《プレビュー》ピレリスーパー耐久シリーズ2018 開幕戦 SUZUKA S耐 “春の陣”

March 27, 2018

ピレリスーパー耐久シリーズ2018 開幕戦 SUZUKA S耐 “春の陣” プレビュー
10年ぶりに鈴鹿で幕を開けるスーパー耐久。

これまで3レース制や、セカンドチャンス100による敗者復活戦など、さまざまな提案をしてきた鈴鹿サーキットのスーパー耐久ながら、今年は原点に立ち返って予選〜決勝レースという流れの全車混走のレースとなり、また昨年より1時間増となる5時間で争われる。
そして、また鈴鹿サーキットが開幕戦の舞台となるのは2008年以来と、実に10年ぶりのこととなる。
果たして、どんなドラマが待ち構えているのだろうか。

 

 

コントロールタイヤの変更が、戦況にも変化をもたらす!?

今年のスーパー耐久における最大の特徴は、コントロールタイヤがピレリから供給されることになったことだ。
ロングライフを何よりもの自慢とされ、また従来のコントロールタイヤとは特性にも違いがあるというのが、エントラントからの声でもある。
当然、ドライビングやセッティングにも変更を求められるわけだが、その最適値をいかに早くつかむか、これが今年いちばんのポイントではないか。
今年もシリーズは全6戦で争われ、もちろん全戦のポイントが有効。
ということは1戦も落とすことは許されず、なおかつ開幕戦での大量得点は、より有利にシリーズを戦えるということでもある。
その意味においては、さっそく天下分け目の戦いとなるわけだ。
なお、今年も実施されるウエイトハンディ制度だが、開幕直前になってST-TCRクラス、ST-2クラス、ST-3クラス、そしてST-Zクラスに関しては、当初1位から3位まで、それぞれ20kg、10kg、5kgとされていたが、25kg、15kg、10kgに改められることとなった。

 

 

ST-Xクラスの台風の目となるか、一気に3台エントリーとなったアウディ

さて、クラスごとに予想をしてみよう。
昨年、特に予選において圧倒的な速さを示し、中盤以降は強さも見せつけたチャンピオンチーム、ARN Racingが新たな活動の場を求め、アジアへと羽ばたいていったST-Xクラスは、まさに王者不在の戦いに。
この開幕戦には3台のニッサンGT-Rニスモ、3台のアウディR8 LMSウルトラ、さらにメルセデスAMG GT3、ポルシェ911 GT3R、レクサスRC F GT3が1台ずつ出場する。
この中で、まず注目せずにはいられないのは、シリーズ初登場のRC F GT3だろう。
3月上旬に行われた富士スピードウェイの公式テストでは、やや苦戦を強いられていたが、カーボン地むき出しのままのボディは、いかにもシェイクダウンから間もなくの感を強調した。
しかし、それから約1か月、さまざまな合わせ込みも済んで、かなりセッティングも進んだはず。

いよいよ本領発揮となるのではないか。
AドライバーのGO MAXを支える田中哲也と佐藤公哉は、スーパー耐久の経験豊富とあって、実に頼もしき存在だ。
メンテナンスも土屋武士率いる、つちやエンジニアリングが担当することもあり、#244 MAX Racing RC Fがいきなり表彰台に立つ可能性も十分あり、と予想する。

一方、#3 ENDLESS GT-R、#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R、#99 Y’s distraction GTNET GT-R、GT-Rを走らせる3チームにはすべてチャンピオン獲得経験があり、その意味において今年は揃って王座奪還が至上命令になる。
GT-Rは今年アップデートされたが、シリーズを戦う3台はいずれも2015モデルのままで、その意味では目新しさはない。
が、その分、熟成され尽くした強みを持つのは事実で、間違いなくハイレベルな戦いを繰り広げてくれそう。
富士の公式テストでトップタイムを記したのは、#24 GT-R。
内田優大と藤井誠暢、平峰一貴のトリオは3年目。
今年も絶妙のチームワークを見せてくれるはずだ。
ポルシェで孤軍奮闘は、#777 D’station Porscheの星野敏/荒聖治/近藤翼組。
エアロを中心にアップデートされたマシンは、間違いなく昨年より戦闘力を高めているはず。
しかも、昨年の最終戦を制しているという勢いが保たれて入れば、きっとトップ争いを演じてくれるに違いない。
また、当初2台のエントリーとされたアウディ勢は、J-Fly RacingとPhoenix Racing Asiaのジョイントで、もう1台追加されることに。
その#81 J-Fly Racing R8はジェフリー・リーとアンドレ・クート、さらに川端伸太朗のトリオで挑むことが決定。
鈴鹿にはマッチしていると予想されるアウディながら、アジア人ドライバーたちがコースを熟知していないことがハンディとなる可能性はあったが、クートと川端にはその心配は無用、一躍台風の目として名乗り上げた。

 

シビックTCR、2年連続でデビューウィンなるか?

昨年から設けられたST-TCRクラスには、7台が参加。
やはり鍵を握るのは、新型シビックの戦闘力だろう。
#97 Modulo CIVIC TCRを駆るのは植松忠雄/中野信治/大津弘樹/小林崇志組で、#98 FLORAL CIVIC TCRを駆るのは飯田太陽/加藤寛規/濱口弘組。
十分にテストもできぬままのデビューになりそうだが、昨年も同じような状況にあったにも関わらず、いきなり勝っているのだから、ドライバーはそう不安を抱いていないだろう。
一方、3台が挑むこととなったアウディRS3 LMS勢は、1台が新規参入で、もう1台がラインアップ大幅刷新であるのに対し、#45 プリズマ☆イリヤ RS3 LMSは、竹田直人/白坂卓也/田ヶ原章蔵で不動の体制。昨年は4回の予選トップがありながら、優勝には恵まれなかっただけに、渇望感はより高まっているはず、いよいよ勝利の美酒を味わえるか注目したい。
富士の公式テストでトップタイムを記したのは、HIROBON、YOSSY、篠原拓朗、そして奧村浩一を擁する#19 BRP★Audi Mie RS3 LMS。
ナイトセッションにも関わらず好タイムをマークしたHIROBONは、昨年のFIT 1.5チャレンジカップの鈴鹿シリーズチャンピオンで、2011年に佐々木孝太らとともにST-3クラスを制した経験を持つ。
初の本格レーシングカードライブとなるが、力強い戦力になるはずだ。

ST-1クラスでは、おそらく今年最初で最後のバトルが繰り広げられる。
本来ならば、星野辰也/織戸学/浜健二組の#47 D’station Porsche cupの孤軍奮闘となるはずが、年間エントリーではST-Xクラスの登録になっている、JACK/影山正美/富田竜一郎組の#31 Nissoku Porsche 911 GT3 Cupもリストに加えられているからだ。
FIA-GT3の911 GT3Rの到着が遅れていると思われ、いずれST-Xクラスに移行するのだろうが…。
ともにジェントルマンドライバーの育成を目的に参加しているだけに、そう激しくはなるまいが、あえて意地を張らないバトルが、どう展開されるか気になるところだ。

 

 

ST-2クラスはチャンピオンチームに、さらなる戦力強化が

RSオガワの活動休止が惜しまれるST-2クラスだが、ここでの最大の話題は6連覇を目論む、#59 DAMD MOTUL ED WRX STIの大澤学/後藤比東至組が強力な助っ人を加えたことだ。
そのひとり、井口卓人には説明は無用だろう。
初のAWDドライブにも、併せて新たに挑むニュルブルクリンク24時間にも結びつくと姿勢は前向き。
もうひとりの石坂瑞基はFIA-F4にも出場中のドライバーで、ハコでも昨年はN-ONEオーナーズカップで優勝経験を持つ。
しかも、公式テストではトップタイムを記しており、いきなり戦力となっていた。
その対抗馬である、#6 新菱オート☆DIXCELエボXは冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組で不動の体制ながら、チームメイトの#7 GLocal☆新菱オートEVO Xはドライバー総入れ替え。
八巻渉、朝日ターボ、岡崎善衛、廣田築は全員フォーミュラ出身、新天地でどれだけ適性を見せるか注目したい。

さらにFFがST-2クラスでの参戦と改められたため、ST-3クラスから移行してきたのが、#17 DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-Dの谷川達也/野上達也/野上敏彦組だ。
WRXやランサー勢に一発の速さでは敵うべくもないだろうが、決勝でのコンスタントラップには定評があり、なおかつ信頼性で勝る可能性も。
いきなり5時間の長丁場に可能性を大いに秘めそうだ。

 

ランキング上位陣に体制変更多し、果たしてその影響は?

FRのみの戦いとなった、ST-3クラスは8台での戦いに。
連覇を目指す#39 ADVICS TRACY RC350 TWSの手塚祐弥と前嶋秀司は、新たにRSオガワから移籍の下垣和也と近藤説秀を迎え入れた。
そして最終戦でまさかのラストシーンがあった、#62 DENSO Le Beausset RC350は中山雄一に代えて、宮田莉朋を起用。
嵯峨宏紀と山下健太の新パートナーは、FIA-F4で2連覇の新進気鋭、今年はF3、GT300にも出場し、多忙を極めることとなるドライバーだ。
また、王座奪還を目指す#38 muta Racing ADVICS IS350 TWSの堀田誠、阪口良平はCドライバーに新田守男を起用した。
それぞれの変化が、どう影響をもたらすか気になるところだ。

シーズンを追うごと戦闘力を高めている、服部尚貴/脇阪薫一/平沼貴之組の#68 埼玉トヨペットGreen Brave GR SPORTマークXは、逆に不動の体制。
今年は初優勝の期待がかかる。
一方、再びRC350での参戦となった、#34 TECHNO FIRSTは加納政樹、松原玲史、そして昨年のスーパーFJ富士、菅生二冠王の大草りきを起用しての参戦となる。

そして長年、Z34を走らせてきたOKABE JIDOSHA motorsportは2台体制に改めての参戦に。
#14 岡部自動車MBFネットワークスT-MAN Z34を託すのは甲野将哉、市森友明、大原学、山崎学で、#15岡部自動車T-MAN Z34をチーム代表でもある長島正明とともに操るのは小松一臣、藤原誠、檜井保孝の3人。
しかし、開幕戦は藤原、檜井ともに欠場のため、ピンチヒッターとして坂本祐也とスーパーFJ岡山シリーズを戦う村松日向子が起用されている。
なお、このクラスにはもう1台、Z33が加わることとなった。

ST-4クラスに挑む12台のうち、ヴィッツターボとNCロードスター、インテグラが1台ずつ。
残すはすべて86となった。
最も注目すべきは、昨年は落としたのが開幕戦だけで、怒涛の5連勝でチャンピオンに輝いた、#86 TOM’S SPIRIT 86にST-3クラスから移行の中山が加わり、松井孝允と坪井翔の新たなパートナーとなったことだ。
この変化が果たして、どんな変化をもたらすか。

 

FRとFFが混在するST-4クラスとST-5クラスに、タイヤ変更の影響は?

 

一方、その#86 TOM’S SPIRIT 86に唯一土をつけた佐々木雅弘は、片岡龍也が監督を務める#29 T’S CONCEPT 86をドライブすることとなり、スーパー耐久では86初搭乗に。
対して、三つ巴の戦いを演じた#13 ENDLESS 86はDドライバーに呉良亮を加えたものの、小河諒と高橋翼、花里祐弥の組み合わせは変わらず。

このクラスのダークホースは、#58 ウインマックステインワコーズDC5☆KRPの小林康一/塩谷烈州/伊藤裕士/瀬戸貴臣組で、今年から採用されたピレリタイヤのマッチングが最高とも。
公式テストでもトップタイムを記しており、逆襲の期待もかかる。

昨年はロードスター勢が猛威を振るったST-5クラスだが、公式テストでは柴谷純三/太田侑弥/伊藤俊哉/見並秀文組の#4 THE BRIDE FITが最速で、戦力図にも変化ありとの予想が。
大幅に体制を改めた、#69 J’S RACING MOTY’S制動屋FITの梅本淳一/藺牟田政治/Razat Ifwat/妹尾智充組ともども逆襲を誓う。
一方、連覇を狙う#88 村上モータースMAZDAロードスターは、現時点で登録されているのが村上博幸だけなのが気になるところではある。

一方、長丁場のレースに強さを発揮する、#37 DXLワコーズNOPROデミオSKY-Dは今年、関豊/井尻薫/大谷飛雄組での参戦に。
今回も「気がつけば…」の展開となることが予想される。

(はた☆なおゆき)

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