《グループ1予選・決勝レポート》ピレリスーパー耐久シリーズ2019 第2戦 SUGOスーパー耐久3時間レース

ピレリスーパー耐久シリーズ2019第2戦 SUGOスーパー耐久3時間レースグループ1予選・決勝レポート
FCYとSCの相次いだ波乱の決勝は、ドラマの連発に!

 

ピレリ スーパー耐久シリーズ第2戦がスポーツランドSUGOを舞台に4月28日(日)、グループ1の決勝レースが行われた。各クラスで激しいバトルが繰り広げられ、またFCYとセーフティカー(SC)が2度ずつ入る波乱の展開ともなった。総合優勝を飾ったのは、浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組の#1 GTNET GT3 GT-Rで、これが今季初優勝に!

 

 

予選はセミウェットからほぼドライに転ずる複雑なコンディション

グループ1の予選は、それまで降っていた雨がやんだこともあり、Aドライバーセッションをほとんどのドライバーがウェットタイヤで走ったのに対し、Bドライバーセッションはドライタイヤでの走行となった。そんな中、Aドライバーセッションでトップだったのは、開幕戦に続き、#1 GTNET GT3 GT-Rの浜野彰彦。1分29秒551をマークし、2番手につけた#244 LEXUS RC-F GT3の田中徹にさえ1秒2の差をつける。

一方、Bドライバーセッションでトップに立ったのも開幕戦同様、#300 TAIROKU RACING GT-Rのハリソン・ニューウェイ。1分20秒538にまでタイムアップを果たす。しかし、合算タイムでは星野一樹が1分20秒978で2番手につけたことから、2戦連続で#1 GTNET GT3 GT-Rがポールポジションを獲得する。「新型のGT-Rのすごさは、僕がいちばん知っているから、トップになれなかったのは悔しいけど、1秒ぐらい差をつけられると思っていたから、この結果は悪くないですね」と星野一樹。2番手には田中徹と田中哲也がアタックを担当した、#244 LEXUS RC-F GT3がつけた。

ST-1クラスは#47 D’station Porscheがトップで、前回優勝の#998 Z-REX ADVICS R8 TRACYはAドライバーセッションで、スロットル系のトラブルから満足にアタックできず。最後尾スタートを余儀なくされる。そして、ST-Zクラスでは#3 ENDLESS AMG GT4がトップ。

ST-TCRクラスでは合算タイムですら、トップから5番手まで1秒以内という超接戦。トップは#19 BRP Audi Mie RS3 LMSが獲得し、2番手は#22 WAIMARIA KIZUNA Audi RS3 LMSで、3番手は#45 BRIN・NAUB RS3 LMSだった。

ST-3クラスはフェアレディZ有利との予想を覆し、#62 DENSO Le Beausset RC350が2戦連続でトップ。#15岡部自動車Z34を僅差で従えた。3番手は#68埼玉トヨペットGreen Brave GR SPORTマークXが獲得。そして、ST-2クラスも2戦連続で、#6新菱オート☆DIXCELエボXがトップだった。;

 

序盤のレースを盛り上げたX WORKS R8だったが……

日曜日のスポーツランドSUGOは上空に青空が広がり、爽やかなコンディションに改まっていた。ただし、吹く風は冷たく、最終コーナーの向こうに見える蔵王連峰の頂には、真っ白い雪も。あらためて、まだ初春なのだと感じさせた。

レースはポールポジションからスタートを切った、#1 GTNET GT3 GT-Rを駆る浜野のリードから始まった。#244 LEXUS RC-F GT3の田中徹が1コーナーでアウトから迫ろうとしたものの、わずかながらもオーバーシュート。これで#83 X WORKS R8の道見真也ショーンが2番手に浮上する。だが、浜野はそのまま逃げることを許されず、道見にピタリと食らいつかれ、8周目にトップを奪われてしまう。

そんな中、10周目に最初のFCYが。シフターのトラブルでSPコーナーにストップした、#190 BRP★Mersedes AMG GT4を回収するためだ。これに合わせて#1 GTNET GT3 GT-Rはピットイン。給油だけを行なって、浜野を2番手のままコースに戻す。これで大きくリードを広げた道見は、その後もさらに逃げ続けた。

23周目、2番手を争っていた#1 GTNET GT3 GT-R、#244 LEXUS RC-F GT3、#300 TAIROKU RACING GT-Rが同時にピットイン。このうち田中徹のみ交代せず、他の2台は浜野から星野へ、山口大陸からニコラス・コスタに交代する。その間に、#777 D’station Vantage GT3の近藤翼が2番手に浮上。だが、前回のウィナーであるものの、ウエイトハンディだけでなく、今回からブースト圧も下げられた、#777 D’station Vantage GT3はストレートが厳しくなり、#83 X WORKS R8を追うことは許されず。1時間を経過した時点で、ほぼ1分の差をつけられていた。

44周目、2回目のFCY提示となる。ヘアピンで#501 KCMG Annika CIVIC TCRがコースアウトしたためだ。ここで3番手につける#1 GTNET GT3 GT-Rはピットインし、またも給油だけを行なって3番手で星野一樹をコースに戻す。そして次の周には#83 X WORKS R8、#777 D’station Vantage GT3がピットイン。それぞれフィリップ・タン、星野敏をコースに送り出す。もちろん、#83 X WORKS R8はトップをキープしたまま。ところがタンのペースが上がらず、後続が一気に差を詰めていく。

まずは星野敏が53周目にトップに浮上。次の周には星野一樹とコスタに抜かれたタンは、58周目の最終コーナーで#10 IDI GOLF GTI TCRにからんでクラッシュし、今度はSCが入ることとなる。その直前にトップへ躍り出ていたのは、#300 TAIROKU RACINGのコスタだった。59周目のストレートで星野敏をかわしていた。

 

巧みな戦術が光ったGTNET GT3 GT-Rが、今季初優勝を飾る!

60周目からのSCランは6周にわたり、しかも25分間にも及ぶことに。ここですかさずドライバー交代を行なったのが、3番手を走行していた#1 GTNET GT3 GT-R。残る手札である藤波を投入する。逆に#300 TAIROKU RACING GT-Rと#777 D’station Vantage GT3は、残していたのがともにプラチナドライバーである、ハリソン・ニューウェイとダレン・ターナーとあって、すぐにはピットに呼び込めず。

残り時間が72分間を切った65周目に、#777 D’station Vantage GT3が、間もなくSCラン終了というタイミングで、ようやく交代させたのに対し、#300 TAIROKU RACING GT-Rは、そのままコスタをコースに留めることに。72周目にようやくニューウェイに交代。これでトップに立ったのは#1 GTNET GT3 GT-Rの藤波で、2番手は#244 LEXUS RC-F GT3の田中哲也。ターナーは3番手に、ニューウェイは周回遅れの4番手に後退する。

80周目には2回目のSCランが。#59 DAMD MOTUL ED WRX STIが、左フロントホイールの脱落から最終コーナーでコースアウトしたためだ。ここでも6周の先導が17分間にわたって行われる。これにより、ST-Xクラスの戦いはほぼ決着がついて、リスタート後に藤波は田中哲也との差をさらに広げることとなった。その結果、開幕戦の無念を、#1 GTNET GT3 GT-Rの浜野、星野一樹、藤波が見事晴らしてみせた。2位は#244 LEXUS RC-F GT3が、そして3位は#777 D’station Vantage GT3が獲得した。

「FCYが出たら必ず入ろうと決めていたので、みんながレーシングスピードで走っていない時に給油すれば得になるので、うまいタイミングで入ったし、チームも決め事を守ってくれたので、本当に完璧なピットストップだったし。コース上では必ずしも一番速くはなかったけれど、チームワークと総合力で勝てたことが何より嬉しいです」と星野一樹。

 

ST-1クラスはD’station Porscheが、ST-ZクラスはENDLESS AMG GT4がともに圧勝!

ST-1クラスでは、思いがけぬ展開に。最後尾スタートを強いられていたはずの#998 Z-REX ADVICS R8 TRACYが、またもスロットル系のトラブルに見舞われ、スタートを切ることさえ許されなかったのだ。これで#47 D’station Porscheの不戦勝が決定。しかし、織戸学〜濱賢二〜星野辰也のリレーをトラブルに見舞われることなく、もちろん大きなミスなくこなして、総合でも6位でゴールした。

これを上回る総合5位でのフィニッシュは、#3 ENDLESS AMG GT4の内田雄大/山内英輝/高橋翼組。一瞬たりともライバルの追随を許さず、2位に3周差の圧勝となった。

 

新菱オートDIXCELエボXがST-3クラスで今季初優勝!

ST-2クラスもまた、#6新菱オート☆DIXCELエボXの冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組の圧勝に。予選トップから菊地がまず逃げ、最初のFCYで早々と給油を行なったことから、#59 DAMD MOTUL WRX STIの先行を許したものの、徐々に差を詰めていく展開に。次のFCYでは同一周回でのピットだったため、順位の入れ替えはなかったものの、最初のSCラン中に行なった2回目のドライバー交代で、再度ポジションを入れ替える。

間隔は広がったとはいえ、最後までバトルが続くことが期待されたものの、前述のとおり#59 DAMD MOTUL ED WRX STIは大澤学のドライブ中にホイールの脱落からクラッシュし、無念のリタイアを喫することに。難なく逃げ切った、#6新菱オート☆DIXCELエボXが今季初優勝を挙げた。

 

BRP★Audi Mie RS3 LMSがST-TCRクラスで悲願の初優勝飾る

ST-TCRクラスでは、#19 BRP★Audi Mie RS3 LMSの太田侑弥/松本武士/篠原拓朗組がポール・トゥ・ウィンを達成。チームにとって、ST-TCRクラスに参戦して初めての優勝ともなった。最初のFCYに併せて、いち早く篠原から太田に代え、さらに2回目のFCYにも松本に代える積極策が功を奏し、1回目のSCラン後にトップに返り咲くことに成功する。

終盤は#45 BRIN・NAUB RS3 LMSの田ヶ原章蔵を背後に置いた松本だったが、近づくことを許さなかったのは、ペースを合わせて走れる余裕もあったからだ。2位はその竹田直人、白坂卓也、田ヶ原の#45 BRIN・NAUB RS3 LMSで、3位は塚田利郎/蘇武喜和/オカハラタツヤ組の#75 AZUMUTH CIVIC TCRが獲得した。

 

最後の直線でスリーワイド。激戦を制したのはADVICS muta racing RC350 TWS!

最後に大激闘が繰り広げられたのがST-3クラスだ。2戦連続で予選トップだった#62 DENSO Le Beausset RC350を駆る嵯峨宏紀が、そのまま逃げることを許されず。2周目には#14 HIRIX☆YAIMA☆Z34の伊橋勲にトップを明け渡す。最初のFCYでピットに入るタイミングを逸したものの、2回目はしっかり使って帳尻を合わせることに。しかし、最初のSCランでドライバー交代を行うと、前にいたのは#38 ADVICS muta racing RC350 TWSの阪口良平。堀田誠、堤優威の順で徐々に差を詰め、同一周回のピットを先に済ませてコースに戻っていたためだ。

しかし、勝負はこれにて決着つかず。阪口に迫ってきたのが#14 HIRIX☆YAIMA☆Z34の山崎学、#15岡部自動車Z34のたしろじゅん、そして#68埼玉トヨペットGreen Brave GR SportマークXの脇阪薫一だった。このうち最初に襲い掛かったのがたしろで、70周目のヘアピンで阪口を抜くが、直後にドライビングスルーペナルティを課せられてしまう。ピットストップの際にバックギヤを使ってしまったためだ。しかし、このバトルが極まるあまり、田代は遅れを挽回して、再び加わることになる。

ゴールが近づくにつれ、衰えのない速さを示したのが脇阪だった。序盤にタイヤトラブルを抱え、予定外のピットストップを2度も行なっていたのが、まるで嘘のように。その脇阪に84周目のS字でたしろが迫るも、そこで接触が……。たしろの#15岡部自動車Z34はダメージを負ってピットに戻るも、脇阪の#68埼玉トヨペットGreen Brave GR SportマークXにはダメージがなかったことが最後のドラマを演出する。

脇阪は87周目に2番手に浮上し、その時点での阪口との差は約8秒。これがじわりじわりと縮まっていく。残り5分を切った時点で、それが2秒を切るまでに。明らかにタイヤが苦しい阪口は暴れるクルマをなだめすかしつつ、必死にガードを固め続ける。一方、脇阪の後ろにも山崎がついて、やがてトップ争いは三つ巴に。最終ラップは完全にテール・トゥ・ノーズ。最後の直線で3台は横一列で並ぶも、辛くも阪口は逃げ切りに成功。その差はなんとコンマ069秒! #38 ADVICS muta racing RC350 TWSが、今季初優勝を飾った。

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