《プレビュー》スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook 第6戦プレビュー

スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦プレビュー

3クラスに残されたタイトル争い


早いもので、スーパー耐久シリーズPowered by HANKOOKは、最終戦を迎えることとなった。11月13〜14日、舞台となるのは岡山国際サーキット。今回は久々の2グループ開催で、それぞれ3時間で競われる。予選は土曜日に行われ、決勝は午前にグループ2が、午後にグリープ1を行う予定となっている。
賞典外であるST-Qを除く8クラスのうち、3クラスがまだチャンピオン未決定とあって、まず、そのあたりから話を進めていくこととしよう。ちなみに、いずれも候補は2チームで、文字どおり一騎討ちとなっている。

 

ENDLESS AMG GT4とD’station Vantage GT4、どちらが笑う?

ST-Zクラスのチャンピオン候補は、97.5ポイントの#3 ENDLESS AMG GT3の内田優大 / 山内英輝 / 菅波冬悟組、そして88ポイントで追いかける#47 D’station Vantage GT4の星野辰也 / 織戸学 / 篠原拓朗 / 浜健二組だ。#3内田組が逃げきるための条件は、ポールポジションを獲得すれば5位以上、獲得できなければ4位以上となっている。開幕戦こそ10位と低迷したが、以降は表彰台に上り続けているだけに、ハードルはそう高くなさそうではある。

しかし、#47星野組はオートポリス、鈴鹿と連勝を果たし、むしろ勢いはこちらにある。3連勝で有終の美を飾りたいと思っているはず。もっとも、この2台、入賞を重ねていることでウェイトハンデは、それぞれ45kg、50kg積んでいるため、それが足かせにならぬとは限らない。
 
13台のうち、ノーハンデの車両は8台。このあたりで優勝が争われるのではないか。広島に本拠を置く、#111 Access HIROSHIMA+GR Supra GT4の松田利之 / 古谷悠河 / 檜井保孝 / 平川亮組にとって、岡山はホームコースであるだけに、必勝態勢で臨むに違いない。

総ポイントではリードしている林テレンプSHADE RACING 86だが…

ST-4クラスの候補は最僅差! 0.5ポイントしか差がないからだ。リードしているのは#884 林テレンプSHADE RACING 86の国本雄資 / 石川京侍 / 清水英志郎組で、追いかけるのは#310 GR Garage水戸インターGR86の坪井翔 / 細川慎弥 / 堀尾風允組。先にゴールした方で決まり、と言いたいところだが、そこには有効ポイント制のマジックが。

毎回、コンスタントに入賞していることで、#884 国本組は捨てざるを得ないポイントが大きいのだ。そのため、勝っても、#310 坪井組にポールを奪われ、しかも2位でゴールされてしまうと、残念ながら逆転されてしまう。もう1台の#18 Weds Sport 86の浅野武夫 / 藤原大暉 / 芝叔和組に割って入ってもらいたい、という気持ちは間違いなくあるはずだ。ただ、勝たれてしまっても困るというのも、また事実。
 
何はともあれ、このクラスでカギを握るのは、ポールが獲れるか否か。これで形勢ははっきり分かれることだろう。
予選で決まる可能性もあるST-5クラス

チーム内闘争となっている、ST-5クラスは差が18.5ポイントもあるため、ランキング2位の#456 odula Star5 Roadsterの橋本陸 / 貫戸幸星 / 大崎達也 / 勝木崇文組が逆転するには、もはやポール・トゥ・ウィンでなくてはならない。逆に言うと、ポールが獲れなかった時点で、たとえ勝とうとも、#66 odula TONE MOTULロードスターの武地孝幸 / 太田達也 / 大野尊久 / 猪股京介組の逃げ切りを許してしまうのだ。だから、土曜日のうちに決定という可能性も十分ある。

さて、このクラスには注目のドライバーが、S耐デビューを果たす。#72 TRES☆TiR☆NATSロードスターを金井亮忠と猪爪杏奈と走らせることとなった、岡田衛はeスポーツでは知られた存在で、茨城国体eスポーツ選手権や全国都道府県対抗選手権に京都代表として出場する強者だ。ただし、リアルレースは初めてではなく、岡山のパーティレースに出場し、3戦目にしてポールを奪った経験を持つ。eスポーツといえば、ST-3クラスでチャンピオンを獲得している冨林勇佑がおなじみであるだけに、続くことができるか注目される。
ST-Xクラスで鬼の居ぬ間の勝利を飾るのは?

#777 D’station Vantage GT3の星野敏 / 藤井誠暢 / 近藤翼組が、前回でチャンピオンを決めているが、今回のレースを欠場。星野と藤井が挑む、バーレーンで行われるWEC最終戦が先週行われており、隔離期間に当たってしまったためだ。

#777 星野組は過去2連勝しているだけに、まさに鬼の居ぬ間であるが、果たして優勝を飾るのは? ちなみに昨年の2位は、#81 DAISHIN GT3 GT-R。今年は若干布陣が変わって、大八木信行 / 青木孝行 / 坂口夏月 / 大八木龍一郎組となっているが、今年こそ勝ちたいと強く思っているはずだ。まして第4戦オートポリスではトップでチェッカーを受けながら、ウェイトハンデ重量が足りず失格になり、前回の鈴鹿では接触で足回りにダメージを負い、復帰こそできたが規定周回に満たず完走扱いとはならなかった。最後は無念を晴らしたいところ。
 
また、このチームには、岡山と相性抜群のドライバーが存在する。昨年のWEST VITAチャンピオンの大八木龍一郎は、足掛け2年の5連勝中で、今年は一度も負けていない。カテゴリーこそ異なれども、岡山無敗神話を轟かせるか注目される。
最終戦も一騎討ちとなったST-TCRクラス

ST-TCRクラスのチャンピオンも、前回で#75 おとぎの国CIVIC TCRの塚田利郎 / 蘇武善和 / 霜野誠友 / 清瀧雄二組に決定しているが、最後まで苦しめた#97 Racer Hondaカーズ桶川CIVICが出場せず、また孤軍奮闘となるかと思われた。 

だが、新たな刺客が! #33 Audi RS 3 LMSはAudi driving experience Japanサーキットトライアル覇者の阿野雄紀をBドライバーに起用しての参戦となり、今村大輔と中原英貴がバックアップする。果たしてどんな戦いとなるか注目だ。
 
こと、#75おとぎの国CIVICは塚田が前回、シートを芳賀邦行に譲って、自ら走ってチャンピオンを決めていないだけに、最終戦の勝利で喜びを味わいたいと思っているはず。
鬼門の3時間レースを制すか、シンティアム アップルKTM

かつてのグループCカーを思わせるルックスの、#2 シンティアム アップルKTMを駆る飯田太陽 / 高橋一穂 / 加藤寛規 / 吉本大樹組が、すでにST-1クラスのチャンピオンを獲得。乗りやすく耐久向きとの高評価を証明するかのように、ここまで挙げた勝利はすべて長丁場のレースとなっている。逆に言えば、SUGOの第2戦、3時間レースだけが未勝利であるため、同じ3時間レースの今回も制し、オールマイティな車両であることを強くアピールしたいはず。

一方、その第2戦を制しているのが、#38 muta racing GR Supraの堤優威 / 阪口良平 / 堀田誠組だ。特に阪口と堀田は、岡山のマイスター的存在。得意とするコースで、せめて一矢報いたいと強く思っているのは間違いない。そして、年間エントリー3台のうち、#71 CSダイワN通商アキランドポルシェの大山正芳 / 齋藤真紀雄 / 山本賢組だけが未勝利とあって、ここも必勝態勢で来るはずだ。
ST-2クラスは、GRヤリス勢の逆襲に期待

ここまでの5戦すべて大きなトラブルに見舞われることなく、さらにシリーズの大一番、第3戦の富士24時間を制したことを決め手として、ST-2クラスの王座をもぎ取ったのが、#7 新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10の藤井芳樹 / 成澤正人 / 安斎景介 / 今井慎吾組。派手さはなかったものの、これぞ耐久の戦い方を改めて教えてくれた。

逆にチームメイトである、#6 新菱オート☆NEOGLOBE☆DXL☆EVO10の冨桝朋広 / 菊地靖 / 大橋正澄組には速さはあったものの、なぜか決勝になるとトラブルが多発。耐久の難しさという、もうひとつの側面を見せざるを得なかった感もあった。
 
そして長らく苦境が続いていた、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学 / 後藤比東至 / 石坂瑞基が、前回の鈴鹿で優勝を飾ったことは、スバリストのみならず朗報だったのでは? このままかつての勢いを取り戻してくれれば、来シーズンより一掃の盛り上がりが期待できるだろう。
 
その一方で、完走すれば優勝、だがリタイアも2回ということで、チャンピオンに手が届かなかったのが、#225 KTMS GR YARISの野中誠太 / 平良響 / 翁長実希組。チームにとって岡山はホームコースであるだけに、最後も勝って締めたいところだ。そして、今回はニューカマーも。それが#13 ENDLESS GR YARISの小河諒 / 花里佑弥組である。常勝チームが送り込む一台だけに、いきなりの勝利も十分考えられる。

 

再び総合優勝を競うこととなったST-3クラス

2グループ開催の最終戦は、グループ2にST-3クラスを加えることとなったため、第2戦に続いて、このクラスで総合優勝が競われることになりそうだ。すでに#39 エアバスターWinmax RC350 TWSの冨林勇佑 / 大島和也 / 石井宏尚組の連覇が達成されているが、もちろん勝ってシーズンを終えたいと思っているのは間違いない。まして岡山はチームのホームコース。最高に気持ちいい終わり方の、お膳立てがすっかり整えられている。

だが、このクラスはシリーズ随一の激戦区とも言われ、どのチームが勝ってもおかしくないほどレベルは高い。実際、第4戦までは毎回ウィナーが入れ替わっていたほど。2勝目を挙げて、一矢報いることができるチームが現れるか、大いに注目だ。

 

ST-Qクラスに、謎の一台が…

最後にST-Qクラス。グループ1を戦う#28 ORC ROOKIE Racing GR SUPRAの蒲生尚弥 / 豊田大輔 / 山下健太 / 小倉康宏組は、総合で何位に入るかが注目すべきポイント。GT4のGRスープラ進化形態であるだけに、もうST-Zクラスを上回る速さは身につけている。

また、グループ2で戦うことになった、井口卓人 / 佐々木雅弘 / MORIZO / 松井孝允組が走らせる、#32 ORC ROOKIE Racing Corolla H2 conceptは、広く一般にS耐というレースを知らしめてくれた。さまざまな要素において、一戦ごと着実に進化しており、今やST-4クラスを追い回すほどとなっている。今後とも注目していきたい。
 
そして、今回ST-Qクラスに、もう1台エントリーがある。すべてTBNとされているため、まったく概要が明らかになっていないが、このクラスに臨むからには、近未来に向けたコンセプトを持つ車両であるのは間違いない。どうあれ、現場で明らかになるから予選レポートと合わせて報告しよう。

 

予選は11月13日(土)の12時50分にスタート。なお、決勝は2グループとも11月14日(日)に行われる。「スーパー耐久レースin岡山」の盛り上がりを期待したい。

 

(はた☆なおゆき)

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