《Gr-1 決勝レポート》スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第2戦 SUGOスーパー耐久3時間レース

スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第2戦 Gr-1 決勝レポート

終盤の赤旗中断で、最後は超スプリントバトルに!
相性抜群のSUGOで、PC Okazaki 911 GT3Rが2年連続優勝


開幕から1か月足らずで早くも迎えた、スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第2戦。スポーツランドSUGOで4月18日に、グループ2決勝レースの興奮冷めやらぬうちに、グループ1の決勝レースが開催された。よりスピード差を凝縮したバトルはアベレージをも高め、まるで3時間のスプリントレースのような様相を呈していた。

 

総合優勝は、#16 PC Okazaki 911 GT3Rの永井宏明 / 上村優太 / 中山雄一組が今季初優勝。予選はクラス最下位からの大逆転となった。ST-1クラスでは、#38 muta Racing GR SUPRAの堤優威 / 阪口良平 / 堀田誠組が今季初優勝。総合でも6位につけていた。そしてST-Zクラスは、#23 TKRI松永建設AMG GT4のDAISUKE / 元嶋佑弥組が嬉しい初優勝を飾っている。

最後の最後に、見せ場があったST-Xクラス

土曜日は雨に見舞われたSUGOだったが、日曜日は一転、素晴らしい好天に恵まれた。ただし、絶えず強風に見舞われて、低い気温の中でのレースとなった。

ポールポジションからスタートを切った#31 LEXUS RC F GT3の小高一斗は、鋭いダッシュを決めてオープニングラップだけで1秒4のリードを確保。しかし、さらに上回るハイペースで迫ってきたのが、予選3番手だった#9 MP Racing GT-Rの影山正美。3周目から激しい攻防を重ねるようになり、15周目には影山がトップに浮上する。

それでも小高は影山に大きな遅れをとることなく続き、スティント後半には再びコンマ差のバトルを繰り広げた。48周目に#9 MP Racing GT-Rは柴田優作に交代し、そのままトップをキープしたが、そこに迫ってきたのが#31 LEXUS RC F GT3の嵯峨宏紀だった。先に小高と交代し、ペースも安定。50周目には再びトップに立つ。だが、柴田も負けてはおらず、58周目のSPコーナーで抜き返す。

その後も2台でのトップ争いは続いたが、#31 LEXUS RC F GT3は88周目に交代したばかりの永井秀貴が、ABS不調からブレーキをロックさせ、フラットスポットを作ってしまったことから遅れを取って、#9 MP Racing GT-Rのリードはさらに広がった。そして、89周目に代わったJOE SHINDOもトップをキープ。しかし、その後ろには#16 PC Okazaki 911 GT3Rの上村、#777D’station Vantage GT3の近藤翼、そして#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3の川端伸太朗が連なって迫ってきた。残りは50分間を切っており、15秒のリードを守れるか注目された。

しかし、そんな矢先の96周目に、#9 MP Racing GT-RがSPコーナー先でクラッシュ! 目の前で縁石に乗って、姿勢を乱した車両を回避することができなかったためだ。これにより、セーフティカー(SC)が導入され、同時にトップに立ったのが#16 PC Okazaki 911 GT3Rの上村。SCの先導が約10分続いたところで、前回に続いて赤旗が提示される。

今度はレース再開なるが、残り9分の超スプリントに。2周のSC先導の後のリスタートを完璧に決めた上村が、近藤を振り切ってトップでフィニッシュ。#16 PC Okazaki 911 GT3Rが、2年連続でSUGOのスーパー耐久を制することとなった。

Gr-1 総合優勝(ST-Xクラストップ)#16 PC Okazaki 911 GT3R


永井宏明

最後尾からのスタートでしたが、淡々と走れました。勝てて良かったです。ウェットの予選は厳しかったですが、ドライではセットも決まっていて、決勝を気持ちよく走れました。

上村優太
リスタートが決まりましたが、トップにいられたのはチームメイトが頑張って順位を上げてくれたから。僕は前だけ見てレースするだけでした。でも、個人的にはPCCJのライバルである近藤翼との対決だったので余計に意識して、絶対に負けたくないな、って気持ちで走りました。去年もSUGOでは勝てているんで、なんか相性いいのかもしれませんね。次も頑張ります。

中山雄一
ポルシェで走って、すごく勉強になって、結果でもついてきたので、良かったと思います。予選は良くなかったですけど、決勝はみんなで頑張って、着々と積み上げて、ここまで来られたので良かったです。

S-1クラスのスープラが、ST-Xクラス勢に続く総合6位を獲得

土曜日のフリー走行でクラッシュを喫し、予選を走れなかったST-1クラスの#2シンティアムアップルKTMだが、メカニックの夜を徹しの作業によって修復完了。ピットスタートながら、戦列に加わることはできた。激しい追い上げが期待されたものの、序盤早々にマシントラブルに見舞われてスローダウン。ピットに戻って再度チェックが行われ、その後コースに戻れたものの、またスローダウンという状態になり、結局ピットでリタイアとなった。

予選トップの#38 muta Racing GR SUPRAの対抗馬となるはずだった、#71 CNダイワN通商アキランドポルシェは、すぐ後ろのグリッドということもあって好取組が期待されたが、そのグリッドに着く際にエンジンからのオイル漏れが発覚。幸い、大事には至らなかったものの、ピットスタートを強いられてしまう。大山正芳と山本賢が徐々に順位を上げていったが、#38 muta Racing GR SUPRAは堤と阪口が絶えずトップを快走。それもST-Zクラス全車を従えながら! 最終的にはST-Xクラスは1台がリタイアしたため、総合でも6位でゴールすることとなった。

ST-1クラス優勝 #38 muta Racing GR SUPRA


堤優威

今回、ST-Zクラスのクルマに予選で勝つことができて、決勝でもスープラのGT4とQクラスのスープラに勝ちたいという、チームの強い意思もあって、僕がスタートとゴールを担当させてもらいました。結果的にはかなり満足です。次も頑張ります!

阪口良平
最後まで順位を守れましたし、目標としていた同じスープラでもST-QとST-Zのクルマより、パッケージングはだいぶ良くなってきました。決勝を走っていると、ブレーキングの安定度をすごく感じましたし、あとはエアロも効いている感じもあるし、本当に右ハンドルのスープラ、頑張りましたって感じでしたね! 本当にトレーシースポーツがすごいって思います。チーム力でいけたと思います。

堀田誠
今年から監督兼ドライバーということで、見守っていました。スープラが3クラスに出ていて、そのスープラ勢のトップを獲るというのを目標に、今回やってきたので、そういった意味ではふたりが頑張ってくれたので、達成できて良かったです。次は僕も走ります、連勝狙いますよ。

大激戦の末に、DAISUKEとともにST-Zクラスで元嶋、涙の初優勝

予選トップだった#311 FABULOUS GRMI GR SUPRAの塩津佑介が、スタートからポジションキープで開始されたST-Zクラスの決勝レース。だが、背後にはオープニングラップで順位を上げていた、#500 5ZIGEN AMG GT4のジェイク・パーソンズ、#3 ENDLESS AMG GT4の山内英輝がつけており、一瞬たりとも気の抜けない状態となっていた。しかし、さらにその後方から#23 KTRI松永建設AMG GT4の元嶋、#47 D’station Vantage GT4の織戸学が迫ってきたことから、パーソンズと山内は応戦一方に。

その間にリードを広げる格好となった塩津ではあったが、やがて元嶋と織戸が2〜3番手に上がると、あっという間に差は詰まる。そして再び3台でのトップ争いが繰り広げられるように。懸命にガードを固めていた塩津ながら、29周目に喫した1コーナーでのシフトロックによるオーバーランを、百戦錬磨のふたりが見逃すはずもなく、まずは織戸がインを刺し、ヘアピン進入では元嶋も続いていく。

それでも#311 FABULOUS GRMI GR SUPRAは3番手をキープ、41周目に久保凜太郎を投入して巻き返しを狙うも、同じ周にピットに入った#500 5ZIGEN AMG GT4の大塚隆一郎が、先にコースに出て行ったではないか! ここで発覚したのは、スープラはAMGより給油に時間がかかるということだった…。

一方、トップの織戸はクラス最長の53周、時間にして1時間21分も走り続けて、ようやく星野辰也にバトンタッチ。その間に待望のトップへと躍り出ていたのが、元嶋からDAISUKEへの交代を36周に済ましていた#23 TKRI松永建設AMG GT4だった。その時点での2番手は大塚で、間隔は約15秒。3番手は#3 ENDLESS AMG GT4の菅波冬悟、当然2台で競り合いながら、DAISUKEとの間隔も徐々に詰めていく。68周目には大塚がトップに浮上、やがて菅波も2番手に。しかし、DAISUKEは3番手を必死にキープする。

トップ3の最後のピットは、#23 TKRI松永建設AMG GT4が最も早く75周目に、そして元嶋が再び乗り込み、次いで77周目に#500 5ZIGEN AMG GT4が金石年弘に、そして84周目に#3 ENDLESS AMG GT3が内田優大に交代。その結果、元嶋、内田、金石という順番に入れ替わる。また僅差でのバトルが繰り広げられる、と思われた矢先にST-Xクラスのトップが巻き込まれるアクシデントが発生、SC導入、赤旗中断となってしまう。

この3台の間には他のクラスの車両はおらず、再開後のバトルが注目されるが、リスタートを完璧に元嶋が決めて、そのまま逃げたのに対し、内田と金石のバトルは最後まで続いた。だが、それだけでは済まず。いったんは5番手に退いていた、#47 D’station Vantage GT4の篠原拓朗が、ふたりの争いに加わったのだ。最終ラップの1コーナーで勝負に出た篠原だったが、ここでの逆転は許されず。だが、最後のチャンスに篠原は賭けた。チェッカー目前のストレートで金石に並んで、コンマ1秒差で前に出ることに成功。#47 D’station Vantage GT4が、土壇場で3位を獲得することとなった。

#23 TKRI松永建設AMG GT4のDAISUKEと元嶋は、ST-Zクラスでの初表彰台が初優勝に。マシンを降りた元嶋は涙を隠さなかった。

ST-Zクラス優勝 #23 TKRI松永建設AMG GT4


DAISUKE

最後まで気の抜けないレースでした! 元嶋くんが本当に頑張ってくれて、セットアップから僕の指導まで、最後の緊迫した瞬間まで、全部やってくれたので。ずっと表彰台に上がれなかったのに、最初の表彰台が優勝という最高の形になったので、本当にありがとうございます。

元嶋佑弥
本当に良かったです。言葉ないですね。ずっとチャンスが、目の前でこぼれ続けていたので、やっとなんか…。本当に、めっちゃ嬉しい。DAISUKE選手とはずっと、一緒に練習し始めて3年になるんですけど、去年やっと一緒にレースできて、ようやく今日、勝てるチャンスがあるな、ってレースウィークの中で。スムーズに最後までしっかり走れるクルマを作ってくれたチームとDAISUKE選手のスピードと、何よりこのチームで走らせてもらっていることに感謝です。

孤軍奮闘のST-QクラスとST-TCRクラスは、揃ってしっかり完走果たす

ST-Qクラスの#28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRAは、今回初めて小倉康宏がスタートを担当。これまでスタート直後から見せてきた、蒲生尚弥のST-Zクラス勢を上回るスピードは披露されなかったものの、しっかり周回を重ね続けて総合では15位に。ラストスティントは蒲生が担当しただけに、終盤のアクシデントがなければ、もっと順位を上げていたはずだ。

一方、ST-TCRクラスの#75おとぎの国CIVIC TCRは、終始危なげのない走りを見せ、特にST-Zクラスのジェントルマンドライバーとの無益な戦いを避け続けていたのは明らか。赤旗中断直前に、ピットガレージに入れられてトラブル発生かと思われたが、これは大事をとっての積極戦略。再開後はもちろんレースに復帰し、しっかりポイントを積み重ねていた。

ST-Qクラス優勝 #28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRA


小倉康宏

スタートを担当しました。やっぱりスタートして思ったことは、プロのドライバーの中で走るというのは、ある意味、経験にもなったんですけど、プロの重圧が走り方で伝わってくること。やっぱり皆さん、プロで生活している人たちなんで、我々は邪魔をしないように神経を使って走りました。通常のレースよりも気を使うなぁ、というのが実感です。まずはスタートをしていった時の順番取りをするのに、みんなひとつでも前に行きたいという中で走っているわけだから、やっぱりそこを自分がいかに冷静に守りながら、かつ運行に対して迷惑をかけないことが勉強になりましたね。
周回重ねていって落ち着いて、ばらけていくと、通常のレースと同じような感覚でできるんですけど、数珠つなぎで走っている時はずっと神経は張ったままでした。

 

ST-TCRクラス優勝 #75 おとぎの国CIVIC TCR


塚田利郎

SCが長引いたじゃないですか? ちょっと水温が上がり始めたというのもあって、大事を取って入れて止めて。あの後、赤旗が出てストップしちゃったから、念のためのピットストップだったんです。完走できて良かった。ねぇ、とりあえず完走は絶対じゃないですか、優勝してポイントも。いつ、どのチームが途中参戦しても、アドバンテージを築けるように、ポイントを稼がなきゃいけないというのがありますからね。
ウチのチーム、2018年に最初の24時間で優勝した時、あれってアウディスポーツにとって初めての優勝だったんです、日本での。取らぬ狸の皮算用じゃいかんのですけど、もし勝つことができたら、ホンダがまだ富士だけは優勝がないそうなので、初優勝をプレゼントできるんじゃないかな、ってそんな期待もしています。

 

 

(はた☆なおゆき)

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