《プレビュー》ピレリ スーパー耐久シリーズ第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race

ピレリ スーパー耐久シリーズ2019 第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race プレビュー

涼しくなっても、戦いはアツい!

激戦続くスーパー耐久シリーズも、もう残すところ2戦となった。第5戦の舞台はツインリンクもてぎ。今大会は全クラス混走の5時間レースとしての開催となる。すでにふたつのクラスでチャンピオンが決まっているが、王手のかかったクラスもあれば、間違いなく最終戦までタイトル争いがもつれ込みそうなクラスもあり、季節はだいぶ秋めいてきたが、アツい戦いを期待できそうだ。

 

 

GTNET GT3 GT-Rがまさかの欠場。だがしかし……

エントリーリストを見て、「?」と思った人もいるのではないだろうか。本来、いちばん上に記されるはずの#1 GTNET GT3 GT-Rの浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組がエントリーしていないからだ。第2戦からの連勝で、名誉の勲章とも言えるウエイトハンディが90kgにも達し、もてぎがストップ&ゴーの続くレイアウトということもあって、ブレーキにかかる負担が大きく、リスクを回避したのが理由という。

結果はどうあれ、浜野や星野らのアツい走りが見られず残念、というファンも多いだろうが、少なくても筆者は賢明な判断と考える。まずひとつに、すでにランキング2位、3位とのチームとの差は48.5ポイント、49.5ポイントとなっているため、この2チームのいずれかが勝たない限り、#1 GTNET GT3 GT-Rは逃げ切って2連覇を達成できるからだ。

また、今大会で決められずとも、それでもまだ十分なマージンがあり、なおかつ岡山国際サーキットでの最終戦は、全車ノーハンディ。同じ条件でガチバトルを制した上で、チャンピオンを決めたいと思っているはず。

何はともあれ、まだ逆転に一縷の望みを託す、#9 MP Racing GT-RのJOE SHINDO/柴田優作/影山正彦/井上恵一組、そして#777 D’station Vantage GT3の星野敏/藤井誠暢/近藤翼組にとっては、最終的な結果はどうあれ、今大会は絶対に負けられない戦いになる。多少のリスクは覚悟の上でレースに臨むに違いない。一方、前回のレースで#244 MaxRacing RC F GT3の田中徹/田中哲也/佐藤公哉組はポールポジションを奪って、一発の速さではライバルに引けを取らないようになってきた。もう逆転のチャンスはないものの、せっかくの好機とあって初優勝を狙ってくるだろう。

 

ST-Zクラスは三つ巴の戦いに

ST-Zクラスは、すでに#3 ENDLESS AMG GT4の内田雄大/山内英輝/高橋翼組のチャンピオンが決定。前大会で連勝はストップしたものの、ウエイトハンディは65kgにも達しているため、少なくても凱旋レースを圧倒的な強さで飾ることは難しいだろう。

だが、それがゆえに戦いは、きっちり三つ巴になりそう。もともとスピードには定評のある#2ケーズフロンティア SYNTIUM KTMの飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組、そして前大会で初優勝を飾った#190 BRP★Mersedes AMGの奧村浩一/水谷晃/山脇大輔組を加え、互角の戦いを繰り広げてくれるのではないか。

ただ、残念ながら前大会の練習中にクラッシュを喫した、#35モノコレ SUN’S TECHNO GINETTAは修復が間に合わず。最終戦こそ勇姿を見せてくれることを期待したい。

 

ST-TCRクラスのタイトル争いは、間違いなく最終戦まで!

毎回ウィナーが入れ替わってきたST-TCRクラスは、数字の上ではまだ全チームに王座獲得の可能性が残されている。実際、シリーズ前半戦は不運な展開の続いた、#97 Modulo CIVICの植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹組は、前大会で優勝したことにより、まだ白旗を上げることなく、逆転での連覇を諦めておらず。トップとの27ポイント差は決して小さいとは言い難いものの、その意気には「ひょっとしたら、ひょっとするかも」を感じずにはいられない。

ただ、現実的には60ポイント以上、すでに手にしている上位4チームの戦いになりそうだ。目下ランキングトップに立つのは、#45 BRIN・NAUB RS3 LMSの竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵組。前大会は4位でゴールしながら、燃料タンクの容量オーバーがあり、失格となってしまったことからライバルとの差を縮めたものの、唯一70ポイントオーバーのマージンはモノを言いそう。

これに続くのが、#10 IDI GOLF GTI TCRのフィリップ・デベサ/密山祥吾/ジェイク・パーソンズ組。コンスタントに上位につける一方で、久しく優勝に恵まれていないこともあり、ここで是が非でも勝っておきたいはずだ。

いずれにせよ、候補をギュッと絞るかもしれないが、このクラスに関しては最終戦までタイトル争いがもつれそう。それだけは紛れもない事実である。

 

ST-1クラスはD’station Porscheが意地を見せるか?

前大会でST-1クラスのシリーズ2連覇を決めた、#47 D’station Porscheの星野辰也/織戸学/濱賢二組だが、ここも簡単に凱旋レースを許されそうもない。積み重なったウエイトハンディは今大会MAXの80kgにも達しているからだ。ただ、このチームは昨年もてぎのレースには出場していないため、3人でのレースは初めてとなる。したがって、ジェントルマンドライバーの星野や濱が、どれだけコース攻略を果たせるかに重きを置くこととなるだろう。

もちろん、もう1台の#998 Z-REX ADVICS R8 TRACYのジェフリー・ゼオ/ジェイソン・ジャン/レオ・イエ/サイモン・チェン組が狙うは、ラスト2戦の連勝。しっかりレースをまとめ上げた時、総合でどれだけ上位につけられるか注目したいところである。

 

ST-2クラスでDAMD MOTUL ED WRX STIの7連覇、最終戦を待たずして!

同一クラスでの7連覇という、未曾有の大記録がかかっている、ST-2クラスの#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組だが、早ければ今大会での決定が可能だ。すでに19.5ポイントの差を2位につけていることもあり、勝てば決まり。ただし、2位以下の場合は、どのチームに優勝を許すかで状況が変わってくる。どうあれ、ライバルの必死の抵抗もまた見たいところではある。

このクラスには昨年からFFの参加が認められるようになり、#17 DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-Dの野上達也/谷川達也/大谷飛雄/野上敏彦組が、まだ優勝こそないものの、コンスタントな入賞で現在ランキングの3位につけている。そのFFで、今大会にデビューするマシンがある。それが#743 Honda R&D Challenge FK8、すなわちホンダシビック・タイプRだ。

Dドライバーにモータージャーナリストの瀬在仁志を加えているが、他の3人、木立純一と望月哲明、柿沼秀樹は本田技研の四輪R&Dセンターの研究員。そうとだけ知ると「ワークスか!」と思うかもしれないが、業務外活動であることが明らかにもなっており、有志での参戦のよう。すでにST-TCRクラスでは実績を残しているFK8シビックながら、ノーマルに近い状態でのレース参戦は、これが初めて。どんなポテンシャルを示してくれるのか、気になるところである。

 

絶対に続く最後まで、ST-3クラスの戦国時代は……

もちろんランキングトップの#34 TECHNO FIRST RC350の手塚祐弥/大草りき/前嶋秀司組が優勝して、ライバルが総崩れになれば、ST-3クラスのチャンピオンは決定するが、そもそも総崩れということがあり得そうもない。ここに集うチームはいずれも百戦錬磨で、ドライバーも手練ればかり。ポイント差の近さも相まって、このクラスは絶対にタイトル争いが最終戦まで持ち越されると断言したい。

昨年、もてぎで優勝を飾ったのは、#62 DENSO Le Beausset RC350。サーキットの近くに本拠を構えるチームが、まさにホームコースで鮮烈な勝利を見せてくれた。今年は開幕戦を制した一方で、富士24時間で序盤に大クラッシュを喫し、ランキングでは中位に留まっているが、今回は必勝体制で挑むはず。今回は嵯峨宏紀と山下健太、小河諒の3人での参戦となる。

もちろん、ウチだってもてぎはホームコース、と主張するであろうのが、#68 埼玉トヨペット Green Brave GR SPORT マークXの服部尚貴/脇阪薫一/吉田広樹組だ。目下、ランキング2位でトップとは11.5ポイント差。先に述べたとおり、このクラスは百戦錬磨のチームばかりとあって、今大会での逆転はなかなか困難だろうが、少しでも差を詰めようと躍起になっているはずだ。

一方、前大会の練習中に大クラッシュを喫し、修復が危ぶまれた#38 ADVICS muta racing RC350 TWSながら、とりあえずエントリーはされている。ほぼ全損状態と言われただけに、新たに仕上げたのか、必死に直したのかは定かではないが、状態が完璧とは思い難い。が、最終戦は堀田誠のホームコースでもあり、そこまで権利を残せば、一発大逆転の可能性は十分にある。阪口良平と堤優威のアシストを仰いで、堀田がどこまで力走を果たすかで希望は繋がるはずだ。

 

林テレンプSHADE RACING 86に、また一歩近づいたTOM’S SPIRIT 86

ST-4クラスでは開幕2戦の苦戦が嘘のように、#86 TOM’S SPIRIT 86の坪井翔/中山雄一/松井孝允組が絶好調。富士24時間から2連勝を飾り、ランキングトップをひた走っていた、#884 林テレンプ SHADE RACING 86の平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI/石川京侍組に、17.5ポイント差にまで迫ってきたからだ。もちろん、どちらかがリタイアでも喫したなら、状況は一変するだろうが、もはやそんなムードはさらさらなく、このクラスもまた最終戦まで死闘が続くだろう。

願わくば、この二強状態を打ち崩すチームが欲しいところ。2戦連続の表彰台ゲットで、右肩上がりのムードを感じるのが、#13 ENDLESS・86の中山友貴/宮田莉朋/蒲生尚弥組である。ヤングパワーの躍進なれば、タイトル争いはもっと面白くなるに違いない。

 

もてぎで決まるはずのない、ST-5クラスのタイトル争い。最後は骨肉の争いも?

ST-5クラスのポイントランキングを見て、「はっ!」と思った方もいるのでは? トップから3位までがわずか1ポイントずつで並び、4位までも8ポイント差! 未だかつてなかった、と言えるほどの大激戦になっているからだ。

そんな状況の中でランキングトップに躍り出たのが、#70 J’S RACING☆FITの藺牟田政治/植田正幸/久保田英夫組で、2位が#69 J’S RACING☆FITの梅本淳一/窪田俊浩/梅田真祐組。つまり、チームメイト同士でトップを競っているのだ。しかし、正直なところ前大会で揃って足踏み状態となったことで、3位以下の接近も許してしまっている。

前述のとおり最僅差で続く、#4 THE BRIDE FITの見並秀文/相原誠司郎/森山鉄也/佐藤駿介組もさることながら、富士24時間の優勝で#88 村上モータースMAZDAロードスターの村上博幸/中島保典/山谷直樹/梶谷太郎組、そして前大会の優勝で#101 ヒロマツ デミオの吉田綜一郎/佐々木孝太/KENBOW組も完全に勢いづいてきた。ともに「これしきの差なんて!」と思っているのは間違いない。特にこの2台は最終戦の岡山がホームコース。今大会をいい結果で終えて、ゲンのいい場所で大逆転チャンピオン、というのが最高の目標のはず。

ランキングトップの#70 J’S RACING☆FITにとって、敵はうちにいるのか、外にいるのか? どうあれ最後まで見応えのある戦いが繰り広げられそうだ!

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