《予選レポート》スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第5戦 SUZUKA S耐

スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第5戦 予選レポート

2年ぶりの開催となった鈴鹿のスーパー耐久
Floral UEMATSU FG 720S GT3が初ポールを奪う!


全6戦で争われる、スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankookも、残すは2戦。鈴鹿サーキットを舞台に、9月18日にシリーズ第5戦「SUZUKA S耐」の予選が行われた。
昨年、最初の予定では鈴鹿のスーパー耐久は、3月に開幕戦として開催されるはずが、新型コロナウイルスの感染拡大によって延期が決定。スケジュールの大幅な調整によって、年をまたいで今年の1月に開催される予定だったが、収束の方向を示さなかったことから、中止となっていた。そのため、入念に対策が施された上で、2年ぶりに開催されることとなった。
初めてのポールポジションを獲得したのは、#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3。植松忠雄と澤圭太がともにトップにつけて、絶好調ぶりをアピールした.川端伸太朗と井出有治とともに戦う決勝レースで、前回のオートポリスに続く2連勝の期待もかかる。

 

台風接近で大幅に改められたスケジュール

今回、鈴鹿で2年ぶりという以上の懸案材料が、本戦を前にして生じてしまっていた。台風が接近しており、場合によっては東海地方にも大きな被害を伴って、通過する可能性があったからだ。幸い、ほとんどのチームが練習走行を開始した木曜日は終日、そして金曜日も午前の専有走行で分けられた、前半のグループ2こそドライコンディションが保たれたものの、後半のグループ1が走り始めて間もなく、雨が降ってきたからたまらない。その後、雨は勢いを増したり弱めたりを繰り返しながら降り続き、午後の専有走行は終始ウェットコンディションのままだった。

そこであらかじめ、金曜日のうちに土曜日の午前に行われるはずだった、フリー走行の中止を発表。さらに午後の予選も1時間遅らせるとともに、Bドライバー予選をAドライバー予選の先に行うことともなった。これは上位クラスのAドライバーが、ジェントルマンドライバーで大半が占められているための配慮だ。

結果的に、台風は夜のうちに東海地方をおとなしく通過してくれたため、被害はまったくなくて済み、ともすればフリー走行も普通に行えていただろうが、判断としては間違いのないものだった。大事に至らず何より…といったところだろう。

そして14時から行われた予選は、それまで上空を覆っていた雲から、切れ間も生じて日差しさえ注ぐように。Bドライバーに続いて、Aドライバーが走る頃には路面は完全に乾いていた。なお、Bドライバーが先に走って、ジェントルマンドライバーであるAドライバーが後から走るという、このシステムは概ね好評。チームからはリスク回避が可能、そしてAドライバーからはあらかじめセットの確認ができた後に走行できるから安全、Bドライバーからアドバイスを受けて走れる、などの理由が挙げられた。

4か月ぶりのレースにも、植松がブランクを感じさせず

ST-Xクラスでは、先に行われたBドライバー予選において、#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3の澤がひとり2分3秒台を切る、2分2秒482でトップ。前回の優勝そのままの勢いを見せていた。2番手は前回の雪辱を誓う、#81 DAISHIN GT3 GT-Rの青木孝行ながらコンマ5秒差で続き、5番手までがトップから1秒と離れぬ接戦状態となっていた。

勝負を決したのは、まさに続くAドライバー予選だった。#777 D’station Vantage GT3の星野敏と#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3の植松が、ともに計測1周目から2分6秒台を記し、この周はわずかに星野の方が優ったも。だが、2周目は星野の2分5秒130に対し、植松が2分5秒005と僅差ながらも上回ったため、澤のタイムとも合わせ、#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3が、初めてのポールポジションを獲得することとなった。

2番手は永井宏明と上村優太がともに3番手だった、#16 PC Okazaki 911 GT3Rが獲得し、3番手は#777 D’station Vantage GT3だった。


グループ1 ポールポジション(ST-Xクラストップ)
#290 Floral UEMATSU FG 720S GT3

植松忠雄
富士24時間以来、4か月乗っていなかったし、木曜日のドライはセットアップに時間使いたかったので、自分が乗れる時間がほとんどなかったんです。なので、いきなり予選みたいな感じだったんです、「どうしよう」って出るまで不安だったんですが、出た瞬間に勘が戻ってきたというか。それでも、ポール獲れたのは嬉しいんですが、本来の自分のポテンシャルはまだまだ出せていませんので、「う〜ん」という感じでもありますね。

今回、Bドライバーに先、乗ってもらえたことで自信につなげられたというか、ちょっとウィング変えたりもしているんですが、それも良い方向に行ったので、130Rも思いっきり突っ込んでいけましたし。僕はこのやり方のほうがいいですね。前回は棚ぼたでしたが、今回は実力で勝ちたいですね。

澤圭太
クルマは本当に、今いいんです。素性の良さとチームワークの良さも出ましたし。植松さんが1回お休みしていましたが、ちゃんと最後に帳尻合わせて予選やってくれました。僕もほぼノーミスで会心の走りができたし、植松さんも目標タイムをクリアして、お互いトップ同士でポールなので文句なしです! 鈴鹿は決勝セットがすごく難しいんですが、そこをいかにごまかして帳尻合わせられるかが重要になってくるでしょう。今回は植松さんがいる中でトップ、リアルにトップチェッカー受けたいですね!

ST-ZクラスはFABULOUS GRMI GR Supra GT4が、2戦連続3回目のトップに

前回のレースを欠場した、#311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4の久保凜太郎ではあったが、走りのキレは失われてはいなかった。ただひとり2分12秒台を切る、2分11秒719をマークしてトップに立つと、チームメイトの鈴木宏和が刺激されて、同様にトップタイムとなる2分13秒209を記録し、合算タイムで文句なしのトップとなった。#311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4のトップは、これで2戦連続3回目となる。

2番手は織戸学、星野辰也ともに3番手だった#47 D’station Vantage GT4が獲得し、3番手は松本武士と鈴木利男がアタックを担当した#108 アスラーダVer.Supra。往年の名ドライバーでもある鈴木は60歳を超えてなお、その速さは健在で、Aドライバー予選において6番手につけていた。

ST-Zクラストップ #311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4

久保凜太郎
6月から諸々レース出ていなくて、スープラは5月のSUGO以来。だから、まだリハビリ中です(笑)。でも、人生で一番行けました、思いっきり行けました! あのST-Zのプロ、猛者たちがいっぱいいる中で、1秒以上ブッちぎれたのはすごく嬉しいです。コース上の速さが今回すごくあるから、決勝も頑張ります。

鈴木宏和
いい感じでしたけど、凛太郎には負けましたね(笑)。行くだけ行きました、頑張りました。でも、僕の予選の仕方はまだまだ勉強が必要ですね。決勝も頑張りますよ、早いライバルがうちのチームの中にいるので!

ST-TCRクラスは王手をかけた、おとぎの国CIVIC TCRがトップ奪う

ST-TCRクラスにおいても、BドライバーとAドライバーがトップタイムをマークして、堂々の結果を残すことになった。蘇武喜和が2分15秒117を、そして芳賀邦行が2分17秒132を記録していたのは、#75おとぎの国CIVIC TCR。#97 Racer Hondaカーズ桶川CIVICが参戦してからというもの、予選、決勝ともトップを奪われ続けてきたが、ついに抵抗を遂げることになった。今回のレースには完璧に王手をかけており、今回リタイアさえしなければ、悲願の王座が手に入る。果たして勝って決められるか注目される。


ST-TCRクラストップ #75おとぎの国CIVIC TCR

芳賀邦行
クルマの感触はすごくいいですし、乗ったフィーリングが良かったので、それがそのまま結果に出たのかな、って感じですね。言っちゃえば、自分の走りも詰められるところはあったんですけど、ただ、だいぶコンディション悪い中での練習が多かったので、その割には良かったんじゃないかと思っています。普段、鈴鹿走ることができないので、ウィークの中で本当はマイル積みたかったんですけど、天気が悪くて、そういう状況じゃなかった中では悪くなかったんじゃないかと思います。

蘇武喜和
だいぶクルマが決まってきて、いい感じで走れて、たぶん今まで乗った中で、いちばんクルマが決まっていたかもしれませんね。だいぶ昨日まで雨が降っていて、クルマがどんな感じに仕上がるか分からなかったんですけど、このぐらいかなというところで作ったクルマがけっこう決まっていTAので、メカさんたちもすごくいいアイディア出してくれたのが、ドンピシャでハマったような感じがします。97号車(Racer Hondaカーズ桶川CIVIC)が,今後出てくれるか分からないですけど、やっぱり出ているうちに優勝してチャンピオン決めたいです。

ST-1クラスのシンティアムアップルKTMは、総合でも6番手に!

今回、ST-1クラスの#71 CSダイワN通商アキランドポルシェが、Bドライバーに谷川達也を起用し、必勝体制を敷いてきたものの、金曜日の専有走行でクラッシュがあって、本領発揮ならず。2番手に留まっていた。

Bドライバーの加藤寛規が2分11秒129で、Aドライバーの飯田太陽も1分11秒306と遜色ないタイムを記し、ともにトップだった#2シンティアム アップルKTMがクラストップで、総合でもなんとST-Xクラス勢に続く6番手という結果を残した。
ST-1クラストップ #2シンティアムアップルKTM

飯田太陽
ずっとウェットだったので、ドライの時どうだったかな、と思いながら走りました。ただ、慎重に行った分、ちょっとこう上手に合わせ込めたかな、って感じだよね。あとは思ったよりタイヤの温め方がドンピシャで行ったので、一番いいところに合わせ込めたので、思った以上のタイムが出ましたね。はい。この好調さを維持して、決勝でも頑張ります。

加藤寛規
木曜日に、ちゃんとドライで走れたことが良かったですね。予選に向けていつものルーティンのようなことをして走ったら、今日の方が木曜日より全然コンディションが良かったので、タイムも出ましたし、フィーリングも良かったです。僕もそうですけど、飯田さんが素晴らしいアタックをしてくれたので、すごく良かったと思います、すごいドライビングの修正力でした。決勝は決勝で、5時間で長いので、ミスなくぶつからないようにして、自分たちでペース作っていきたいと思っています。

新菱オート☆NEOGLOBE☆DXL☆EVO10が、またしても予選で速さ見せる

前回のオートポリスに続いて、#6新菱オート☆NEOGLOBE☆DXL☆EVO10が予選で絶好調。
Bドライバーの菊地靖が2分19秒080を出して2秒以上引き離したことで、ライバルも意気消沈といったところか。続いてAドライバー予選に臨んだ冨桝朋広も2分21秒195を出して、トップに立ってダメを押す格好となった。

2番手も#7新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10がつけて、決勝レースではワンツーフィニッシュの期待も込められることに。

ST-2クラストップ #6新菱オート☆NEOGLOBE☆DXL☆EVO10

冨桝朋広
なんとか! 昨日はウェットだったけど、ドライではそこそこいい感じだったんです。決勝ですよね、問題は。このまんま順当な感じで、決勝も行きたいです、はい(笑)。でも、このクラスはヤス(菊地)が速いだけで、他のドライバーはホンマにみんな変わらないので、決勝はどうなるんか。いい結果、残したいね〜。

菊地靖
ドライで、タイヤとのマッチングが思ったより良かったみたい、全体的に。ラバーが乗っていないので、食わないかなと思ったんだけど、意外と路面が良かった、グリップ感があって、想像よりも速かったので、良かったです。1周だけで十分なので、すぐ帰ってきました(笑)。

エアバスターWinmax RC350 TWSが2戦連続トップも、ドライバーは不満?

Bドライバー予選において、1分18秒408をマークしてトップにつけていた#39エアバスターWinmax RC350 TWSの大島和也だったが、最後の最後に#62 HELM MOTORSPORTS RC350の高橋知己が、2分18秒396を出してきて逆転を果たす。

だが、その借りをAドライバーの冨林勇佑が、十分以上に返すこととなった。後半からのアタックで、しっかり一発を決めて2分18秒194をマーク。#62 HELM MOTORSPORTS RC350の平木湧也も2番手ながら、2分18秒438に留まったこともあって、合算タイムでは僅差ながらも2戦連続のトップを許すこととなった。

ST-3クラストップ エアバスターWinmax RC350 TWS

冨林勇佑
クルマの状態を考えたら、僕のアタックは今年いちばんダメでしたね。正直、僕も引っかかったりしたこともあって、何とかポールは獲れたんですけど、クルマのポテンシャル的には全然7秒前半とか出たかなって。僕的にはなんか泣きそうなぐらい、『最悪だぁ』みたいなアタックだったんですが、何とかまわりに助けられました。あえてポイント計算しないようにしているんですけど、勝てばチャンピオンが決まる可能性があるので、楽な気持ちで岡山に行けるように。オートポリスよりもクルマが調子いいんで、しっかり勝って終われたらいいですね。

大島和也
なんとか連続ポールが獲れました。僕のBドラ予選の時は、走り的にはいい感じで。ただ、最後130Rで外側に5クラスがいて、ちょっと引っかかっちゃったんですよ。それでちょっと落とした部分はあったんですが、まあまあAドラ予選で冨林くんが取り戻してくれたので、それもかなりいいタイム残してくれたので良かったです。なんとか2連勝目指して頑張ります。

GR Garage水戸インターGR86、予選ではまったく敵なし!

#310 GR Garage水戸インターGR86が、前回ようやく挙げた勝利の勢いそのままに、またも予選でトップにつけることになった。Bドライバーの細川慎弥が2番手だったが2分24秒544で、#884林テレンプSHADE RACING 86の石川京侍の2分24秒211に、僅差で続いていたことが功を奏す。期待に応えて、坪井翔が2分23秒074をマークして、国本雄資の2分24秒578を上回ったことで、逆転を果たすことなった。

今回は2台のみエントリーで、本当の意味での一騎討ち。どちらかがリタイアでもしない限り、チャンピオンは決まらないので、このクラスはどうあっても最後までタイトル争いがもつれそうだ。


ST-4クラストップ #310 GR Garage水戸インターGR86

坪井翔
僕らは、今回18号車がいないということで一騎討ちになるので、非常にこのポールの2点というのが、追いかけている立場からすると大きいです。昨日は雨降って、あんまりドライのテストできていなかったですけど、向こうよりはデータが取ることができたようですし、ドライに関しては自信を持っていたので、予選がドライであれば十分行けるんじゃないかって。結果的には大きな差を開いて、ポールを獲ることができて良かったです。今シーズン、予選やった中では全部ポールなので、そのいい流れで来ているし、やっと前回のオートポリスで勝てたので、勢いをキープして! 明日勝てればかなりチャンピオンに関しても追い風に乗れるし、だいぶ接近した戦いに挑めるので、すごく大事な明日のレースを、このまま勝てるように頑張ります。

細川慎弥
今日も坪井がちぎってくれたので、作戦どおり(笑)。今回は順番入れ替わって、僕は逆に気が楽でしたけど。行くだけ行って、あとは『坪井、任せたぁ』って言えたんで、僕的には。坪井は坪井で、『やっぱ逆がいいな』って。みんな同じなのかなと。あとは決勝が大事ですよね。でも、ドライだと悪くないし、ここは落とせないレースが続いていますけど、クルマは悪くないので、この調子で決勝も頑張りたいですね。

 

ST-5クラスではodula Star5 Roadsterが、またも速さを見せる!

ST-5クラスでは#456 odula Star5 Roadsterが前回に引き続き、そして3回目のトップとなった。貫戸幸星が2分31秒321でトップにつけて、#72 TRES☆TiR☆NATSロードスターでスポット参戦の山野哲也のタイム、2分32秒229をはねのけると、Aドライバーの橋本陸も2分31秒325で、金井亮忠を寄せつけなかった。

それでも#72 TRES☆TiR☆NATSロードスターは2番手につけており、決勝でどんな戦いを見せてくれるのか、大いに楽しみである。
ST-5クラストップ #456 odula Star5 Roadster

橋本陸
今回山野選手が出ていて警戒していて、練習走行の時から全部、山野さんのタイムも測ってもらっていましたね、初乗りでもすごく速いので。でも、予選は無事なんとか1秒ぐらい差をつけられたので、そこはチーム力で行けたかな、という感じですね。決勝は、やっぱり僕ら、過去に危ういことをしてきているので(苦笑)。でも今回はみんな調子いいので、バトンをつなげたら絶対1位は獲れると思うので、頑張っていきたいと思います。

貫戸幸星
うちのチーム、決して好調じゃなくて、けっこうセットを外したりして、今までではいちばん不安でした、前日までは。今日走ったみたら、結果が出たのでホッとした感じで。決勝もこの感じで、なんとか行けたらいいなぁ(笑)。

 

(はた☆なおゆき)

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