スーパー耐久シリーズ2017 第5戦 富士SUPER TEC 決勝レポート

September 4, 2017

10時間レースとして争われた、スーパー耐久シリーズ第5戦「FUJI SUPER TEC」の決勝レースが、9月3日(日)に富士スピードウェイで開催され、ポールポジションからスタートした永井宏明/佐々木孝太/銘苅翼組の#8 ARN Ferrari 488 GT3が、2連勝を達成。ST-Xクラスのタイトルにも王手をかけることとなった。

ARN Ferrari 488 GT3がポール・トゥ・ウィンで2連勝、タイトルに王手が!

10時間レースということで、スタート進行の開始は早朝7時から! その頃には肌寒くさえあったのだが、やがて強い日差しが注ぐように。午後6時のフィニッシュまで雲の切れ間からは太陽が出たり隠れたりを繰り返したものの、最後まで降雨の心配だけはせずにレースすることは可能だった。そして、8時からの決勝スタートで、しっかりとトップを守ったまま1コーナーに飛び込んでいったのは、ポールシッターで#8 ARN Ferrari 488 GT3をドライブする佐々木孝太。これに予選順位のまま、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢が続き、さらに3番手に#89 HubAuto Ferrari 488 GT3の吉本大樹が、3ポジション上げて続いていた。

後続に近づかれたり、離されたりを繰り返しながらも、トップを守り抜いて佐々木は46周目に永井宏明へとバトンタッチ。永井は#89 HubAuto Ferrari 488 GT3の坂本祐也に抜かれるも、大きく離されることなく2番手をキープし続ける。そして、93周目には銘苅翼に交代。3時間を経過して間もなく、1コーナーの手前に激しくオイルが撒かれたことから、セーフティカーランが行われたものの、今回はこの一度きり。しかも、わずか14分間という短い時間に限られた。この後はピットタイミングの違いから、めまぐるしくトップは入れ替わったものの、レースは6時間目を過ぎたあたりから、#8 ARN Ferrari 488 GT3によって支配されていくように。

6時間45分を経過した226周目に、銘苅から佐々木に代わっても、トップのままだったのが、その何よりもの証明。そして最終スティントは永井が乗り込んで残り50分、駆け抜けるだけの状態となっていた。まだタイヤが冷えていた状態で、永井は100Rでタイヤかすに乗ってしまい、オーバーランしてピットをヒヤリとさせる光景もあったが、わずかなロスですみ、そればかりか2番手の#777 D’station Porscheをドライブする近藤翼を、さらに引き離すことにも成功。10時間で335周、距離にして1528kmもの走破を果たして2連勝、そして悲願のタイトルにも王手をかけることとなった。

2位は星野敏、荒聖治、そして近藤翼のドライブする#777 D’station Porscheが獲得。これに続いてチェッカーを受けたのはモーリス・チェン、吉本大樹、坂本祐也、河野駿佑がドライブした、#89 HubAuto Ferrari 488 GT3だったが、ドライバーの最低周回義務違反により、36周が減算されて9位に降格。内田優大、藤井誠暢、平峰一貴のドライブした、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが繰り上がって3位となった。

 

DENSO Le Bausset RC350がSUPER TEC3連覇!

今回、ST-Xクラス勢に続いたのは、ST-1クラスの2台だった。#31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cupの小川勝人/影山正美/富田竜一郎組と、#51 Diamango BMW Z4の細川慎弥/池田大祐/石原将光/余郷敦組は、序盤こそバトルを繰り広げたが、やがて#31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cupが明確な差をつけるように。そのまま逃げ切り果たして優勝を飾ることとなった。「今回は長いレースを3スティントも行かせてもらいましたが、そんなに疲れなかったですね。今回の勝利は今までに増して嬉しいですけど、自信の方はまだまだですね」と小川。

そして、ST-3クラスでは一昨年の8時間、昨年の9時間に続いて、#62 DENSO Le Beausset RC350の嵯峨宏紀/中山雄一/山下健太/平木湧也組がFUJI SUPER TEC3連覇に成功。

序盤には#38 muta Racing TWS IS350の阪口良平がトップに躍り出たが、オルタネータのトラブルで後退し、その後の挽回はままならず。#62 DENSO Le Beausset RC350は、中盤に#39 ADVICS TRACY RC350の手塚祐也/前嶋秀司/鈴木陽/松井猛敏組と、そして終盤には#68 埼玉トヨペットGreenBraveマークXの服部尚貴/脇阪薫一/平沼貴之組と激しいバトルを繰り広げたものの、それぞれ振り切ることに成功する。

「今年もトラブルなく、ミスもなく淡々と走って3連覇ということで良かったと思います。ドライバーとしても、チームとしてもすごく良かったです」と嵯峨。

 

ST-2クラスではDAMD MOTUL ED WRX STIが5年連続の王座に就くことに

今回、勝てばシリーズ5連覇が達成される#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至組は、早々に決めるべく強力な助っ人を起用。それが谷口信輝だった。予選ではレギュラーのふたりでトップにつけ、決勝でも序盤は#20 RSオガワADVANランサーの松本武士の先行を許したものの、最初のピットで逆転を果たし、その宿敵がエンジントラブルでリタイアを喫すると、もはや敵など存在しなくなっていた。

その結果、今季3勝目をマークするとともに、5年連続でのタイトルが決定。「今回は小さいトラブルこそあったのですが、順位が落ちるとか走れなくなるとかではなく、なんとかリカバリーできるレベルのトラブルで。メカニックのみんながきっちり仕事してくれて、問題なく走れて勝てました。それでチャンピオンも決まったので、本当に嬉しく思います」と大澤が語れば、「僕が来たことで止まっちゃったら、一番まずいので、今回勝ててチャンピオンも獲れて、もう何も言うことがありません」と後藤。さらに助っ人として大いに機能した谷口ながら、「僕がいなくても、このふたりできっと勝てたはず。むしろ自分がやらかさなくて済んだので、彼らは嬉しいでしょうが、僕はホッとしています」と。しかし、心の支えになったのは間違いないだろう。

ST-TCRクラスは、ライバルにトラブルが相次いだことで、フィリップ・デベサ/密山祥吾/脇阪寿一組の#10 Racingline PERFORMANCE GOLF TCRが初優勝。「僕の4スティント目に接触があって、リヤのホイールにガンッと当てられちゃったんですよ。それでステアリングが曲がった状態になってしまったので、寿一さんとフィリップさんには迷惑をかけてしまいました。本当にギリギリということで。でも本当に勝てて良かったです」と密山。

なお、勝てば王座獲得なった#98 Modulo CIVIC TCRの黒澤琢弥/石川京侍/加藤寛規/吉田広樹組だったが、中盤に原因不明のエンジントラブルを抱え、なんとか完走を果たすのみのレースになってしまう。2位は#19 BRP Audi Mie RS3 LMSの奧村浩一/秋吉圭/山脇大輔/上野嘉三組が獲得、ランキングも2位に浮上した。

 

ST-4クラス、ST-5クラスともに最終戦を待たずに王座を獲得!

ST-4クラスでは#93 SKR ENGINEERING ings S2000の太田侑弥/佐々木雅弘/柴田優作組、そして#86 TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/蒲生尚弥/坪井翔/井口卓人組による、激しいトップ争いが繰り広げられた。ピットタイミングの違いで、何度もポジションを入れ替えたもの、圧倒的なストレートパフォーマンスを武器に#93 SKR ENGINEERING ings S2000が、最終スティントでトップに浮上。そのまま逃げ切りなって、#86 TOM’S SPIRIT 86の王座決定を先送りにしたかと思われたものの、なんとラスト8分で左フロントのホイールが脱落する不運が! なんとかピットに戻れたものの、優勝はおろか表彰台まで逸して4位に。

土壇場で優勝が舞い込んできた#86 TOM’S SPIRIT 86は、これで4連勝となり、戴冠決定。「チャンピオンが取れたのはすごく嬉しいですが、今回は93号車とすごくいいバトルができていたので、その中でチームもドライバーも全員諦めなかったことで、優勝をつかめたことにすごく満足しています。やっと今年チャンピオンを獲れたってことで、そちらは嬉しいというよりホッとしている部分の方が大きいですね」と松井。スーパー耐久初年度で王座を奪った坪井は「本当にいいクルマで、チームメイトもいいですし、そんな中で走れた僕は幸せ者というか。今日は途中、心が折れそうになった時もあったんですが、最後まで諦めずに走った結果がチャンピオンにつながったので、本当に嬉しかったです。もうひとつのカテゴリーでも頑張ります」とF3での逆転王座を誓っていた。

そしてST-5クラスでは、#37 DXLアラゴスタNOPROデミオSKY-Dの関豊/梅田剛/井尻薫組が初優勝。ディーゼルエンジンの好燃費を武器に、得意の長丁場で本領を大いに発揮した。「想定した周回数は行けたんですが、微妙に電気系トラブルを抱えていて、結構ヒヤヒヤだったんです。ピット作業もドライバーもノーミスでいけたので、それはすごく良かったと思います。いや〜、ホッとしました」と井尻。

一方、SCランが始まるのとほぼ同時にガス欠寸前だったこともあり、ピットに入ってきたことがペナルティの対象となり、60秒のストップが大きく響いた#88 村上モータースMAZDAロードスターNDは2位に甘んじるも、その結果、最終戦を待たずに初めての栄冠を手にすることとなった。

「初めての10時間レースに僕らのクルマが耐えられなくて、パワステのトラブルが出て後半も厳しく走ったので、勝ちたかったけど仕方ありません。むしろ、ドライバーみんなが粘ってくれたので、満足しています。正直、チャンピオンになったことには、そんなに実感はないんですが、新型ロードスターにして2年目で、熟成してきたことが結果につながって、大きなトラブルがなかったことがチャンピオンにつながっていると思います」と村上。

 

総合優勝(ST-Xクラス優勝)

#8 ARN Ferrari 488 GT3

永井宏明

「みんなのおかげで、最後いい位置で渡してもらえたので、クルマを。ずっと43秒台で走って、最後まで抑える気はなかったですね、気温も下がっていましたし。この連勝で、かなり有利なポイント差になったと思うので、次にしっかり走って、岡山でチャンピオンを決めたいと思います」

佐々木孝太

「トラブルもなかったし、ドライバーのミスも本当になかったし、完璧でしたね、ある意味。チャンピオンは次回で決められればいいです。まさか勝てるとは思っていなかったので、すごく嬉しいです!」

銘苅翼

「助っ人としていい仕事をするために雇ってもらったと思っているので、今回は初めてだったんですが、初めてで分からないことが多かった中で気負いすぎず、そこを弱みだと思わずに走れたのが、僕自身の成長に大きくつながったと思います。今回、GT3車両に乗って学ぶことも多かったですし、今回の週末は最高の形で終えられて、なおかつそれ以上に僕が勉強になったので、そこが本当に嬉しかったですね。次があるか分かりませんが、なんとか結びつけたいと思います」

 

(はた☆なおゆき)

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