スーパー耐久シリーズ2017 第6戦 岡山 スーパー耐久レースin岡山 予選レポート

October 14, 2017

岡山国際サーキットを舞台とする、スーパー耐久シリーズ第6戦の予選が10月14日(土)に行われ、グループ2のポールポジションは、#86 TOM’S SPIRIT 86の松井孝允/坪井翔/蒲生尚弥組が獲得。そして、グループ1のポールポジションは、#777 D’station Porscheの星野敏/荒聖治/近藤翼組が獲得した。

ST-4クラスはTOM’S SPIRIT 86が王者の貫禄、今季4回目のポールを奪う

 金曜日の専有走行は、グループごと1時間、3セッション実施されたが、それぞれコンディションが異なり、ウェットからドライに転じていった。そういった難しい状態を経て、土曜日に行われた予選は、完全なドライコンディションとなっていた。

 すでに2クラスともチャンピオンが決まっているグループ2から計測が開始。そのAドライバーセッションは開始から6分目に、#93 SKR ENGINEERING ings S2000の太田侑弥がクラッシュし、赤旗中断になる波乱があったが、その前に2アタック済ませてトップタイム、1分42秒455をマークしていたのはST-4クラスのチャンピオンで、#86 TOM’S SPIRIT 86を駆る松井孝允だった。これに続いたのは#55 SunOasis田中建設スズバン86のたしろじゅん、#77 CUSCO RACINGの山田英二、そして#13 ENDLESS ADVAN 86の小河諒で、いずれも1分42秒台をマーク。しかし、再開後には松井は走行せず、続いた3人もタイムアップならず。上位に大きな動きはなし。

 続いて行われたBドライバーセッションでも#86 TOM’S SPIRIT 86は、坪井翔が最初のアタックで1分42秒台に突入させたばかりか、次の周には42秒193をマークしてトップに立ったばかりか、初の予選だったにもかかわらず松井のタイムを上回ることに。もちろん、その後も誰の逆転を許すことなかった結果、合算タイムでは文句なしのトップとなり、すでにチャンピオンを決めている#86 TOM’S SPIRIT 86による、ST-4クラスの5戦連続ポールポジションが決定した。

 2番手からスタートを切るのは、#13 ENDLESS ADVAN 86の小河/高橋翼/花里祐弥組で、3番手は#40 ゴーゴーガレージTRACY 86 SSR ingsの藤田竜樹/吉本晶哉/浜野彰彦組が獲得した。

「岡山は地元なんですが、意外と結果が出ていないコースで、去年は予選こそ良かったんですが、決勝は今のところいい思い出があまりないので、今年こそ頑張ります」(松井)

「引っかかってもいるんです、もうちょっと行けたと思うんですけど、とりあえず初めての予選だったので、ちゃんと走らないと行けないと思いつつ。混雑がすごかったので難しくて、結局ちゃんとしたクリアは取れませんでしたが、とりあえずタイムが出たのでホッとしています」(坪井)

 

ST-5クラスは新王者に、まさかの展開が。THE BRIDE FITが繰り上がってポールに

 前回のレースでチャンピオンを決めている、#88 村上モータースMAZDAロードスターNDを駆る、村上博幸と脇谷猛にとって岡山国際サーキットは、走り込んだホームコース。まさに凱旋レースとなることが期待された。Aドライバーセッションでは、村上が1分48秒595をマークしてトップに立ち、2番手には#4 THE BRIDE FITの芝谷純三が、49秒038で続くことになった。

 Bドライバーセッションでは、#4 THE BRIDE FITのススムナカムラが1分48秒673でトップに立つも、脇谷がコンマ008秒差の48秒681で続いたことから、合算タイムでは#88 村上モータースMAZDAロードスターNDがポールポジションを獲得したかと思われた。「このコースは10年間走り込んでいますので、もう目をつぶっても走れるので、淡々と走ったらいいタイムが出て。明日は雨のようなので、チャレンジャーのつもりで粘りを見せて走ります」と村上は語っていたのだが……。

 ところが予選後の再車検で、サーキット外で購入したガソリンを使用していたことが発覚し、全タイムが抹消になって最下位へと沈んでしまう。これによって#4 THE BRIDE FITが繰り上がって、今季初のポールポジションを獲得することとなった。2番手は#700 J’S RACINGホンダカーズ浜松北ダークみきゃんFITのヒロボン/寺西玲央/藺牟田政治組が、そして、3番手は#48 GO&FUNホンダカーズ野崎エンドレスFITの岡崎善衛/井上恵一/Takamori博士組が獲得した。

「車のセットもきちっと煮詰まって、いい走りができたんですけど、ちょっとアタックラップに赤旗が出てしまって、一番いいところは出せなかったんですけど、できる限りのベストは尽くせたと思います。普段からロードスターは速いんですけど、雨はFFの方が有利なので、かなり楽しみです」(芝谷)

「出て行ったところがゴミゴミしているところだったので、ちょっとロスっているのが惜しかったんですけど、タイム的にはトップだったので、雨の方がうちは優位なので、勝てるように頑張ります」(ナカムラ)

 

ARN Ferrari 488 GT3は、幻の記録更新、レコード樹立に……
D‘station PorscheがST-Xクラスで初めてのポールポジションを獲得する

 続いてグループ1の予選が行われ、ここで最も期待がかかったのが、#8 ARN Ferrari 488GT3を駆る、永井宏明/佐々木孝太組の6戦連続、そして全戦でのポールポジション獲得なるかだった。Aドライバーセッションでは永井が1分29秒179をマークしてトップに立ち、Bドライバーセッションでは佐々木が28秒583と、レコードタイムさえ更新してトップに立っていたから、記録達成なったものと思われた。「お互いトップで、コースレコードで6戦連続のポールポジション記録っていうのは、すごく嬉しいですね。特にポールポジション大好き男にとっては」と、予選が終わった直後には笑顔で語っていた佐々木。

 しかし、その笑顔がしばらく経って、一気に曇ってしまう。ST-5クラス同様、サーキット外で購入したガソリンを使用していたため、全タイム抹消となったのだ。

 その結果、繰り上がってST-Xクラスに移行してから初めてのポールポジションを奪ったのが、#777D’station Porscheの星野敏/荒聖治/近藤翼組だった。星野が1分30秒234を記録し、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田優大の30秒085に続いていたこと、そして荒も28秒988で2番手につけていたことが決め手になった。

 2番手は#99 Y’s distraction GT-Rの植松忠雄/星野一樹/藤波清斗組が獲得し、連覇に一縷の望みを残した、#1 スリーボンド日産自動車大学校GT-Rの内田/藤井誠暢/平峰一貴組は3番手から決勝に挑むことに。

「今週はウェットばっかりで、ドライの練習がほとんどできず、ほぼぶっつけみたいなドライの予選だったんですが、ことのほかうまく行って、満足のいく予選ができました。荒選手が渾身のアタックで、すごいタイムを出してくれたのが大きいですね。決勝はどっちかというと、ウェットの方がポルシェの持ち味を生かせるので、優勝するチャンスは多いと思うんですが、どんな天気でもベストを尽くして、今年最後を締めくくりたいと思います」(星野)

「星野さんの時はオーバーステアが強くて、完璧じゃない状態でアタックしてもらいましたが、レースウィークの自己ベストを更新してくれて。そのフィードバックをもらったところで、車もいじって僕が続いて走った形になりました。ベストな走りができたと思うんですが、ファラーリに対しては差をつけられているので、そこがちょっと……。今まで予選で1秒ぐらい離されることが多かったのに、今回はコンマ5秒ぐらいで抑えられたというのは、僕たちも進歩したと。このいいポジションを活かして、最後にいいレースをしたいです」(荒)

 

ST-1クラスは#31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cupがレコード更新を目指したものの……

 今回も孤軍奮闘の#31 Nissoku Porsche 991 GT3 Cupの小川勝人/影山正美/富田竜一郎組。小川が目標タイムに乗せる、1分35秒796を出し、影山はレコードタイムを狙ったものの、残り8分を切ったところで赤旗が出て、タイヤのピークを過ぎてしまう。それでも影山は32秒968をマークして、総合8番手につけることとなった。

「今回もいろいろ勉強ができています。特に雨がすごく勉強になりましたよね。決勝も雨って言われていますけど、決して大丈夫ではなくて、やっぱり怖いですが。予選では目標の5秒台に入れて、ちょっと達成感もあるんですが、みなさんもっと速いので、まだまだだな、って感じはしますね」(小川)

「レコードタイムは破りたいと思っていたんですが、赤旗が出てタイヤの美味しいところは終わっていました。でも、クルマのバランスはいいし、何より小川さんが完全ドライを予選で初めて走って、目標タイムに入れてくれたので、今日まではいい流れ、いい組み立てで来ていると思います」(影山)

 

逆転王座に向けてADVICS TRACY RC350が、ST-3クラスで3戦連続ポールに

 総合9番手を獲得したのは、ST-3クラスのトップ。最速タイムはBドライバーセッションで#38 muta Racing TWS IS350をドライブする、阪口良平が叩き出した1分38秒530で、実に2006年以来となるレコードタイム更新となった。しかし、合算タイムでトップに立ったのは、#39 ADVICS TRACY RC350の手塚祐弥/前嶋秀司/鈴木陽組だった。Aドライバーセッションで手塚が38秒783をマークしてトップ、Bドライバーセッションで前嶋が39秒357をマークして3番手につけていたことが決め手となった。

 これにより、ランキングトップにつける、#62 DENSO Le Beasset RC350の嵯峨宏紀/中山雄一/山下健太組のマージンは、14ポイントになってしまう。「ちょっと今回は、クルマとタイヤのバランスが合っていませんでしたね。僕の後に走った雄一の時、アジャストしてもらったんですけど、十分ではなくて」と嵯峨。合算タイムでは3番手となったが、もちろんこのポジションを守れば、悲願の王座を獲得する。この2台の間に割って入ったのは、堀田誠と阪口のドライブする#38 muta Racing TWS IS350だ。

「ポール取らないと、もうランキングが厳しくなるので、ポール獲るのは予定どおりではあったんですが、自分のアタックは失敗しちゃって、それがなかったらもうコンマ3秒ぐらい上がっていたと思います。それでも明日にはつながったと思うので、良かったです」(手塚)

「3戦連続のポールは嬉しいですが、今年最後の予選がいちばん心残りな、ダメダメ予選でしたね、俺的には。手塚がすごくいい仕事をしてくれて、俺は雨しか走っていないからと言い訳はしたくないけど(笑)。反省点だらけ。決勝はいい感じで走れると思うし、まだ可能性は残っているから、頑張って優勝すれば、チャンスがあるかもしれないしね」(前嶋)

 

タイトルに王手をかけた#98 Modulo CIVIC TCRが、予選でまさかのクラッシュ

 今回、完走さえ果たせばST-TCRクラスの初代チャンピオンが決まる、#98 Modulo CIVIC TCRの黒澤琢弥/石川京侍/加藤寛規組にハプニングが発生する。Bドライバー予選に挑んだ石川が、2コーナーでクラッシュ。リヤからタイヤバリアにヒットしてしまったのだ。幸い、石川に大きな怪我はなく、マシンは修復される方向ながら、ちょっと気になる事態に。

 そんな中、ポールポジションを獲得したのは、伊藤真一/幸内秀憲/中野信治組の#97 Modulo CIVIC TCR。伊藤が1分39秒199で、幸内が39秒015で、ともにトップタイムをマークしていたから文句なし。2番手には田ヶ原章蔵/白坂卓也/竹田直人組の#45 LIQUI MOLY RS3 LMSがつけることとなった。

「セッティングを昨日とはガラッと変えて臨んだんですが、それが良かったみたいです。昨日ようり1秒近く上がったのは、チームが頑張ってくれたおかげです。予選で今までうまく乗れたことがなかったので、今回は及第点(笑)。98号車が残念ですが、決勝は一緒に走れて、ワンツー決めたいと思います」(伊藤)

「けっこうアンダーステアで、入った時は具合悪いなと思ったので、ちょっと変更して。たまたまチームメイトですけど、赤旗が出てくれたせいで、間に合わないと言われたんですがやってもらって、決勝のために。このコースでポール獲れたのは大きいけど、(Cドライバーセッションで)中野さんがいきなり僕のタイム抜いて、感じ悪いわぁ(笑)。ジモティを立ててほしいなぁ!」(幸内)

 

一矢報いられるか、新菱オート☆DIXCEL EVOXがST-3クラスのポールに

 すでにST-3クラスのチャンピオンを決めている、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至組。今回も勝って、有終の美を飾りたいところだ。Aドライバーセッションでは大澤が1分39秒668をマークしてトップに立つも、Bドライバーセッションでは後藤が39秒944で2番手に。そんなふたりの前に立ちはだかったのが、#6 新菱オート☆DIXCEL EVO Xの冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組だった。

 冨桝は1分40秒564で大澤に対してとった遅れを、菊地が39秒032をマークしてカバー。その結果、合算タイムではコンマ1秒の超僅差で逆転を果たしたのである。ポールポジションは、これが今季2回目となる。

「もうちょっと本当は行きたかったんですが。自分の行きミスと行かなかったミスの両方があって。さっきまでどっちがトップか分からなくて、ドキドキしていたんですけど、まぁ良かった。もうチャンピオンは決まっているクラスだから、ここで思う存分暴れます!」(冨桝)

「コンマ1秒もありませんでしたから、パッと見は負けているだろうと、みんなで沈んでいたんですが、ちゃんと計算したら(笑)。今回クルマ的には良くて、このぐらいのタイムは想定できたんですが、38秒台とか出したかったですね、本当は。でも他に比べれば上出来で、久々にポーツが取れたので、明日は大事に行きたいですね。でも、良かったです、素直に」(菊地)

 

(はた☆なおゆき)

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