《決勝レポート》ピレリスーパー耐久シリーズ2019 第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race

ピレリスーパー耐久シリーズ2019 第5戦 もてぎスーパー耐久 5Hours Race 決勝レポート
走らずして、GTNET GT3 GT-Rの浜野/星野/藤波の連覇達成される!

 

9月15日(日)にピレリスーパー耐久シリーズ第5戦、「もてぎスーパー耐久5時間レース」の決勝レースが行われ、総合のトップが目まぐるしく入れ替わる中、終盤の大逆転で#83 X Works R8のツェ・カヒン/ショウン・トン/タン・フィリップ組が初優勝。そして、今回のレースは欠場したものの、#1 GTNET GT3 GT-Rの浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組の2年連続チャンピオンが決定した。

 


 

ラスト7分間の大逆転で、X Works R8が初優勝を飾る

ST-Xクラスの2連覇に王手をかけながら、#1 GTNET GT3 GT-Rの浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組が欠場という一戦において、#9 MP Racing GT-RのJOE SHINDO/柴田優作/影山正美/井上恵一組、もしくは#777 D’station Vantage GT3の星野敏/藤井誠暢/近藤翼組が優勝すれば、タイトル決定を最終戦に持ち越せるという状況ではあった。まさに首の皮一枚の崖っぷちにおいて、#777 D’station Vantage GT3の藤井はポールポジションからスタートを切って、早々にリードを広げていく。スティント後半のみ、2番手を走る#83 X Works R8のトンを近づけたものの、トップを守り抜いて近藤にバトンタッチした。

引き続き逃げることが予想された#777 D’station Vantage GT3ながら、わずか5周でピットに戻り、ガレージに押し込まれてしまう。エキゾースト系にトラブルを抱えたためだった。修復に長い時間を要するも、なんとか復帰を果たした後は激しく追い上げていたが、終盤になって今度は燃料系トラブルを抱えて万事休す。#777 D’station Vantage GT3は、完走を果たすのみに終わる。

代わってトップに立ったのは#244 Max Racing RC-F GT3で、田中徹からバトンを託された佐藤公哉が徐々に後続を引き離していったが、70周目を過ぎたあたりからガクンとペースが落ちる。ミッションにトラブルが発生し、3速と5速が使えなくなっていたためで、76周目にはロックするまでの事態に陥り、スピンしたマシンは再始動ならず。無念のリタイアを喫することとなった。

次いでトップを走行したのが、#9 MP Racing GT-Rだった。そのまま逃げ切れば、最終戦に望みをつなげられることから、ジェントルマンドライバーのSHINDOが力走を見せ、残り1時間10分となった104周目に柴田にバトンタッチ。すでに最後のドライバー交代を済ませていた、#83 X Works R8のタンが2番手ながら、その時点での差は25秒ほど。#83 X Works R8は中盤に接触があり、それが危険行為と判定されてドライビングスルーペナルティを課せられていたためだ。


しばらくは一定の間隔を保っていた柴田ながら、ラスト30分を切ったあたりからペースが落ちる。燃料が計算上は最後まで保つのだが、大事を取るためチームの判断だった。「優作にとって、ここはホームコースだし、後ろに着かれても抑え切ってくれると思っていた」と井上監督。ラスト12分となる133周目に差は1秒を切るも、実際に柴田はタンを冷静に抑え続けていた。しかし、その次の周のビクトリーコーナーで、柴田はバックマーカーに行く手を阻まれる形で接触。その際に右リヤタイヤを痛めたことが致命傷に……。白煙を吹き上げ、いったんはコース脇に止まった#9 MP Racing GT-Rだったが、なんとかピットに戻ってタイヤを交換.完走を果たすことには成功した。

ゴールまでラスト7分で逆転を果たした、#83 X Works R8がスーパー耐久で初優勝を飾り、そしてサーキットでレースを見守っていた浜野、星野、藤波の2連覇も同時に決定した。

 

ST-1クラスはD’station Porscheが優勝、なんと総合では3位に!

ST-1クラスでは、すでにチャンピオンを決めている#47 D’station Porscheの星野辰也/織戸学/濱賢二組が今季3勝目をマークした。スピードでは遥かに優っていた#998 Z-REX ADVICS R8 TRACYのジェフリー・ゼイ/廣田築/レオ・リー組が、一時はリードしていたものの、終盤に駆動系トラブルが発生。なんとか修復なったものの、完走を果たすに留まったためだ。

ST-Xクラスに今回、トラブルが相次いだこともあり、終わってみれば金星級の総合3位も獲得し、タイトルに華を添えることとなった。

 

ST-Zクラスでケーズフロンティア SYNTIUM KTMが、悲願の初優勝を飾る

やはりチャンピオンがすでに決まっているST-Zクラスながら、ST-1クラスとは対照的な結果となった。#3 ENDLESS AMG GT4の内田雄大/山内英輝/高橋翼組は、積み重なった65kgが影響を及ぼし、予選、決勝を通じて本領を発揮できずじまいだったからだ。逆に軽さを武器に、ポール・トゥ・ウィンを達成し、初優勝を飾ったのは#2ケーズフロンティア SYNTIUM KTMの飯田太陽/加藤寛規/小林崇志組だった。

しかし、まったく危なげない走りを見せていたかのように見えていた#、2ケーズフロンティア SYNTIUM KTMだったが、実は加藤がスタートを担当してから間もなく、エンジンは駄々をこねていたという。再び加藤が乗り込んだ最終スティントではミスファイアも起こしていたというが、それでも後続を寄せつけることはなかった。

 

2連勝を飾ったModulo CIVIC、ST-TCRクラスの連覇に光明も……

予選ではアウディRS3 LMS勢が上位を独占したのに対し、ホンダシビック勢は#97 Modulo CIVICの植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹組の4番手が最上位だったのは、今回からの性能調整によって最低重量に100kgの差がついたことが大きく影響していた。苦戦を余儀なくされると思われていた#97 Modulo CIVICは、ことレース前半に関してはそのとおりの展開に。まずスタートからレースをリードしたのは予選トップだった、#65 Phenomen Mars Audi RS3 LMSの今村大輔だったが、ブレーキが抜けるトラブルで順位を大きく落としてしまう。

続いてレースを支配したのは、#22 WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMSで、特に千代勝正が後続を寄せつけずにいた。しかし、大津が最終スティントを担当した#97 Modulo CIVICは、交代時に30秒ほどの間隔をつけられていたにも関わらず、じわりじわりと#22 WAIMARAMA KIZUNA Audi RS3 LMSに近づいていき、109周目には逆転に成功! 2連勝を飾って、連覇に一縷の望みをつなぐこととなった。

 

ホームコースでのラストレースをDENSO Le Beausset RC350が制す!

ST-3クラスは予選もトップだった、#68 埼玉トヨペット Green Brave GR SPORT マークXがレース序盤をリード。吉田広樹〜服部尚貴のリレーで逃げ続けていった。そして2時間を超えて間もなくの52周目に脇阪薫一にバトンタッチ。セーフティカーランのタイミングと合わせた格好で、より差が開くと思われたが、コースインしようとした直後にピットロード出口にレッドランプが。SCに率いられた隊列が、ちょうどストレートを通過するタイミングだったためだ。これで1周まるまるロスしてしまい、「これが全てだった」と服部。

その間にトップへと躍り出たのが、#62 DENSO Le Beausset RC350だった。今回は山下健太〜小河諒〜嵯峨宏紀の順で、最後は再び山下がドライブ。その最終スティントでは27秒の差があったのを、最後に吉田が10秒を切るまでに迫ったものの、山下はなんとか逃げ切りに成功。チームのホームコースでのラストレースであったことと、ギリギリでの勝利だったこともあり、ドライバー3人とも複雑な表情を見せていたのが印象的だった。

 

奇跡の大逆転に首の皮一枚可能性を残した、新菱オート☆DIXCELエボXが優勝

今回勝てば、最終戦を待たず7連覇が達成される、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組。決勝ではオープニングラップのうちに、#6 新菱オート☆DIXCELエボXの菊地靖の先行を許すが、大澤が大事にレースを進めていこうとしていたのは、誰の目にも明らかだった。それでもしっかり2番手はキープし、気を熟すのを待っていたはず。それなのに……。

1時間と経たずに、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIはピットに戻り、そのままガレージの中に入れられてしまう。ミッショントラブルが発生し、3速を失ったためだ。すぐに修復できるものではなく、その後もだましだましの走りを強いられる。なぜかライバルにトラブルが発生すると、ノートラブルとなる#6 新菱オート☆DIXCELエボX。その後の冨桝朋広、大橋正澄の走りもまったく危なげなく、今季2勝目をマーク。

一方、いったんはクラス最下位まで沈むも、その挽回も目覚ましく#59 DAMD MOTUL ED WRX STIは2位でゴール。その結果、王座決定はならなかったものの、「最終戦でポールを獲得すれば、決勝の前に決まります。絶対に譲りません!」と大澤。硬くリベンジを誓っていた。

 

ST-4クラスはGR Garage 水戸インター GR86が初優勝

ここまで2連勝で一時期の強さを取り戻してきた感のある、#86 TOM’S SPIRIT 86の坪井翔/中山雄一/松井孝允組が予選でトップ。その坪井のリードからレースは開始されるも、今回は逃げるスピードはなく、大きな遅れこそ取らなかったものの、やがて3番手に退くことに。その後は、それぞれピットストップのタイミングが異なることから、#884 林テレンプ SHADE RACING 86、#104 ROOKIE Racing 86、そして#310 GR Garage 水戸インター GR86との間で、めまぐるしく順位を入れ変える。

その中で最後に笑ったのは、#310 GR Garage 水戸インター GR86の久保凛太郎/細川慎弥/鈴木宏和組だった。ラストスティントは久保に託され、2番手にいた松井を近づけることなく、初優勝に成功。チーム母体のホームコースとも言える、もてぎでドライバー3人が最高の笑顔を見せることとなった。3位は#884 林テレンプ SHADE RACING 86の平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI/石川京侍組で、王座決定を最終戦に持ち越すこととなった。

 

THE BRIDE FITが得意のもてぎで2年連続優勝を果たす

#4 THE BRIDE FITの見並秀文/相原誠司郎/森山鉄也/佐藤駿介組が予選でトップ。決勝でも相原のリードからレースが開始されるものの、そのまま逃げ切ることは許されず。一時は#78 LOVE DRIVE RACING ロードスターの大崎悠悟/山西康司組、そして#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-Dの井尻薫/山本浩朗/関豊/加藤芳皓組の先行も許す。

特に#78 LOVE DRIVE RACINGロードスターはスピードで、#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-Dは燃費で#4 THE BRIDE FITに勝って脅威としたが、絶えず見せた安定感が決め手に。昨年のもてぎ大会に続き、#4 THE BRIDE FITが優勝を飾り、ST-5クラスのランキングトップにも躍り出ることとなった。

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