《プレビュー》ピレリスーパー耐久シリーズ2020第5戦

ピレリスーパー耐久シリーズ2020第5戦プレビュー

真冬の九州決戦、早くもチャンピオンは決まる?

例年であれば、すでに最終戦を終えてチームもドライバーものんびり過ごしているはずだったが、今年は新型コロナウイルスの影響で、ありとあらゆることが変化を強いられ、ようやくシリーズ第5戦を迎えることとなった。
その舞台となるのは、オートポリス。
国内では最南のサーキットではあるが阿蘇山中にあるため、寒いには寒いのは間違いない。
少なくとも朝晩は注意。
地元の関係者によれば、この時期、路面が凍るまでには至らないというが…。

なお、今年はスケジュールの大幅変更に合わせ、これまで全戦有効のポイントシステムが改められ、6戦中5戦有効に改められている。
そのため、来年1月に鈴鹿サーキットで開催される最終戦を待たずして、チャンピオンが決まるクラスもいくつかありそう。
そのあたりを中心に、話を進めていくこととしよう。

 

HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3は、勝てば決まり

まずST-Xクラスだが、現在ランキングのトップに立つのは#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の山脇大輔 / ショウン・トン / 根本悠生組だ。
ご存知のとおり、第3戦・岡山で大クラッシュがあり、マシンは全損。
高木真一も大怪我を負ったものの、先のスーパーGTの現場に元気な姿を見せており、当面はレーシングカーに乗れないものの、まずは一安心。
チームも一時は活動休止も考えたというが、新たにマシンを購入して第4戦・もてぎに臨んだ結果、2勝目をマークすることとなった。

ランキング2位の#31 DENSO LEXUS RC F AMGの永井秀貴 / 嵯峨宏紀 / 小高一斗組にも、もう23ポイントの差をつけているだけに、勝てば#888 HIRIX GOOD DAY RACING AMG GT3の初年度初チャンピオンが決まる。
逆の視点で言えば、今回出場のライバル4チームは、勝てばまだ希望を最終戦にまでつなぐことができる。
そういった意味では、勝たなければ明日はない、激戦となりそうだ。

ちなみに、昨年のウィナーはGTNET GT3 GT-Rで、その体制を引き継いだ#81 DAISHIN GT3 GT-Rの大八木信行 / 星野一樹 / 大八木龍一郎 / 藤波清斗組に一日の長あり、ということになるが、昨年までは真夏にオートポリスではスーパー耐久が行われていたため、データが活きない可能性もないとは言えず。
これはすべてのクラスに当てはまるのだが。

 

思いがけず苦戦を強いられているENDLESS AMG GT4だが

ST-Zクラスでは、開幕2連勝の勢いからすれば、#3 ENDLESS AMG GT4の内田優大 / 山内英輝 / 高橋翼 / 菅波冬悟組が、早々と2連覇を達成するかと思われた。
しかし、ここ2戦は苦戦を強いられている。
その理由は、言うまでもなくウエイトハンディにある。
今年のレギュレーションでは台数の多いクラスほど足かせとなっていて、違う見方をすればイコールコンディションともなっている。

いずれにせよ、#3 ENDLESS AMG GT3にとって、無条件での王座決定はポール・トゥ・ウィン。
そうすれば、前回優勝でランキング2位に浮上した#47 D’station Vantage GT4の星野辰也 / 織戸学 / 篠原拓朗 / 浜健二組が2位であっても、逃げ切りが可能。
だが、50kgものハンディを背負って、果たしてこのアップダウンに富んだコースでポールポジションが獲れるものか。
勝手な予想だが、このクラスは最終戦までタイトル争いがもつれ込みそうな気がしてならない。

なお、昨年のウィナーはBRP★Mercedes AMG GT4。
今年はマシンも、奧村浩一以外のドライバーが一新されているが、同じチームからエントリーの#19 BRP★SUNRISE-Blvd 718GT4 MRの福田幸平 / 松本武士 / 塩津佑介 / 奧村組が、まだハンディ15kgということで、注目すべき存在と言えそうだ。
そして第3戦を制している、#500 5ZIGEN AMG GT4の大塚隆一郎 / 青木孝行 / 坂本祐也組も、大塚にとってオートポリスがホームコースであることから、大暴れを期待できるのではないだろうか。

さらに急きょ入ってきた情報として、#20 SS/YZ Studie BMWの鈴木宏和 / 木下隆之 / 砂子塾長組が、Dドライバーに開幕戦以来の荒聖治を加えるという。
久々の勝利を渇望する、S耐レジェンドたちがいよいよ吠えそうだ。

 

ST-TCRクラスもポール・トゥ・ウィンだけが無条件の決定

ST-TCRクラスでも、ランキングトップの#290 F・Link Home CIVIC TCRの植松忠雄 / 井出有治 / 川端伸太郎組にとって、無条件での王座決定はポール・トゥ・ウィンだ。
ポールポジションを逃し、#22 WAIMARAWA KIZUNA Audi RS3 LMSのキズナ / 千代勝正 / 安田裕信 / 大草りき組が2位になれば、決定は最終戦に持ち越される。

#290 F・Link Home CIVIC TCRは、ここまでの4戦を2位〜1位〜2位〜1位と規則的に結果を残しており、その流れからすると今回は2位ということになる。
そうなった場合、#22 WAIMARAWA KIZUNA Audi RS3 LMSがリタイアしない限り、最終戦に決定は持ち越し。
このクラスは最後まで死闘が繰り広げられそうだ。

 

ST-1クラスは戦わずして、ROOKIE Racing GR SUPRAの王座決定!

ST-1クラスは今回も、#28 ROOKIE Racing GR SUPRAの蒲生尚弥 / 豊田大輔 / 小倉康宏 / 河野駿佑組だけのエントリーとなったため、タイトル獲得が決定した。
最終戦には#38 ADVICS muta Racing RC F TWSの堀田誠 / 阪口良平 / 堤優威組もエントリーを表明しているが、ポール・トゥ・ウィンとなっても7ポイント及ばないためだ。

見せ場は何と言っても、蒲生が見せるスタートからの韋駄天ぶり。
ST-Zクラス勢に一歩も引かぬスピードを、これまでは披露してくれた。
今回も魅せてくれるに違いない。

 

圧巻の速さ見せて、今回で決めるかROOKIE Racing GR YARIS

前回は#32 ROOKIE Racing GR YARISの井口卓人 / 佐々木雅弘 / MORIZO組が、ついにライバル全車を周回遅れとしたST-2クラス。
ブレーキの強化とLSDの最適化を図った結果、速さだけでなく、強さまで強化された感がある。
その#32 ROOKIE Racing GR YARISもまた、勝てば無条件で王座決定。

ただし、2位以下となった場合は、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学 / 後藤比東至 / 石坂瑞基組に、首の皮一枚ながら逆転の可能性は残される。
そのための条件は残り2戦すべてポール・トゥ・ウィンとすることだ。
ここまでシリーズ7連覇と、前人未到の記録を打ち立ててきたが、記録を途切れさせないためにもリスク承知の戦いに打って出るはずだ。
このチームの諦めの悪さには定評があるだけに、必死の抵抗に期待したい。

 

今回出場の4台すべてまだ王座獲得の権利残されるST-3クラス

ST-3クラスは、最後までチャンピオン決定が持ち越されそうだ。
ここまで2勝を挙げている、#39 エアーバスターWINMAX RC350 TWSの大島和也 / 冨林勇佑 / 石井宏尚組がランキングでは一歩リードながら、数字の上では今回出場する4チームすべてに王座獲得の権利が残っている。
ちなみに#39 エアーバスターWINMAX RC350 TWSが勝っても、#52 埼玉トヨペットGBクラウンRSの服部尚貴 / 吉田広樹 / 川合孝汰 / 平沼貴之組が2位であれば、最終戦に持ち越しとなる。

コースの特性としては日産フェアレディZ勢に相性が良さそうで、特に今年は最低重量の見直しで有利になったはずなのに、今年はまだ勝ち星に恵まれていないこともあり、ここを勝負所と位置づけているはず。
#15 岡部自動車RECAROフェアレディZの長島正明 / 小松一臣 / たしろじゅん / 山崎学組、そして#244 QUEEN EYES 34Zの田中徹 / 田中哲也 / 三宅淳詞組の逆襲を期待したい。

 

一騎討ちが最後まで続くこと必至のST-4クラス

ST-4クラスだけは九分九厘、最後までタイトル争いがもつれるはずだ。
ランキングのトップは開幕2連勝の#310 GR Garage水戸インターGR86の久保凜太郎 / 細川慎弥 / 坪井翔組。
しかし、#884 林テレンプSHADE RACING 86の平中克幸 / 国本雄資 / HIRO HAYASHI / 石川京侍組が、第3戦からの連勝でわずか6ポイント差にまで迫ってきたからである。

その一方で、ランキング3位につけていた#13 ENDLESS 86が不参加。
これまで三つ巴のバトルを繰り広げてきただけに残念ではあるが、レース、タイトル争いともに一騎討ちとなるのは、もはや必至と言えよう。

見方を変えれば、今回いちばんの見せ場となりそうなのが3位争奪戦だ。
順当に行けば、#18 Weds Sportの浅野武夫 / 藤原大暉 / 土屋武士 / 西村和則組となろうが、前回2位となった#225 KTMS 86の野中誠太 / 平良響 / 翁長実希組の勢いも見逃せない。
また、ウェットコンディションになれば、#60 全薬工業アルージェ インテグラの塩谷烈州 / 瀬戸貴臣 / 志賀卓弥 / 松波太郎組が俄然有利にもなる。
もちろん、二強にも何かあれば…。

 

王座返り咲きなるか、J’S RACING☆FIT

前回が今季初優勝だった#69 J’S RACING☆FITの梅田真祐 / 久保田英夫 / 窪田俊浩組だが、それまでの3戦すべて表彰台を外していなかったこともあり、第2戦からランキングのトップを快走。
2位につける#4 THE BRIDE FITの太田侑弥 / 伊藤裕士 / 松尾充晃 / 三浦康司組にも34ポイントもの差をつけていることもあり、ST-5クラスでも勝てば文句なしの決定が可能だ。
チャンピオンを獲得すれば、2016年以来の王座奪還ということになる。

このクラスはFFとFRが混在するだけに、ドライになればロードスター勢が強いとされてきたが、前回のレースの#69 J’S RACING☆FITの勝利でセオリーは覆された感も。
また、ランキング2位以下が混戦であるだけに、今回の結果次第で大きな入れ替わりもありそうだ。

 

 

(はた☆なおゆき)

↑PageTop
● SUPER TAIKYU PARTNERS  ※五十音順