スーパー耐久シリーズ2017 第5戦富士スピードウェイ プレビュー

August 28, 2017

スーパー耐久シリーズ第5戦 富士SUPER TECが9月2日(土)、3日(日)に、富士スピードウェイを舞台として、10時間耐久レースとして開催される。2012年まで長らく4時間レースして開催されてきたが、13年から2年間は7時間レースとして、そして15年からは1時間ずつ延長されて現在に至る。もちろん過去には24時間、12時間レースも開催されたことがあるが、現在の国内公式レースとしては最も長いレースということになる。

10時間もの長丁場、マナー遵守で期待されるクリーンなレース

 長さもさることながら、台数の多さも「FUJI SUPER TEC」の自慢とするところだ。昨年のエントリーは65台にも達し、8時間レースとして争われた15年の56台をはるかに上回った。今年のエントリー台数は、スポット参戦を受付なかったことから59台と、記録更新はならなかった。しかしそうは言ってもこれだけの台数が並べられたグリッドは、壮観の一言に尽きる。

 よく語られるのが、全クラス混走のレースでは車両ごと速度差が大き過ぎて、危険なのではないかということ。実際にFIA-GT3で争われるST-Xクラスと、コンパクトカーで争われるST-5クラスでは最高速で100km/hほどの違いがある。しかしながら、近年は他のクラスの車両とはバトルをしない、互いに尊重し合うといったマナー遵守が目覚ましく、コーナーでのコンタクトは著しく減っている。また紳士協定により、原則としてストレートの左側をグループ2のST-4クラスとST-5クラスの車両が、右側をそれ以外の車両が走ることも参加者たちが試みた。

 しかし昨年は黄旗区間での追い越し、コースアウトに対するペナルティが数多く課せられていた。これが今年はどれだけ減るか、お手並み拝見。是非とも、サンデーレーサーたちへのお手本ともなるレースであることを期待したい。

 なお、今回は特別規則として、セーフティカーが導入され、「SC」と記されたボードが表示された時点から、すべての車両はピットに入ることはできない。やむを得ず入らなくてはならない場合を含め、従わなかった場合は60秒以上のペナルティストップが課せられることになっている。

 

未知の領域から、さらに先の先へ

 さて、10時間というレース。昨年から1時間増えただけとも言えるが、もともと3時間ないし4時間の走破を前提として製作されている車両とあって、未知の領域からさらに先の先へと向かわなくてはならない。たとえば昨年までは保てたパーツが、追加された1時間で堪えきれなくなる可能性がないとは言い切れない。保たせるためには、どれだけペースを抑えればいいのか、また保つパーツの吟味や、距離計算をしっかり行った上でのオーバーホールも必要となるだろう。

 それと改めて伝えておきたいのは、スーパー耐久は「チェッカー優先」のレースであることだ。10時間しっかり、正確には10時間を超えてトップの車両がチェッカーを受けるまで(昨年は1分11秒ほど追加された)、走り続けていないと完走扱いにはならない。その1秒前まで走っていたとしても、チェッカーを受けなかったらリタイア。課程は課程として評価されるものの、結果としては残らないレースなのである。

 

豪華な助っ人ドライバーが今年もエントリー!

 ちなみに昨年の9時間レースで、ST-Xクラスのトップは7スティントで、ST-3クラスのトップは6スティントで戦っている。単純に計算すると1スティント、それぞれ1時間15分~20分、1時間30分+αと言ったところで、これは今回の10時間レースにも、ほぼ当てはまるだろうから、もう1スティント加えられることになるだろう。

 なお、プラチナドライバー規定が採用されているクラスでは40%まで、ジェントルマンドライバーは20%以上とされているため、プラチナドライバーは2スティント確実に行けるが、3スティントとなると微妙なところ。その使い方も勝敗のカギを握りそうだ。

 また、長丁場のレースにはDドライバーの登録が認められているのも、ひとつのポイントである。それはプラチナドライバーでもいいため、思いがけぬトップドライバーやレジェンドドライバーが参加することも。年に一度の同窓会、お祭り的にとらえている者も少なくないため、そこも魅力となっている。

 今年の注目すべき助っ人としてはST-TCRクラスの#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRに脇阪寿一選手が、そして#45 LIQUI MOLY RS3 LMSに新井敏弘選手が加わることになっている。さらにはST-2クラスの#59 DAMD MOTUL ED WRX STIには谷口信輝選手が! それぞれ勝ちを狙うに、最高の助っ人を起用してきたことになる。

 また、シリーズの一戦として考えるならば、今年から全クラスで採用されてきたウエイトハンディ制度が、さまざまな意味で結果を大きく左右してきたが、今回は累積されてきたウエイトが半減される。とはいえ、昨年のレースではこの制度は実施されていなかったため、表彰台に立っている車両は、今年は単純に昨年より重いわけだ。そのことが果たして、どんな影響を及ぼすのかも気になるところである。

 

王座決定の可能性が4クラスに……

 ちなみに、勝てば最終戦を待たずして、チャンピオンが決まるのが4クラス。それぞれポイントリーダーが強さを見せる、ST-TCRクラスの#98 Modulo CIVIC、ST-2クラスの#59 DAMD MOTUL ED WRX STI、ST-4クラスの#86 TOM’S SPIRIT 86、そしてST-5クラスの#88 村上モータースMAZDAロードスターNDに、その可能性がある。それ以外のクラスは未だ接戦のため、今回で決まることはほぼないと断言しよう。

 その他のクラスで注目すべきは、4戦連続のポールポジション獲得から、前回のオートポリスで初優勝を遂げた#8 ARN Ferrari 488 GT3は、併せて待望のランキングにも浮上。ようやくつかんだ状況気流に、そのまま乗り続けられるか注目したい。そしてST-3クラスでランキングトップは、第3戦・鈴鹿での勝利を挟んで3戦連続で表彰台に立っている、#62 DENSO Le Beausset RC350。富士との相性は抜群で、15年にデビューウィンを飾ってから負け知らず。2連勝の期待もかかる。また、今回は久々の一騎討ちになるST-1クラスにも注目してほしい。

 最後に、夏場の耐久レースは、そうあってほしくはないのだが、なぜか天候が不順であることが多く、昨年もスタート時はセミウェットで、途中雨に見舞われ、最終的には晴れ間も見えるようになっていた。そのあたりの見極め、特にタイヤ選択やピットのタイミングが結果を大きく左右するのではないだろうか。

(はた☆なおゆき)

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