《プレビュー》第6戦 スーパー耐久レースin岡山

ピレリ スーパー耐久シリーズ2019 第6戦 スーパー耐久レースin岡山 プレビュー

タイトル争いが最終戦までもつれた5クラス、誰もが最後まで諦めず戦う!

全6戦で争われるピレリ スーパー耐久シリーズも、間もなくシーズンの幕を閉じようとしている。その最終戦の舞台は、2017年以来3年連続となる岡山国際サーキット。中低速コーナーの多い、決してアベレージは高くないサーキットではあるが、走りにリズムを欠くとドラマを起こしやすいことで知られている。

なお、今回はST-4クラスとST-5クラスによるグループ2、それ以外のグループ1とに分けて、それぞれ3時間レースとして競われる。予選はすべて土曜日に行われ、日曜の午前にグループ2の、そして午後にグループ1の決勝レースが行われることとなっている。

この最終戦を待たずして、8クラス中3クラスでチャンピオンが決まっているが、残る5クラスの状況は実に両極端である。予選でポールポジションを獲得して1ポイントつけ加えれば、決勝レースを走らずとも決定するのが2クラスある一方で、超僅差かつ複数のチームに権利を残すのも2クラス存在するからだ。最初に、タイトルの行方を占ってみたい。

 

 

あと1ポイントで決まるのは、この2クラスだ!

すでに大差をつけていることで、戦いとしては一騎討ちながら、ランキングトップがポールポジションを奪いさえすれば、チャンピオン決定となるのがST-2クラスとST-5クラスだ。

王手をかけているのは、ST-2クラスが#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至/井口卓人/石坂瑞基組。対抗馬となっているのは、#6 新菱オート☆DIXCELエボXの冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組だ。

そしてST-5クラスでは、#4 THE BRIDE FITの見並秀文/カルロス本田/妹尾智充/佐藤駿介組がランキングトップ。対抗馬は#88 村上モータースMAZDAロードスターの村上博幸/中島保典/山谷直樹組である。

 

予選で決めたならば、決勝を全開で走ってほしいST-2クラス

特にST-2クラスには、前人未到である同一クラスでの6連覇の期待が込められている。その#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの戦い方は実に堅実。近頃は速さで押し切ることはなくなった一方で、万が一トラブルを抱えてもピットに戻りさえすれば確実に完走して、ポイントを稼いできたからだ。逆に#6 新菱オート☆DIXCELエボXには、今年不運なトラブルが相次いだ。それも「ちょっと優位かな……」と思わせた直後に。そのぐらいのリスクを背負わなければ、かの堅実なチームにはかなわないということなのかもしれない。

それだけ堅実な#59 DAMD MOTUL ED WRX STIが今回ポールを奪えず、かつリタイア……ということでの勝利であるが故に、逆転の可能性は限りなく薄いが、こういうギリギリの条件こそ、実は#6 新菱オート☆DIXCELエボXにとっての大好物! 失うものはもうないから、全力勝負に挑んでくれるに違いない。

もし、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIがポールを獲れなかったとしたら、確実に守りの走りとなるだろう。だが、逆に予選のうちに決めてしまったら、是非とも全力での走りを披露していただきたい。「本当は、こんなに速いんだぞ!」とばかりに。

 

サーキットごとドライバーの最適化をはかったのが、強さの秘訣?

今シーズン、優勝こそ前回のもてぎで挙げたのみながら、リタイアが一度もなく、絶えず入賞を重ねてきたことこそ、ST-5クラスで#4 THE BRIDE FITが王手をかけた、最大の要因だろう。逆に唯一、逆転可能な#88 村上モータースMAZDAロードスターは、序盤の2戦をトラブルで落としているのだから、よくぞここまで追いついたという印象さえもある。まさに「余裕」と「執念」の対決ともいうことができるだろう。

タイトルの行方もさることながら、ST-5クラスは注目してもらえば分かるとおり、かなりの激戦区。今回は2グループ開催であるから、特に理解してもらえるはずだ。バトルの激しさもさることながら、ピットタイミングや回数の違いでも、めまぐるしくトップが入れ替わる。

 

4位に入れば、初の王座獲得となる林テレンプ SHADE RACING 86

今回は2グループ開催ということで、先にレースを行うのがグループ2。続いてST-4クラスのタイトル争いに目を移していくこととしよう。このクラスもまた、一騎討ちである。ランキングのトップは、#884 林テレンプ SHADE RACING 86の平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI/石川京侍組。そして、追いかけるのは#86 TOM’S SPIRIT 86の坪井翔/中山雄一/松井孝允組で、その差は12ポイントとなっている。

#86 TOM’S SPIRIT 86にポール・トゥ・ウィンを許したとしても、#884 林テレンプSHADE RACING 86は4位に入れば逃げ切り決定。ここまでの5戦すべて表彰台に上っていることを思えば、決して難しい条件ではない。むしろ#86 TOM’S SPIRIT 86にとっては、間に3台挟める希望が薄いのは事実だ。

前回の初優勝で勢いづく、#310 GR Garage 水戸インター GR86の久保凛太郎/細川慎弥/鈴木宏和組、そして#13 ENDLESS・86の中山友貴/宮田莉朋/蒲生尚弥組、このあたりを加えた4台での死闘が繰り広げられることを、まずは期待しよう。その中で納得のいく走りができれば、どのチームもランキングに関わらず、気持ちよくシーズンが終えられるはずだ。

 

7チームに王座獲得の可能性が残されたST-TCRクラス

今まで最終戦を前にして、7チームにチャンピオン獲得の権利が残されたことなど、果たしてあっただろうか? それほどまでにST-TCRクラスで、大激戦が繰り広げられている。ランキングのトップは、#10 IDI GOLF GTI TCRのフィリップ・デベサ/密山祥吾/ジェイク・パーソンズ組で、わずか0.5ポイント差で追うのが、なんと2チーム! ここまで2連勝中の#97 Modulo CIVICの植松忠雄/中野信治/遠藤光博/大津弘樹組、そして富士24時間の優勝を始め、シリーズ前半にしっかり稼いでいた、#45 BRIN・NAUB RS3 LMSの竹田直人/白坂拓也/田ヶ原章蔵といった具合である。

さらにトップから3ポイント差で続くのが#19 BRP★Audi Mie RS3 LMSの太田佑弥/松本武士/篠原拓朗組で、同じく9ポイント差が#65 Phenomen Mars Audi RS3 LMSの岡島秀章/加藤正将/下山征人/今村大輔組となっており、ここまでは大逆転を現実のものとして見据えているはずだ。

もはやポイント差からすれば、トップの4チームは勝てばチャンピオンとなる。特に#10 IDI GOLF GTI TCRは久しく優勝に恵まれていないだけに、何としても勝って決めたいところ。ライバルの結果次第での決定など、少しも望んでいないはずだ。

 

ST-3クラスのTECHNO FIRST RC350の逃げ切りなるか?

ST-3クラスにも4チームにチャンピオン獲得の権利が残された。トップは#34 TECHNO FIRST RC350の手塚祐弥/大草りき/前嶋秀司組で、追いかける#68 埼玉トヨペット Green Brave GR SPORT マークXの服部尚貴/脇阪薫一/吉田広樹組との差は、わずか3ポイント。これはもう、ひとつでも上位でゴールした方に栄冠が輝くことになるだろう。

もう2チーム、#62 DENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀/小河諒/平川亮組、#38 ADVICS muta racing RC350 TWSの堀田誠/阪口良平/堤優威組にも権利は残されているが、ポール・トゥ・ウィンを飾ってなお、上位の2チームが揃ってリタイアしないと逆転できない。しかし、獲れないことを承知で勝ちにくるのも間違いない。今年限りでの活動終了を発表している#62 DENSO Le Beausset RC350は有終の美を、そして#38 ADVICS muta racing RC350 TWSはホームコースでの勝利を、それぞれ是が非でもと狙っているからだ。

これは間違いなく「すごい戦い」が期待できそうである!

 

GTNET GT3 GT-Rは最後も勝って、より良いシーズンとしたい

チャンピオンがすでに決まっているクラスにも、見どころはもちろん十分。ST-Xクラスは、#1 GTNET GT3 GT-Rの浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組が、前回のレースを戦わずして2連覇を決めるという、非常に劇的な展開となった。逆転の可能性を残すライバルが、次々と脱落していくというストーリーなど、むしろありえないぐらいにドラマチック。そのぐらい、勝負の女神に愛されたシーズンだったのだろう。最終戦は、もちろん勝ってタイトルに華を添えたいはずだ。

最大のライバルになりそうなのが、#777 D’station Vantage GT3の星野敏/藤井誠暢/近藤翼組。前回のレース序盤に見せた速さは、見る者すべてに刺激を与えた。たび重なるマシントラブルで涙を飲んできたが、最初と最後は我々が締めるとばかりに、意気揚々と臨んで来よう。そして悲願の初優勝の期待がかかるのが、#244 Max Racing RC F GT3の田中徹/田中哲也/佐藤公哉組である。デビュー当初は苦戦を強いられていた、レクサスRC F GT3だが、徐々に熟成が進み、ライバル車両と遜色のない速さを見せるまでになってきた。

そして、ランキング2位の期待がかかるのが、#9 MP Racing GT-RのJOE SHINDO/柴田優作/影山正美/井上恵一組。前回は、初優勝を手繰り寄せたかと思われた直後に、まさかの接触で涙を飲んだ。派手な速さはないものの、確実さではクラス随一であるだけに、なんとかこの順位をキープしてシーズンを終えたいところである。

 

ST-ZクラスとST-1クラスは、チャンピオンが有終の美を飾れるか?

#3 ENDLESS AMG GT4の内田優大/山内英輝/高橋翼組が、すでにチャンピオンを決めているST-Zクラス。しかし、ここ2戦は優勝から遠ざかっているだけに、しっかりと勝って終わりたいところだ。一方、前回のもてぎで初優勝を飾った、#2 ケーズフロンティア SYNTIUM KTMの飯田太陽/加藤寛規/高橋一穂組にも同じような思いはあるだろう。ウエイトハンディは25kgだけに、まだ苦しくはない。逆に#3 ENDLESS AMG GT4が55kgであるだけに、正直なところ、どちらに分があるかは明らかだ。

さて、三度目の正直とでも言うべきか。#35 モノコレ SUN’S TECHNO GINETTAの田中勝輝/川端伸太朗/安田裕信/木下圭介組が、2度目のリベンジに成功できるか注目される。ちょうど1年前にデビューした時は孤軍奮闘。今年になって対決に期待されたが、練習中のアクシデントにより、予選すら挑むことを許されていなかったからだ。年間エントリーということもあり、ノーハンディで挑める強みもあり、どれだけの実力を示してくれるのか、大いに楽しみである。

そしてスポット参戦が、#500 5ZIGEN AMG GT4の大井貴之/青木孝行/坂本祐也組。かつてスカイラインGT-Rで猛威を振るった5ZIGENが復帰を果たす。ウエイトハンディがクラスMAXとなってしまうため、楽な戦いは決して許されないものの、かつての勢いを知る者からすれば、ワクワク感は止まらない。

チャンピオンが#47 D’station Porscheの星野辰也/織戸学/濱賢二組に決まっている、ST-1クラスでも注目すべきポイントは、有終の美を飾れるか否か。そして魅力的なクラスであることを、強くアピールしてもらいたい。さまざまなクルマでの参加が可能なクラスであるだけに、今後の盛り上がりにつながるレースを期待したい。

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