《プレビュー》ピレリスーパー耐久シリーズ2020第3戦

ピレリスーパー耐久シリーズ2020第3戦プレビュー

引き続きの2グループ開催、今度こそ両レースともドライでの戦いに!

今シーズンのピレリスーパー耐久シリーズは2021年の1月まで続く、いわばスーパーシーズン状態となっているが、その折り返しとなるシリーズ第3戦が、岡山国際サーキットで開催される。
ここまでの2戦は、開幕戦は決勝の夜半に、そして第2戦は絶えず雨に見舞われてしまったが、どうやら今回は心配無用の戦いとなりそうだ。

なお、前回に引き続き2グループ開催となるが、今まで岡山では午前にグループ2の、そして午後にグループ1の決勝レースを行なってきたが、今回からグループ2の決勝レースは土曜日に行われることになったので、ご注意あれ。

 

なるか3連勝、ST-4クラスはGR Garage水戸インターGR 86強し

ST-4クラスとST-5クラスによって、土曜日に決勝が競われるグループ2。
ことST-4クラスにおいては、#310 GR Garage水戸インターGR 86の久保凜太郎/細川慎弥/坪井翔組が強く、開幕から2戦連続でポール・トゥ・ウィンを飾っている。
ポールポジションを獲り続けているのだから、速さに関しては申し分ないが、強く感じるのは決勝レース中のリカバリー力の高さだ。
実のところ、2戦とも戦術的には完璧ではなく、これは後に響くかな…という展開も見られた。
しかし、最後に帳尻が合っているというか、合わせたというか、しっかりとトップでゴールしているのである。

結成2年目のチームであるが、ベテランスタッフも備え、何より大きいのが坪井の存在だと、チームを総括する立場である久保は語る。
坪井の豊富な経験が注入されて、チーム力の底上げがはかられたと。
この勢いは、簡単には止められないではないか?
ただ、ひとつ気になるのがウエイトハンディが25kgに達していること。

他にハンディを背負うのは #13 ENDLESS 86の小河諒/宮田莉朋/松井孝允組の15kg、#884 林テレンプSHADE RACING 86の平中克幸/国本雄資/HIRO HAYASHI/石川京侍組の10kgとなっている。
このバランスが、どう影響するか。

 

再確認されたST-5クラスのバトルの面白さ

前回のレースを見て、誰もがST-5クラスのバトルは面白い、と感じたのではないだろうか。
全クラス混走のレースでは目立たないが、実は絶えず高度なバトルを続けているのが、2グループ開催であることで強調されたのは間違いない。

セーフティカー(SC)と総合トップの位置関係で、トップと2番手だけが優勝する権利を手にし、3番手以下には権利なし、という少々残酷な状態にはなっていたが、その周回遅れとなった3番手争いが、トップ争いともからんだから、ややこしそうでより面白くなった。
通常、周回遅れであれば、トップを争う方に先行の権利があるが、「こっちもバトルしているから、勘弁ね〜」という状態。
しかも、それぞれに信頼関係もあったから、興奮しながらも安心して見ていられたというか。

レース終盤、トップを争うのは#4 THE BRIDE FITの伊藤裕士と#88 村上モータースMAZDAロードスターの谷川達也。
そして3番手を争うのが#69 J’S RACING☆FITの窪田俊浩と#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-Dの井尻薫。
結果的にはウェットコンディションに強いFFの、#4 THE BRIDE FITの太田侑弥/伊藤/松尾充晃組の優勝となり、3位もパワーに勝る#69 J’S RACING☆FITの梅田真祐/久保田英夫/窪田組が獲得したが、いずれにせよ紙一重。

また、前回はウェットコンディションであったことから、上位に食い込んだロードスター勢は、#88 村上モータースMAZDAロードスターの村上博幸/中島保典/谷川組だけだったが、ドライコンディションが保たれたら、他のロードスター勢にもチャンスは生じるはず。
となれば、よりバトルの面白さは増す。

 

ST-Xクラスは雨にさえ見舞われなければ、戦況も変わる?

日曜日にはグループ1の決勝レースが行われる。
まずST-Xクラスだが、目下ランキングトップに立つのは、#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の山脇大輔/高木真一/ショウン・トン組だ。
新興チームでありながら、開幕戦で優勝、第2戦で2位につけているのは、やはりメルセデスAMG GT3が、ウェットコンディションを得意としているに他ならない。

さらに、それ以上の適性を改めて示したのがポルシェ911 GT3R。
RRということもあって、濡れた路面の中でトラクションの高さが、#16 Porsche 911 GT3Rの永井宏明/上村優太組の勝因ともなったわけだ。
このチーム、スポット参戦ではあるが、昨年はブランパンGTアジアを戦っており、チームワークも申し分なし。

ただ、ドライコンディションが最後まで保たれたとしたら、レースの戦い方をより熟知しているという点で、既存のチームに有利になる可能性は十分ある。
岡山はホームコースとあって、最有力候補は#81 DAISHIN GT3 GT-Rの大八木信行/星野一樹/大八木龍一郎/藤波清斗組だ。
開幕戦でマシンが負ったダメージが予想以上に大きく、前回のレースを欠場せざるを得なかっただけに、リベンジの思いも強いはず。
大八木信行とともに復活を遂げた、ダイシンオレンジの反響は想像以上に大きく、期待に応えたいとも感じているだろう。

そして速さは誰もが認めるところだが、今年はマシントラブルが続く#777 D’station Vantage GT3の星野敏/藤井誠暢/近藤翼組も、リベンジに燃える一台だ。
何事もなければ、持ち前のスピードを遺憾なく発揮してくれるに違いない。

 

ST-ZクラスのENDLESS AMG GT4は50kgのハンデをも乗り越えられるか

GT4によって競われる、ST-Zクラスは#3 ENDLESS AMG GT4の内田優大/山内英輝/高橋翼組が、開幕2連勝でランキングでも大きくリード。
だが、その快進撃によって、今回搭載するウエイトハンディは50kgにも達している。
メルセデスAMG GT4の持ち味はストレートパフォーマンスながら、岡山もコースレイアウトはむしろコーナーで稼ぐタイプ。
強さを重さが封じ込めてしまう可能性も、なきにしもあらず…。

開幕戦ではことごとくSCに行く手を阻まれ、本領を発揮できずじまいだった、#19 BRP SUNRIZE-Blvd 718GT4MRの福田幸平/松本武士/塩津佑介/奧村浩一組が、前回2位。
ドライコンディションでの本領発揮に期待したい。

 

ST-TCRクラスはF・Link Home CIVIC TCRの川端の勢いに注目

三つ巴の戦いが続くST-TCRクラスでは、前回優勝の#290 F・Link Home CIVIC TCRの植松忠雄/井出有治/川端伸太朗組に注目したい。
特に川端はレースの大半を走って、最後はガス欠になりかけたものの、辛くも逃げ切りに成功。
実は前週に行われたスーパーGTのGT300でも同様の出来事があり、早めのドライバー交代後にSCが入ったことで一躍トップに浮上し、やはり最後はガス欠症状を抱えながら逃げ切っていた。
今回も勝つために、早めに川端と代えてしまうかも!

まぁ、それは半分冗談ではあるが、このクラスは車両に対する条件がほぼイコールであるため、速さにそう差はないことから、ピットのタイミングで明暗が分かれる可能性はありそうだ。

 

ST-1クラスにまた対決が復活!

前回は#28 ROOKIE Racing GR SUPRAの蒲生尚弥/豊田大輔/小倉康弘/河野駿佑組の孤軍奮闘だったST-1クラスだが、今回は#38 ADVICS muta RACING RC F TWSの堀田誠/阪口良平/堤優威組が戻ってくる。
今年はレースを絞っての参戦というが、ここ岡山は彼らにとってのホームコース。
コースを知り尽くした強みで、開幕戦の借りを返そうと必勝体制で臨む。

もちろん、#28 ROOKIE Racing GR SUPRAも、返り討ちにしてやろうと闘志を燃やすのは必至。
どちらに軍配が上がるか、非常に楽しみな戦いだ。

 

DAMD MOTUL ED WRX STIが一矢報いたST-2クラス

開幕戦の勢いでは、このままシーズンを一気に駆け抜けてしまいそうだった、ST-2クラスの#32 ROOKIE Racing GR YARISの井口卓人/佐々木雅弘/MORIZO組。
しかし、前回の練習中にまさかのクラッシュ。
メカニックによる懸命の作業によってリタイアは免れたものの、少なからず決勝に影響も残っていたのではないか。

逆に足回りのセットを徹底的に見直したという、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至/石坂瑞基組が、本来の調子を取り戻した感も前回は確実にあった。
序盤のうちにトップに立って、そのまま逃げ切りは彼らの必勝パターン。
8連覇の期待もかかっていることから、前回が本当の実力だということを、改めて証明して欲しいところだ。

 

三度目の正直なるか、ST-3クラスのフェアレディZが大いに気になる

今年から車両ごと最低重量の見直しがあり、それによって一気に有利になったと思われていた、ファアレディZ勢が予想外の苦戦を強いられ続けている。
前回、#15 岡部自動車RECAROフェアレディZの長島正明/小松一臣/たしろじゅん/山崎学組が、ようやく2位に入ったが、本来の実力はそんなものではあるまい。
ましてもう一台のZ、#244 QUEEN EYES 34Zの田中徹/田中哲也/三宅淳詞組は、ここまでまともにレースさせてもらっていないだけに、ストレスは相当たまっているはず。そろそろ2台のZに爆発の時が訪れそう。

前回、初優勝を飾ったのは、#39エアーバスターWINMAX RC350 TWSの大島和也/冨林勇佑/石井宏尚組。
序盤のうちにトップに立って、そのまま逃げ切る展開は本来、Z勢がなすべきだった展開で、まさにお株を奪った格好に。
また、勢いに乗る若手ドライバーたちにとって、ここ岡山はホームコース。
特に大島は2018年のスーパーFJチャンピオンでもあり、故郷に帰ってきたも同然である。冨林や石井とともに、錦を飾れるか注目したい。

そして、前回は排気系トラブルで早々に遅れをとった、#52 埼玉トヨペットGRクラウンRSの服部尚貴/吉田広樹/川合孝汰組は、開幕戦のデビューウィンがフロックではないことを証明したいはず。
トラブルさえ抱えなければ、真価が見えてくるに違いない。

 

(はた☆なおゆき)

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