によるST-Zクラスに複数のエントリーがあり、初バトルが繰り広げられた。予選トップは飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組の#2ケーズフロンティアSYNTIUM KTMだったが、決勝を制したのは内田雄大/山内英輝/高橋翼組の#3 ENDLESS AMG GT4だった。

見るからにフットワークに優れるという印象のKTM X-BOWながら、エンジンが2ℓターボということもあり、どうしてもナーバスな傾向もあるようで、それに対してメルセデスAMGは4ℓターボということでよりトルクフルに、また寛容であったようだ。しかし、ここSUGOはコーナリング性能に優れる車両が圧倒的に有利とのデータもある。その点で、決勝においても互角の勝負が繰り広げられるのではないか。

 

アウディRS3の快進撃は続くのか。このままシビック勢が手をこまねいているはずがない

開幕戦のST-TCRクラスは、岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔組の#65 Phenomen Mars Audi RS3 LMSが初優勝。FCYやSCのタイミングを有効に活用し、ピットストップを最小限としたことが最大の勝因となった。もともと車両ごとのポテンシャルの差は少ないこともあり、今後もこういった戦術の妙で勝敗が左右されるはずだ。

一方、昨年猛威を振るった、植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹組の#97 Modulo CIVICは序盤にトップを走るに留まり、またペナルティもあって2位でゴールも4位に降格した。終盤の追い上げは激しく、スピードに衰えはないのは間違いないが、このまま負け続けるわけにはいかないだろう。再上昇に向け、必ず策を講じてくるはずだ。

なお、今回からエントリーするのは#22 WAIMARAWA KIZUNA Audi RS3 LMS。ST-1クラスでチャンピオンの経験を持つ堀主知ロバート、千代勝正とKIZUNAのトリオは有力。どんな走りを見せてくれるのか注目したい。

 

ST-1クラスで繰り広げられるか、激しいバトル

開幕戦のST-1クラスは、シュー・リンシャオ/ジャン・ジーキャン/廣田築/イエホン・リー組の#998 Z-REX ADVICS R8 TRACYが優勝。スタート違反のペナルティやタイヤバーストなどアクシデントを乗り越えて、終盤に星野辰也/織戸学/濱賢二組の#47 D’station Porscheを逆転した。

正直、明らかな車両のポテンシャル差があったことから、今回は性能調整が追加。#998 R8の車高がフロント10mm、リヤ11mm高められることとなった。これで性能の均衡がはかられて、激しいバトルが繰り広げられることを期待したい。なお、今回はジェフリー・ジー/リー/ハンス・ワンのトリオでの参加の予定となっている。

 

7連覇に向け、好スタートを切ったDAMD MOTUL ED WRX STI

開幕戦の予選トップは冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組の#6新菱オート☆DIXCELエボXだったが、決勝では序盤のうちに電子制御系のトラブルに見舞われ、思うようにペースを上げられなくなってしまう。こうなればもう、大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組の#59 DAMD MOTUL ED WRX STIのもの。逆転を果たした後は、安定の走りでそのまま逃げ切った。

近頃、ST-2クラスでは本格的なバトルが繰り広げられていないのが、少々残念。互いに様子を見ながら、トラブルを抱えた方が遅れをとるという展開が多い。バチバチやりあうことを望むファンも少なくないのでは?

 

今年も行くか、Zの聖地SUGOで逆襲あり?

近年のST-3クラスはレクサスRC350とトヨタマークXで席巻されている印象が強いが、ここSUGOは例外となる。旋回性能が高く、しかも高速コーナーを得意とするニッサンフェアレディZにとって、このコースは聖地とも言えるからだ。ただでさえ最低重量的にも有利である上に、前回表彰台に乗った3台にはウエイトハンディが追加。これが上りの最終コーナーで特に効いてくるのでは? Z同士の戦いは、すなわち身内の対決! 山崎学/安宅光徳/伊橋勲組の#14 HIRIX☆YAIMA☆Z34、そして長島正明/小松一臣/古谷直広/たしろじゅん組の#15岡部自動車Z34による、仁義なき戦いがレースを大いに盛り上げそうだ。

前回の優勝でウエイトハンディ25kgを積む、嵯峨宏紀/山下健太/小河諒組の#62 DENSO Le Beausset RC350は手堅くポイントを稼ぎにくるのか、それともリスク承知で攻めのレースに討って出るのか、そのあたりも気になるところである。

 

グループ2決勝で総合優勝を果たすのは?

ST-5クラスとの混走になるため、土曜日の決勝では総合優勝も競われるST-4クラス。このクラスにとっては、年に3度の晴れ舞台とも言える。どうあれ、普段から激しく繰り広げられているバトルが、より強調される機会でもある。

開幕戦は無敵を誇ったはずの、坪井翔/中山雄一/松井孝允組の#86 TOM’S SPIRIT 86に決勝でトラブルが発生。4速ギヤを失い、ミッション交換を強いられたのだ。レース中に修復なって戦列に復帰するも、規定周回に満たずリタイア扱いにさえなっていた。これでほころびが出なければいいのだが……。なお、今回は中山が欠場、代わって大嶋和也がドライブすることとなっている。

そして初優勝を飾ったのは、平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI組の#884林テレンプSHADE RACING 86。予選は2番手だったが、オープニングラップのうちにトップに浮上。そのままレースの大半を支配し、優勝を飾ることとなった。果たして、その勢いは保たれているのか!

一方、前回が初レースだったにも関わらず、いきなり2位に入ったのが、久保凛太郎/細川慎弥/山口礼組の#310 GR Garage水戸インター86。今回も侮りがたい走りを見せてくれるに違いない。今季初登場は#13 ENDLESS 86。正しくは復帰となるが、ドライバーは一新されて中山友貴と宮田莉朋のコンビでの参戦となる。ここも面白い存在だ。

 

開幕戦はDXLワコーズNOPROデミオSKY-Dが優勝のST-5クラス

最低重量の見直しもあって、今年はマツダロードスターとホンダFITの対決再び、となるかと思われたST-5クラスだが、開幕戦では意表をついて、井尻薫/辻かずんど/関豊組の#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-Dが優勝を飾った。5時間の長丁場で自慢の好燃費を武器に、FCYやSCのタイミングと、ピットをしっかり合わせたことが勝因となった。

一方、ロードスター勢にはアクシデントも相次いだが、予選の一発は出せても、レースのコンスタントは昨年より損なわれた印象も……。それでもコーナリング自慢のクルマとあって、SUGOでは有利ではないかというのが大方の予想でもある。予選トップだった、橋本陸/筒井克彦/武知孝幸組の#66 odula Idea ROADSTERは、そろそろ初優勝が欲しいところ。また、ST-X車両に追突されてクラッシュした、村上博幸/中島保典/雨宮恵司/梶谷太郎組は全損との情報も……。間に合うことを期待したい。

前回、FIT勢で最上位は、藺牟田政治/植田正幸/久保田秀夫組の#70 J’S RACING☆FIT。このチームに復活の兆しあり。そろそろシリーズをかき回して欲しいものだ。

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