《決勝レポート Gr.1》スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦グループ1決勝

スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦グループ1決勝

ST-Xクラスの2勝目を、ポルシェセンター岡崎911GT3Rが飾る
ENDLESS AMG GT4がST-Zクラスで3連覇を達成!


2グループ開催となった、スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第6戦、「スーパー耐久レースin岡山」は、これが今シーズンのラストバトルとなった。グループ1の決勝レースは、11月14日の午後にスタートが切られ、3時間にわたって繰り広げられた、激しい戦いの末に総合優勝を飾ったのは、#16 ポルシェセンター岡崎911GT3Rの永井宏明 / 上村優太 / 中山雄一組。第2戦SUGO以来となる、今季2勝目でシーズンを締めることとなった。
ST-Zクラスは、#311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4の鈴木宏和 / 久保凜太郎 / 塩津佑介 / 佐藤公哉組が初優勝。そしてチャンピオンは4位でゴールした、#3 ENDLESS AMG GT4の内田優大 / 山内英輝 / 菅波冬悟組の掌中に収まり、見事3連覇達成となった。
ST-TCRクラスは#75おとぎの国CIVIC TCRの塚田利郎 / 蘇武喜和 / 霜野誠友組が、今季初めて競い合って優勝を飾り、前回で決めたチャンピオンに華を添えることに。
ST-1クラスでは#38 muta racing GR Supraの堤優威 / 阪口良平組が2勝目を、ST-2クラスでは#225 KTMS GR YARISの野中誠太 / 平良響 / 翁長実希組が4勝目を挙げている。

 

 

ポルシェセンター岡崎99GT3Rがポール・トゥ・ウィンを達成

グループ1の総合ポールポジションを奪ったのは、#16 ポルシェセンター岡崎911GT3R。スタートを担当した上村が鋭いダッシュを見せ、その後もマージンを築き上げていく。2番手が#81 DAISHIN GT3 GT-Rの青木孝行だったため、3秒ほどに留まったとはいえ、43周目に交代した中山は、相対したライバルの多くがジェントルマンドライバーだったこともあり、一気に引き離しにかかる。

唯一食らいついていけた#9 MP Racing GT-Rの柴田優作が追突されて58周目にコースアウトし、大きな遅れを取るとリードはさらに拡大。残り1時間を切った76周目に交代した永井には、実に1分を超えるマージンをプレゼントした。

もちろん、永井はしっかりマージンを守り抜き、#81 DAISHIN GT3 GT-Rの藤波清斗の猛攻さえ少しも寄せつけず。第2戦SUGO以来となる今季2勝目を、圧勝で飾ることとなった。

総合優勝(ST-Xクラス優勝)
#16 ポルシェセンター岡崎911GT3R

永井宏明
順調にミスなくレースができたので、本当に良かったと思います。スタートを担当した上村くんと、セカンドスティントを担当した中山くんが、僕にだいぶアドバンテージを作ってくれたので。本当にいいレースになりました。チームのみんなもノーミスだったと思うので、それも結果に表れたかなと思っています。

上村優太
久々のスタートドライバーだったので、すごく緊張したんですけど、最終的に勝てて良かったです。最後にいい形で締めくくれました!

中山雄一
上村くんが速くてマージン作ってくれて、僕もミスしないで走ろうと思っていたら、まわりがどんどん消えていったので、特に有害なことはなく(笑)。永井さんも最後、ちゃんとマージン守り切って走ってくれたので、チームもノーミスでしたし、1年間やってきて、いろんなことありましたけど、最終戦はみんなで100%の仕事ができたと思います。

FABULOUS GRMI GR Supra GT4がST-Zクラスで初優勝!

ST-Zクラスでポールポジションを奪ったのは、#311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4だったが、スタートを担当した鈴木宏和から、わずか3周でトップを奪い去ったのが#108 アスラーダVer.Supraの松本武士だった。若き「岡山の主」的存在のドライバーは、その後もリードを広げ続けて34周目に鈴木利男にバトンタッチ。どうしてもスープラは給油に時間がかかってしまうためピットで順位を下げ、その間に#23 TKRI松永建設AMG GT4の元嶋佑弥がトップに浮上する。だが、元嶋からDAISUKEに代わって間もなく接触があり、足回りにダメージを受けて、ピットでの長い修復を強いられてしまう。

これにより、トップに返り咲いたのが#311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4だった。久保がその後もリードを広げて、佐藤にバトンタッチ。実はブレーキにトラブルを抱えていたものの、それを悟らせない走りを見せ、2番手に浮上していた#47 D’station Vantage GT4の織戸学さえ寄せつけず。逃げ切ってST-ZクラスにおけるGR Supraでの初優勝を挙げることとなった。

気になるチャンピオンの行方だが、4位でゴールの#3 ENDLESS AMG GT4の内田と山内、菅波が獲得。途中接触によるドライビングスルーペナルティを受けたため、表彰台にはあと一歩のところで届かなかったが、決して順風満帆とは言い難かったシーズンに3連覇達成となった。


ST-Zクラス優勝 #311 FABULOUS GRMI GR Supra GT4

鈴木宏和
スープラGT4初優勝、国内初優勝(笑)。いいレースになりました。今回はスタートを任せてもらったので、凛太郎に。フロントタイヤは使わずに走りました。フロントは残してね、っていうのを本当に忠実に守って、作戦どおり行きました。

久保凜太郎
初優勝、やっとです。予選はすごく良かったんですけど、決勝が今まで課題だらけで、今回、クルマの速さは鈴鹿でもう分かっていたし、ウェイトハンデもそんなにしんどくはなかったので、マジで狙おうと思って2週間ぐらい前から作戦も考えていたんですよ。クルマのセットも、乗り方も考えていたし。それがレースウィーク、いい方向に行って、作戦もハマっていい方向に行けたのが、本当に良かったという感じですね。良かったぁ。

塩津佑介
いや、本当に良かったです。公哉さんとどっちが乗るか分からなかったんですけど、僕の思いも乗せて走ってくれたので、さすがだなって思って。本当に感謝していますし、良かったです。感動しました。

佐藤公哉
最後ブレーキがめちゃくちゃキツくて、前のスティントの凛太郎の時からブレーキがなかったんで、苦しかったですけど、頑張って走ろうと思って。それまでヒロさんと凛太郎が、ここまでクルマを持ってきてくれたので、頑張って最後ちょっといいところ見せようと思っていました。

ST-Zクラス 年間チャンピオン #3 ENDLESS AMG GT4

内田優大
今年はマシンのポテンシャル的に少し厳しくて、ウェイトも積んでいたので、本当にストレートスピードもなくて、厳しいシーズンだったんですけど、でも本当にチーム全体が、いつもミスなくメカさんがやってくれて、山内選手と菅波選手が本当にいい走りをしてくれて。僕は今日、ペナルティ受けてしまったんですけど、カバーしてくれるぐらい本当に上手くやってくれて。本当は表彰台乗りたかったんですけど、年間を通じて、ちまたチャンピオン獲れたっていうことは、意義のあることだと思っています。

山内英輝
最初のうち貯めていたポイントが、特に富士24時間ですね、本当にあのへんで稼いでいたやつが、本当にここに来て活きてきましたね。今年はいろいろありましたけど、最終的にひとりひとり、ドライバーも良かったですし、それを活かすメカさんや、チームの力がすごかったので、みんなで獲れた3連覇だと思います!

菅波冬悟
やっぱりチーム戦で獲ったチャンピオンっていうのは、すごい物語があったというか、みんなでやってきたことが実って、シリーズチャンピオンという形で終われたことを、すごく嬉しく思います。勝ち続けてチャンピオンって感じじゃなくて、毎回、『今回のレースも厳しいのかな』と思う中で、SUGOだったら内田さんがプロドライバー相手に抑えて表彰台獲れたり、24時間はいろいろトラブルあったけど、結局最後、優勝で追われたりとか。そういうのの積み重ねで、やっぱ取りこぼさないっていうのがチーム力だったり、ドライバー力だったりだと思うので、このチャンピオンっていうのは、すごく誇らしく思います。

競り合ってST-TCRクラスを制した、おとぎの国CIVIC TCR

2台によって競われ、さながらシーソーゲームのような展開となっていたST-TCRクラス。序盤は予選トップだった#33 Audi RS 3 LMSの今村大輔を、#75 おとぎの国CIVIC TCRの塚田が追う展開に。だが、じわじわと差を広げられる状況だった塚田に対し、霜野と蘇武がしっかり仇を取る形となった。

中盤に今村と交代した阿野雄紀は、今回がスーパー耐久デビュー戦。トップでコースに戻るも、52周目に霜野が逆転し、さらに69周目に交代した蘇武がとどめを刺すことに。チャンピオンチームが競争によって優勝を遂げて、有終の美を飾ることとなった。


ST-TCRクラス優勝&年間チャンピオン #75 おとぎの国CIVIC TCR

塚田利郎
スタートして、アウディ33号車は今村さんだったから、僕より速いのは分かっていたから、なるべく離されないように、自分のペースを保って。つまらない接触をしないようにというのを心がけ、あとクルマをいたわって、それに徹して。あとはふたりにつなげば、なんとかしてくれると思って。やっぱり展開どおりになって、本当に良かったし、何より1年間やってきて、勝てたけどライバルのいないレースでやってきて、ライバルのいるレースでやっと勝てたというのは大きかったですね。その展開で勝ちたかった。とにかくレースってライバルがいて、初めて勝利に価値が出てくるものじゃないですか。ライバルがいて勝てたというのが、本当に良かったと思います!

蘇武喜和
やっと勝てましたね。実はずっとトラブルも抱えていたので、最後全開というわけにはいかなかったですけど、まあまあクルマも最後まで保ってくれて、本当に良かったです。ABSとミッションのトラブルが出ちゃって、かなり抑えながら走っていたので、とりあえず最後まで保たせられたので良かったです。

霜野誠友
僕の時にABSにトラブル出ちゃって使えなくなっていて、スイッチがあるんですけど、変に介入したらいけないからオフにしようと。オフにしたら電気系なのか、シフトアップできなくなっちゃって、それでオンにしたらABS使えない状態で走っていて。途中からシフトショックも大きくなってきて、『しんどい、ヤバイかな』っていう状態だったんですが、なんとかまぁ、バトルできて抜けたんで、良かったです。しばらく勝てていなかったんですけど、いいバトルができて勝てたんで良かったです。

最後尾から逆転優勝、muta racing GR Supraが岡山で吠えた!

合算タイムでST-1クラスのトップだった、#38 muta racing GR Supraの堤 / 阪口 / 堀田組ながら、グリッドはなんと最後尾。エンジン交換をしたためのペナルティだ。これにより、#71 CSダイワN通商アキランドポルシェの大山正芳 / 山本賢 / 斎藤真紀雄が、クラス最前列からスタートを切ることに。

しかし、スタートを担当した大山は、#2 シンティアム アップルKTMの飯田太陽に、オープングラップのうちにかわされてしまう。予選のクラッシュも癒えたマシンで飯田は快走、ST-Xクラス勢に次ぐポジションで周回を重ねていく。一方、大山もST-Zクラス勢を封じ込んでいた。

だが、中盤から状況が一変する。21周目に#38 muta racing GR Supraは堀田から堤にスイッチ。31周目に大山と代わった斎藤に、堤がじわりじわりと迫って39周目に、まずは2番手に浮上し、かつ総合順位も上げていく。その間も、飯田からステアリングを託された加藤寛規は逃げていたが、61周目に阪口に代わった#38 muta racing GR Supraは、もはや勢いが止まらない。75周目、#2 シンティアム アップルKTMは高橋一穂に交代。この段階で阪口は1分差だったが、あっという間に近づいていって、89周目にはトップにも浮上してしまったのだ。一方、#71 CSダイワN通商アキランドポルシェの山本はタイヤ無交換が裏目に出て、コースに留まっているのが精いっぱいの状況となっていた。

逃げ切った#38 muta racing GR Supraは今季2勝目。最終戦を制して、まさに一矢報いることにも成功した。


ST-1クラス優勝 #38 muta racing GR Supra

堤優威
良かったです、SUGO以来の優勝になりますね。今回、堀田さんがスタートで、僕ら最後尾からだったんですけど、みんなミスなく走った結果、勝てたので、チームとしてもやりきった優勝なので、嬉しいです。1年間ブレーキ開発しながら、こうやって結果を残せるクルマを作れたのが、僕らにもチームにとっても良かったですし、いいレースになったと思います。

阪口良平
ST-1クラスは台数少ないですけど、ST-Zクラスを目標にやっているので、その中で最後尾から総合9位、クラス優勝というのは、本当にでき過ぎです! トラブルもあったんですけど、それがちょっと遅れていたら決勝になったと思うんで、流れが最終的に僕らの方に来て、本当に決勝も作戦どおりの周回数でやれました。しっかり最初のストラテジーとおりにやれば、しっかり結果が出たっていうか、基本クルマが加速とブレーキに関して縦方向に良くって、横方向をもうちょっとアジャストすれば、さらに力強いクルマになるでしょう。まずはこの手作りのクルマで、こうやって走れていることは、本当にすごいことだと僕も思っています。

堀田誠
岡山ではいつも、いいレースになりますねぇ、結果的に。最後尾だったんですけど、ふたりがまた頑張ってくれたので、良かったです(笑)。

魅せてくれたヤリス同士の一騎討ち

ST-2クラスのポールポジションは、2戦連続で#6 新菱オート☆DXL☆NEOGLOBE☆EVO 10の冨桝朋広 / 菊地靖 / 大橋正澄組が獲得。決勝でも序盤を冨桝がリードするも、ライバルは少しも遅れを取らず。一時は6台連なってトップ争いを演じていたほど。

そんな中、まずは#225 KTMS GR YARISの平良が、冨桝に仕掛けて18周目にトップ浮上。だが、4WD勢が早めのドライバー交代を行う中、好燃費を武器とする#743 Honda R&D Challenge FK8の石垣博基が45周目からトップに浮上。一時的にとはいえ、このクラスにFFが加わってから初めての快挙が成し遂げられる! が、それも束の間、なんと50周目にガス欠でストップはなんとも残念。

代わってトップに立ったのは、スポット参戦の#13 ENDLESS GR YARISの花里佑弥。スタートを担当していた小河諒とともに徹底していた、エコ走法がここにきて実を結ぶことに。とはいえ、そのまま逃してもくれなかった。追いかけてきたのは、#225 KTMS GR YARISの翁長。やがて激しいテール・トゥ・ノーズでのトップ争いを繰り広げるまでに。あと一歩というところで、両者は同時にピットイン。ピット作業が早かったのは#225 KTMS GR YARISの方。野中誠太が小河の前でコースに戻る。

#13 ENDLESS GR YARISはスポット参戦のため、規定で50kgもウェイトハンデを積むのに対し、#225 KTMS GR YARISは前回リタイアしていたこともあって、25kgで済んでいた優位性は確かにあった。小河は何度もチャージをかけたが、最後まで野中は屈することなく。

その結果、#225 KTMS GR YARISは完走したレースすべて優勝を飾り、4回目となる表彰台の中央に立つこととなった。


ST-2クラス優勝 #225 KTMS GR YARIS

野中誠太
予選から彼ら(ENDLESS GR YARIS)はスポットながらスピードがあったので、しかも小河選手という高い技術を持った方なので、なかなかタフなレースでした。今年最後というのもありますし、前回悔しい思いをしていたので、力強く気持ちで走ることができました。この勢いで、FIA-F4も獲ります!

平良響
最後の40分間、後ろにぴったり着かれていたので、本当にもう「誠太頑張れ〜」って願うしかなかったですね。チーム一丸になって応援していたんで、誠太は抑えきれたんだと思います、ハッピーです! 自分の走りはタイヤもうまく保たせることができて、いいようにバトンタッチできたので、自分の走りはそんなに言うことなしかな、という感じでしたね。ピットの作戦もまたいろいろ考え直して、今後はもっと差をつけたいですね。

翁長実希
すごい、最後までいいレースだったと思います。今回は自分の中でペースがちょっとつかめなかったんですけど、いいタイムもなぜか出せていたので、そのバランスが今回は難しかったですけど、なんとかいい方向でいけたかなと思っています。私も最後の最後に前のエンドレスに近づいて、抜けるところまでいけたんですけど、同じタイミングでピットインとなって。あとは誠太に任せて、信じて見守っていました。

ST-Qクラスのスープラにも、もちろん大きな進化が

グループ2の2台に隠れはしたものの、グループ1を戦うST-Qクラスの#28 ORC ROOKIE Racing SUPRAの蒲生尚弥 / 豊田大輔 / 山下健太 / 小倉康宏組も大活躍。ST-Zクラス2台の先行を許したとはいえ、総合8位でゴール、ベストラップでは1秒以上も上回った。

この1年間の進化を、片岡龍也監督はこう語る。「出力も少し上がっているんですが、外から見える改良はまずボンネットのダクト形状の変更、それとチンスポイラーも。見えないところではダンパーとブレーキパッドを換えています。いずれエボリューションモデルとして出すための改良で、ラップタイム的に見ても納得の進化が果たせています」と。今年1年間の活動が、やがてユーザーの手に渡ることになるのだろう。

(はた☆なおゆき)

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