スーパー耐久シリーズ

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第5戦 もてぎ大会の振り返り / 第6戦 岡山大会のプレビューレポート

2022.10.11

ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookも残すところ2戦。9月3日(土)〜4日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された第5戦から、約1ヶ月強のインターバルとなる10月15日(土)~16日(日)のスケジュールで迎えるシーズン第6戦の舞台は、岡山県の岡山国際サーキットだ。1周3.703kmと短めのコース距離で、第3戦SUGO以来となる2グループに分かれてそれぞれ3時間レースが争われるスタイルとなる。

スーパー耐久シリーズでは最終戦の舞台になることも多いサーキットだが、今季は最終戦に第7戦鈴鹿を残している。とはいえチャンピオン争いも佳境を迎えることもあり、この第6戦で多くのポイントを獲得してタイトル争いに残りたいところ。そういった意味でも、終盤戦における重要な山場となる一戦になりそうだ。そんな一戦に向けては、7クラス53台がエントリーしている。

ST-X

FIA-GT3規定車両で争われるST-Xクラスは、第6戦もてぎには7台がエントリーした。ポールポジションを奪ったのは#16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rだったが、スタート直後から抜群のスピードをみせた#23 TKRI松永建設AMG GT3が大きなリードを築いていった。一方で、#16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rは序盤の競り合いのなかでサイドミラーが脱落し、緊急ピットインを強いられた。

序盤から#23 TKRI松永建設AMG GT3がリード、これに#777 D'station Vantage GT3が続いていくが、#777 D'station Vantage GT3は足回りのダメージを負い後退。さらに終盤まで大量のマージンを築いていた#23 TKRI松永建設AMG GT3だったが、ST-Zクラスの車両と交錯し、最終コーナーでグラベルストップを喫してしまった。

そんな混戦のなかをくぐり抜けて優勝を飾ったのは#888 Grid Motorsport AMG GT3。#81 DAISHIN GT3 GT-Rが追い上げをみせ2位に食い込み、#16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rが3位となった。

この第5戦の結果を経て、#888 Grid Motorsport AMG GT3が106.50ポイントでランキング首位となったが、第6戦で4位となった#62 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が106ポイントで僅差の2位につけている。3位は#81 DAISHIN GT3 GT-Rが91.50ポイントとなっており、この3台がチャンピオン争いの中心にいる。

迎える第6戦岡山だが、これまでチームとしても、また車種としても相性が良いのが#777 D'station Vantage GT3。トラブルやアクシデントがなければ、他シリーズの結果を含めなんと“完走すれば優勝"というほどだ。

とはいえ2021年に優勝を飾った#16 ポルシェセンター岡崎 911 GT3R、岡山では毎年のように表彰台を得ている#81 DAISHIN GT3 GT-Rもトップ争いに絡んでくるはずだ。また、前戦逃した優勝を目指す#23 TKRI松永建設AMG GT3も注目の存在と言えるだろう。ふだんより短い3時間レースだけに、迫力ある展開が楽しめるはずだ。

ST-Z

FIA-GT4車両で争われるST-Zは、第5戦もてぎには8台がエントリーした。序盤から#310 GRGarage水戸インター GR SUPRA GT4や#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4、さらに#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RSを交えたトップ争いが展開されてきたが、#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RSはミッショントラブル、#310 GRGarage水戸インター GR SUPRA GT4はエアコンのトラブルに見舞われてしまう。

そんななか、トップ争いは#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4、そして#34 テクノ・SUN'S・モノコレ G55の争いとなっていくが、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4は最後の義務ピットストップをフルコースイエロー中に行ってしまったため、#34 テクノ・SUN'S・モノコレ G55が嬉しい優勝。2位は#500 5ZIGEN AMG GT4、3位に#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4という結果となった。

第6戦岡山では、#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RSが残念ながらAドライバーのKIZUNAの社業のため欠場となってしまったが、#505 RED SEED Audi R8 LMS GT4が復帰する。一方、#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS GT4はアウディジャパンとのドライビングエクスペリエンスのプログラムのため、#33 Audi R8 LMS GT4としてドライバーラインアップも変更して挑む。

さらに、嬉しいニュースとして第5戦もてぎ限りでの活動終了が発表されていたCSIRacingが、ドライバーはそのままにチーム名、車名を新たにエントリーした。今後詳細を楽しみにしたいところだろう。

迎える第6戦岡山だが、シーズンによって戦力図が変わっている印象があるものの、2021年はCSIRacingがGR SUPRA GT4の初優勝を成し遂げた一戦だった。チャンピオン争いを考えると、首位を走る#500 5ZIGEN AMG GT4が優位に進めており、2位の#310 HIRIX★EIKO GT4、3位の#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4、4位の#19 BRP★SUNRISE-Blvd718GT4MRの結果によっては第6戦での#500 5ZIGEN AMG GT4によるチャンピオン決定の可能性も大いにある。第6戦最大の注目点だろう。

ST-Q

スーパー耐久機構が認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは、前戦同様6台が第6戦岡山に登場する。第5戦では、#3 ENDLESS AMG GT4がブレーキに厳しいもてぎできっちりとレースを戦い抜く一方、#244 Nissan Z Racing Conceptは初のもてぎで逆にブレーキに不安を抱える結果となった。そんな#244 Nissan Z Racing Conceptだが、9月28日には日産自動車/NMCから、日産Z GT4が発表された。これまでのスーパー耐久を通じた開発が繋がったかたちだ。両車は今回、グループ1のレースに出走する。

一方、グループ2を戦う4台は、水素エンジンを使う#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptは第5戦まででかなり成熟の度合いが増しており、トラブルもかなり少なくなっている。またバイオディーゼル燃料を使う#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptにとっては、この岡山は初めての“2回目"のコース。なお第7戦鈴鹿には、新型マシンの登場も噂されており、MAZDA 2としては最後のレースになる可能性もある。

そして、カーボンニュートラル燃料を使う#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept、#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの2台だが、もてぎでは#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptが劇的にパフォーマンスをアップした。今回は大嶋和也をのぞく3名での参戦だが、#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptもさらに新たな開発が加えられるはずで、#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptも負けずに改善を進めてくるはずだ。

ST-2

第5戦もてぎでは7台がエントリーしたST-2クラス。序盤は#6 新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10がリードしたが、トップ争いは#13ENDLESS GRヤリス、そしてここまで全勝でシーズンを送っていた#225 KTMS GR YARISの2台に絞られていった。

しかし#225 KTMS GR YARISは終盤燃料系のトラブルが起き、コースサイドに一時ストップ。なんとかピットに戻り再走を果たしたものの、3位でフィニッシュ。今季の連勝がついにストップした。優勝は#13 ENDLESS GRヤリスで、GRヤリスでのST-2挑戦後初勝利を飾った。2位は#6 新菱オート☆夢住まい館☆DXL☆EVO10となった。

この結果で第6戦岡山は#225 KTMS GR YARISが123ポイント、#13ENDLESS GRヤリスは110ポイントという点差で挑む。2021年のレースは、チェッカーフラッグまで2台が超僅差のバトルを展開した。今年もその再現が観られるのかもしれない。

ST-3

第5戦もてぎは開催がなかったST-3クラス。第4戦オートポリスでは、変わりゆく天候のなかで#311 Team Fukushima Z34と#52 埼玉トヨペット GB クラウン RSがトップ争いを展開したが、#311 Team Fukushima Z34はトラブルに見舞われ後退。#52 埼玉トヨペット GB クラウン RSが優勝を飾り、ランキングでもトップに躍り出た。

迎える第6戦も6台の争いとなるが、ランキング首位の#52 埼玉トヨペット GB クラウン RSが119ポイントを積み重ねる一方、第4戦で2位だった#39 エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSが102ポイントでランキングでも2位となっている。一方3位の#311 Team Fukushima Z34は終盤の2連勝が逆転には欠かせない状況だ。

2021年は#52 埼玉トヨペット GB クラウン RSが優勝したレース。とはいえ上位陣は変わらず僅差だった。第3戦SUGOでもレースを沸かせたようなトップ争いが今回も展開されるかもしれない。

ST-4

第2戦富士でデビューを飾ったトヨタGR86勢では、#86 TOM'S SPIRIT GR86が第4戦オートポリスまで土つかずの3連勝を飾っていたが、第5戦もてぎでは長丁場のレースのなか、#86 TOM'S SPIRIT GR86の河野駿佑の病欠というアクシデントがあったとはいえ、ついに#884 シェイドレーシング GR86が優勝を飾り、連勝ストップを果たしてみせた。

迎える第6戦岡山は、第5戦でデビューした#60 全薬工業withTEAM G/MOTION' GR86を含めた4台のエントリーだが、全車がトヨタGR86のエントリーとなった。ある意味、ST-4クラスの歴史の転換点とも言えるレースとなりそうだ。#86 TOM'S SPIRIT GR86と#884 シェイドレーシング GR86のポイント差は19点差。これまでチームとして岡山で2年連続優勝を飾っている#884 シェイドレーシング GR86が今季も優勝することがあれば、タイトル争いは最終戦まで分からなくなる。

ST-5

激戦区のST-5クラスは、第5戦もてぎから#12 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERを加え、よりコンペティションが激化しているが、第6戦岡山も15台が参戦し、激しい戦いが予想される。第5戦では#4 THE BRIDE FITが優勝を飾り、これでランキング首位の#17 DXLアラゴスタNOPROデミオからランキング4位に浮上した#4 THE BRIDE FITまでわずか6ポイント差にひしめいている。もちろんランキング5位の#66 odula TONE MOTULロードスターもまだチャンピオン争いの射程圏内だ。

迎える第6戦岡山だが、これまで3年連続でOVER DRIVEが走らせるマツダ・ロードスターが優勝を飾っている得意コース。今季も連勝を伸ばすと、ますますチャンピオン争いは混沌としてきそうだ。もちろんホンダ・フィット勢やマツダ2/デミオ勢も決して苦手なコースというわけではない。第7戦を前にした重要なレースになるのは間違いないだろう。

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