《決勝レポート Gr.1》ピレリスーパー耐久シリーズ2020第2戦 グループ1決勝レポート

ピレリスーパー耐久シリーズ2020 第2戦 グループ1決勝レポート

雨量が絶えず変化する、難しいコンディションの決勝レースで
総合優勝をスポット参戦のPorsche Center Okazaki GT3Rが激戦の末に獲得!

 

スポーツランドSUGOを舞台に、ピレリスーパー耐久シリーズの第2戦・グループ1決勝が、10月11日に3時間レースとして争われ、#16 Porsche Centre Okazaki GT3Rの永井宏明/上村優太組が総合優勝を獲得。
ST-Zクラスでは#3 ENDLESS AMG GT4の内田雄大/山内英輝/高橋翼組が開幕2連勝を飾っている。

ST-TCRクラスでは#290 F・Link Home CIVIC TCRの植松忠雄/井出有治/川端伸太朗組が、ST-1クラスでは#28 ROOKIE RACING GR SUPRAの蒲生尚弥/豊田大輔/小倉康宏/河野駿佑組が、ST-2クラスでは#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至/石坂瑞基組が、そしてST-3クラスでは#39 エアーバスターWINMAX RC350 TWSの大島和也/冨林勇佑/石井尚宏組が、それぞれクラス優勝を飾っている。

 

 

 

スタート直後の快進撃から一転、出遅れを帳消しに…

日曜日のスポーツランドSUGOは終日雨に見舞われ、しかも雨量を絶えず変化させる難しいコンディションでグループ1の決勝レースが行われた。
悪天候によってグループ1は、土曜日に予選を行うことができず、そのため決勝グリッドは前回の順位に基づき、クラスごと決定することに。
そのため、ポールポジションからスタートを切ることとなったのは、#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の山脇大輔/高木真一/ショウン・トン組だった。

「前回優勝のご褒美? いやいや、実は練習でショウン選手がコースアウトした時、フロアパネルを痛めてしまって、たまたま持っていないパーツだったので、御殿場から取り寄せて。
だから、ドライでほとんど走れていないんです。
予選が行われなかったのは不幸中の幸いでしたが、できれば雨は強く降ってくれた方が、僕らにとっては楽なんですが…」と山脇。

スタートが切られると、いきなり激しい攻防戦が繰り広げられ、中でも勢いの良かったのは、スポット参戦とあって5番手スタートだった、#16 Porsche Center Okazaki GT3Rの上村だった。
前を行く車両を抜き去り続け、レインボーコーナーでは#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の高木にも迫ったものの、勢い余ってコースアウト!
上村はクラス最下位に後退してしまう。

 

 

トップを守った高木は、オープニングの1周だけで3秒以上のリードを築き、雨が強い間は逃げていく。
ところが、20周を過ぎたあたりから雨足は弱まり、徐々に後続も追いついてくる。
他のクラスでは勝負をかけて、タイヤを交換した車両もあったほど。
そこに迫ってきたのが、#777 D’station Vantage GT3の藤井誠暢だった。
雨は再び強さを増したが、それでも勢いに乗る藤井は、最終コーナーで喫した高木のミスにも乗じ、39周目にはトップに浮上。

そして1時間10分を経過した43周目に、星野敏にバトンタッチ。
高木も山脇に交代したこともあって、代わってトップに立ったのは#9 MP RACING GT-Rの柴田優作。
影山正美への交代をスタートから1時間30分経過の54周目まで伸ばした後は、31周目に上村と代わっていた、#16 Porsche Center Okazaki GT3Rの永井がトップに躍り出る。とはいえ、この時点でST-Xクラスは5台すべて射程圏内。
どう展開が動こうとも不思議ではないほどの、接近戦となっていた。

そんな中、永井に迫ってきたのが、#31 DENSO LEXUS RC F GT3の嵯峨宏紀。
コンマ差でのバトルを繰り広げるが、ストレートの速いポルシェを、なかなか抜ききれない。
その間に近づいてきたのが#9 MP RACING GT-Rの影山で、66周目の1コーナーで嵯峨を抜くと、最終コーナーでは永井さえもかわしていった。

 

 

68周目に永井はピットに戻って、再び上村がコースイン。
その周に影山は最終コーナーでバックマーカーに行く手を阻まれていたことで、嵯峨が逆転を果たすとともに、#31 DENSO LEXUS RC F GT3がついにトップに躍り出た。

 

 

しかし、#31 DENSO LEXUS RC F GT3が75周目に、そして#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3が最後のピットに向かうと、再びトップに立っていたのが#16 Porsche Center Okazaki GT3Rの上村だった。
オープニングラップのミスを帳消しにしたばかりか、ジェントルマンドライバーたちを、エキスパートドライバーである上村は、その後は一歩も寄せつけず。
難なく逃げ切ってスポット参戦ながら、永井と上村が嬉しい総合優勝を果たすこととなった。

2位は#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3が獲得し、ポイントリーダーの座を死守することに。
そして、#31 DENSO LEXUS RC F GT3の猛攻を最後までしのいだ、#9 MP RACING GT-RのJOE SHINDOと柴田、影山、井上恵一が表彰台の一角を奪うこととなった。

なお、前半好調だった#777 D’station Vantage GT3は中盤に接触があり、その際にフロントの足回りを痛めて修復に長い時間を要するも、今回はなんとか完走を果たしていた。

 

[総合優勝・ST-Xクラス優勝] #16 Porsche Center Okazaki

 

 

永井宏明
ふたりで、それとチームでミスなく、最初だけ(上村が)やらかしましたが、それ以外は最高の週末、レースになりました。
難しいコンディションでしたが、思ったように走れて良かったです。
この後もスポットで、岡山にも出ます。
また全力で頑張ります!

上村優太
スタートは僕が行って、1周目にけっこう追い上げたんですけど、トップ出ようとしたら、レインボーでスピンしちゃって。
そこから巻き返して、優勝できたので良かったです。
永井選手がいい走りをしてくれたので、僕も最後は安心して走れました。
スーパー耐久の優勝はあるけど、ST-Xの優勝は初めてです。
雨量が絶えず変わるので、気が抜けなくて、今年いちばん緊張しましたね!
メンタルのコントロールとか、1時間どうやって保たせようとか、ずっと考えていました。
なんとか守れて、良かったです。
ピレリタイヤとこのクルマ、このチームのパッケージは、去年ずっと海外に出ていたので不安はなかったです。

 

 

ST-ZクラスはENDLESS AMG GT4のパーフェクトゲーム

ST-Zクラスで先頭から発進したのは、#3 ENDLESS AMG GT4の内田優大/山内英輝/高橋翼組。
まずは山内がスタートと同時にスパートをかけて、#47 D’station Vantage GT4の織戸学を従えていく。
プラチナドライバー同士の対決とあって、差は少しずつ広がっていくという展開だったが、10秒以上のリードを築いてくれたからには…と、40周目に交代した内田が奮起。
その後しばらく織戸がトップを走るも、54周目に星野辰也と交代すると、#2 ケーズフロンティアSYNTIUM KTXの加藤寛規に続く2番手に。
その加藤が時間にして1時間42分、59周ものロングスティントを終えると、内田はトップに返り咲く。

そして#3 ENDLESS AMG GT4は、69周目に高橋へ。
その直後に#47 D’station Vantage GT4がまたトップを走るも、高橋はコース上での逆転を果たし、さらに星野から篠原拓朗に変わった時には大量のリードが築かれていた。

 

 

この間に2番手に上がっていたのは、#19 BRP SUNRISE-Blvd 718 GT4 MRの松本武士。
音もなく順位を上げて、さらに高橋にも迫っていく。
一時は30秒近くあったリードを、10秒ほどに縮めてしまったことを高橋は悔やんでいたが、それでも#3 ENDLESS AMG GT4が開幕2連勝を達成した。
3位は#2 ケーズフロンティアSYNTIUM KTXが獲得し、#47 D’station Vantage GT4は無念の4位となっていた。

 

[総合優勝・ST-Zクラス優勝] #3 ENDLESS AMG GT4

 

 

内田優大
山内選手がスタートから引っ張ってくれて、あとはもう僕らは淡々と、チームからの指示をこなしていくだけでした。
本当に嬉しいです。
開幕2連勝は大きいですよね!

山内英輝
本当に内田選手も速いのは分かっていたんですが、何があるか分からないので、序盤にできるだけペースを作って、後半のみんなが楽になるように、とりあえず全力で一周、一周プッシュしていました。
そのマージンもあって、最終的に優勝できたので、良かったです。
チーム自身もミスがなかったので、このまま引き続き頑張っていきたいと思います。

高橋翼
おふたりのおかげで楽だったんですけど、自分がそのマージンをなくしちゃったんで。
その部分では自分自身、反省しなくちゃいけないところです。
チーム自体は他の皆さんが頑張ってくれたので、ちょっと僕自身、力不足だったかな、と思っています。
岡山で挽回します。

 

 

ST-TCRクラスは、F・Line Home CIVIC TCRのドラマチックウィン!

ST-TCRクラスは前回のウィナー、#22 WAIMARAWA KIZUNA Audi RS3 LMSのキズナ/千代勝正/安田裕信/大草りきが先頭からスタート。
まずは千代が逃げる格好となったが、#290 F・Line Home CIVIC TCRの植松忠雄が、大きく遅れを取らずに続いていた。
ジェントルマンドライバーである植松は、ミニマム走行時間の50分間に合わせ、30周目に井出有治との交代と併せ、ドライタイヤへの交換を敢行するも、その直後に雨が勢いを増してしまう。
やむなく、わずか9周で井出をピットに戻して、ウェットタイヤへの再交換とともに川端伸太朗をコースに送り出す。

 

 

結論から言えば、その川端が65週もの連続走行にも関わらず、絶えず変化する雨量に完璧に対応し、コンスタントにペースを刻めたことが何よりもの勝因に。
70周目にキズナから大草に代わった#22 WAIMARAWA KIZUNA Audi RS3 LMSを捕らえ、川端は待望のトップに浮上。
85周目には再給油を余儀なくされて、3回目のピットストップを行なってなお、それまでに築いたマージンで逃げ切りに成功。
今年からパートナー一新の植松にとって、昨年の第5戦・もてぎ以来の勝利となった。

 

[総合優勝・ST-TCRクラス優勝] #290 F・Line Home CIVIC TCR

 

 

植松忠雄
ドライタイヤで行けるな、っていう自分の判断で、井出選手に代わったんですが、その後、降ってきちゃったんですよね。
ちょっと読みが外れてしまった。
もうちょっと自分で引っ張って、様子を見れば良かったかな、という反省点はありました。
毎回反省をしています(笑)。
今回は伸太朗が頑張ってくれたので、本当に伸太朗のおかげです。
ありがとう!

井出有治
S耐だけじゃなく、国内で優勝はかなり久しぶり。
伸太朗が長いスティントを頑張ってくれたし、ちょっとトラブルはいくつかあったけど、なんとかチームのみんながいい仕事をしてくれて、ようやく勝つことができて良かったです。

川端伸太朗
いっぱい走らせてもらいましたが、勝てて良かったです!
まず、最初にドライタイヤに換えたのは失敗で、またレインタイヤにして、その時点で明らかにもう1回給油はしなければいけなさそうだったんです。
稼がなきゃいけなかったんですけど、稼いでいっても足りなくて、最後はまた燃費走行になりましたが、なんとか逃げ切ることができました。

 

 

ROOKIE RACING、今回はWウィンならず。
ST-2クラスはDAMD MOTUL ED WRX STIが意地を見せた!

前回、善戦した#38 ADVICS muta Racing RC F TWSが欠場したこともあり、今回のST-1クラスは#28 ROOKIE RACING GR SUPRAの孤軍奮闘に。
スタートを担当した蒲生尚弥は、ST-Z勢にも割って入る激走を見せ、またしても高いポテンシャルを披露することとなった。
交代後の小倉康宏、豊田大輔もまったく危なげのない走りを見せて、しっかり完走を果たすことに。

 

 

一方、ST-2クラスでも2連勝を狙った、#32 ROOKIE RACING GR YARISだったが、金曜日の練習走行で佐々木雅弘が「僕のミス。いつ以来だったか覚えていないほど」というクラッシュを喫し、予選も行われなかったこともあり、ほぼぶっつけ本番状態で決勝に臨む羽目に。

それでもトップスタートの利を活かし、井口卓人が逃げていくも、食らいついて離れなかったのが#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの石坂瑞基。
そして17周目の1コーナーでこそ逆転を阻まれたものの、それから2周後の馬の背で待望のトップに躍り出る。

 

 

その2台とはピットタイミングを大幅に違えたことで、終盤には#6 新菱オート☆NeoGlove☆DXLエボXがトップに立ったが、マージンは十分でなく#32 ROOKIE RACING GR YARISこそ抑えたものの、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIがラスト22分、87周目にトップ再浮上。
石坂からバトンを託された、後藤比東至〜大澤学のリレーも完璧に、ディフェンディングチャンピオンが意地の逆襲を果たしていた。

 

 

[総合優勝・ST-1クラス優勝] #28 ROOKIE RACING GR SUPRA

 

 

蒲生尚弥
コンディションも変わって難しかったんですが、その中でもちゃんと走れたと思いますし、セカンドスティントの小倉選手に代わる時も、タイヤがけっこう難しかったんですけど、結果的にはレインで行って良かったので、僕らとしてはもう、すごくいいレースができたと思います。

豊田大輔
クラスに1台しかないので、多少寂しい思いはあったんですが、完走することを最大の目標としていましたので、雨の練習があまりできていなかったから、今日は雨のトレーニングだと思って、しっかり走りました。
なので、ちゃんと走れた良かったと思います。
徐々にスキルアップできれば、いいなと思っています。

小倉康宏
怖かったですよ。
もうちょっと天候も安定するかと思ったんですが、思ったより激しかったので、やっぱりまだまだ経験、勉強しなくっちゃと思いました。
でも、無事に完走できたので良かったと思います。

 

 

[総合優勝・ST-2クラス優勝] #59 DAMD MOTUL ED WRX STI

 

 

大澤学
前回、富士で負けたのがすごく悔しかったので、今回は気合を入れて、事前のテストもして。
そしたら足のセットが、どハマりして雨でも。
本当にもう、良かった。
今までの経験と、足がドンピシャで合っていましたね。
この勢いで、次も勝ちたいと思います。

後藤比東至
今までの勝ちの中で、いちばん嬉しいです!
これからも諦めずに頑張ります。

石坂瑞基
昨日、予選ができなくて3番手からスタートだったんですけど、雨は走っていなかったんですが、ドライではすごく調子が良かったので、ちゃんと走れば前の2台は抜けると思ってスタートしました。
結果、ちゃんと抜いてリードを作って、次の後藤さんに回すことができたので、すごく良かったと思います。

 

 

ST-3クラスはエアーバスターWINMAX RC350 TWSが初優勝!

SUGOとフェアレディZは相性抜群とあって、今回も優勝候補と目されていたが、予選が行われず、まず下位に封じ込められたばかりか、#244 QUEEN EYES 34Zが1周目にスロットル系のトラブルで早々にリタイアを喫してしまう。
さらに#15 岡部自動車RECAROフェアレディZも降りしきる雨によって、後方からの追い上げもままならず。
そればかりか、序盤のドライタイヤへの交換も完全に裏目に出てしまう。

そんな中、スタート直後に一躍トップに躍り出たのが、#39 エアーバスターWINMAX RC350 TWSの冨林勇佑だった。
スーパー耐久には今年から参戦、eスポーツで世界の頂点に立った経験を持つドライバーは、GR86/BRZレースクラブマンシリーズのEXPERTクラスを制したばかり。
まさに勢いに乗るドライバーは、トップで発進した#52 埼玉トヨペットGreen BraveクラウンRSの吉田広樹を、あっさり抜き去ってきたばかりか、一気にリードを広げていく。

 

 

一方、2番手を走っていた#52 埼玉トヨペットGreen BraveクラウンRSは、わずか10周でピットイン。
ラジエータホースの脱落が原因で、早々に大きな遅れを取ってしまう。
さらにリードを広げた冨林は、55周目に大島和也へ交代。
ますますリードを広げていくが、終盤になってもなかなかピットに戻ってこない。
もはやピット2回の義務づけを忘れているのでは…とさえ思わせたものの、石井宏尚への交代はラスト10分という際どさ。
もちろん難なく逃げ切り、#39 エアーバスターWINMAX RC350 TWSが、ドライバーの3人とともにスーパー耐久での初優勝を飾ることとなった。

2番手には#62 HELM MOTORSPORTS RC350がつけていたが、残り10周でスーパー耐久初挑戦の三浦愛が、最終コーナーで痛恨のコースアウト。
その脇を#15 岡部自動車RECAROフェアレディZが抜き去っていき、土壇場で2位を獲得した。

 

 

[総合優勝・ST-3クラス優勝] #39 エアーバスターWINMAX RC350 TWS

 

 

大島和也
最初から作戦として、最後のピットストップを引っ張ろうと考えていました。
ペースがいいのは分かっていたので、マージンしっかり作って、という感じです。
S耐では初めての優勝になりました。

冨林勇佑
雨は本当に自信があったし、まわりは(タイヤの)発熱に苦労していたので、できるだけ序盤からマージン作ろうと。
ある程度、序盤でリード作れたので、あとは信頼できるチームメイトなので、ちゃんとマージンさえ作れれば大丈夫だと思っていました。
今回、本当に雨に助けられたようなレースでしたね。
86/BRZレースからの2連勝で、来週またレースあるので、二日ぐらいしか余韻に浸れませんね(笑)。

石井宏尚
いつ入るのかと、僕もドキドキしていました!
本当にチームの作戦がうまく機能したので、いい結果になって良かったです。
レースはこれがS耐で3回目。
普段は全日本ラリーにレクサス(RCF)で出ているので、その縁でお世話になっています。
しびれました。
レースではもちろん初優勝です。

 

 

(はた☆なおゆき)

 

 

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