スーパー耐久シリーズ

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ニュース: 2023.5.24

第1戦 鈴鹿大会の振り返り / 第2戦 富士24時間大会のプレビューレポート

3月18日(土)〜19日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで開幕したENEOSスーパー耐久シリーズ。今季の第2戦として、いよいよ5月26日(金)〜28日(日)、シリーズ唯一の24時間レースである第2戦NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースを迎える。今シーズンのENEOS スーパー耐久シリーズは第2戦までの間に多くの動きもあったが、各クラスの第1戦を振り返りつつ、第2戦を展望しよう。

 

まず前提として覚えておきたいのは、タイヤについてだ。ENEOS スーパー耐久シリーズはこれまで、ハンコックがコントロールタイヤサプライヤーとしてシリーズを支えてきたが、3月に韓国にあるハンコック大田工場で大規模な火災が発生。ENEOS スーパー耐久シリーズへのタイヤ供給継続が困難になってしまった。

シリーズの継続も危ぶまれるなか、2024年からのコントロールタイヤサプライヤーに決定したブリヂストンが、シリーズ存続のために緊急対応を行ってくれた。第2戦NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースでは、ST-X、Z、Q、ST1〜3についてはブリヂストンがスリックタイヤを供給。ハンコックがウエットタイヤを供給する。また、ST-4、ST-5クラスでは、スリックタイヤ供給が始まるまではブリヂストンの市販タイヤが使用されることになった。

 

ST-X

FIA-GT3規定車両で争われるST-Xクラスは、第1戦鈴鹿には7台がエントリーした。2022年とは異なる新たなチームも参戦し話題も多い開幕戦となったが、今季からST-Xクラスに活動の場を移した#500 5ZIGEN GTR GT3がHIROBONと川端伸太朗のタイムアタックでポールポジションを獲得。また同様に今季からST-Xに挑戦を開始した#14 中升 ROOKIE AMG GT3が2番手につけてみせた。
3月19日(日)の決勝レースでは、#500 5ZIGEN GTR GT3がポールポジションから安定したレースをみせ、TEAM 5ZIGENとしてひさびさのトップクラスでの優勝を飾ってみせた。一方、#14 中升 ROOKIE AMG GT3は非常に小さなパーツのトラブルにより後退。2位はスタートでDAISUKEが粘りの戦いをみせ、中盤以降元嶋佑弥と中山友貴が追い上げた#23 TKRI 松永建設 AMG GT3が入り、昨年に続き鈴鹿で表彰台を獲得。3位は#31 DENSO LEXUS RC F GT3となった。
迎える第2戦NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースは、第1戦ウイナーの#500 5ZIGEN GTR GT3、2位の#23 TKRI 松永建設 AMG GT3は欠場となるが、5台が参戦する。このレースで3回の優勝経験をもつ藤波清斗を擁する#819 DAISHIN MPRacing GT-R GT3、昨年のウイナーで、新たにヤン・マーデンボローをゲストドライバーとして招聘した#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3は優勝候補と言える。
一方、開幕戦では悔しい結果となった#14 中升 ROOKIE AMG GT3はチームの地元で必勝体制を敷く。さらにこちらも強力なドライバーを揃えた#31 DENSO LEXUS RC F GT3、#202 KCMG NSX GT3も優勝を狙っている。長い24時間レースで、誰が勝つかはまったく予想がつかない。いずれにしろ、勝敗を握るのは安定したスピードと大きなトラブルを発生させないことだろう。

ST-Z

今季最も激戦が予想されているST-Zクラスは、第1戦鈴鹿には11台が参戦した。今シーズンは2台の日産Z GT4の参戦開始により賑わいをみせているが、第1戦でポールポジションを獲得したのは、今季ST-3から活動の場を移した#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4。#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4が2番手につけ、GR Supra勢がワン・ツーを占めた。

決勝レースでは、序盤からプロドライバーたちによる白熱の戦いが展開され大いにファンを魅了したが、スピードはもちろん、戦略をうまく進めることに成功した#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4がポール・トゥ・ウイン。2位は#26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4が食い込み、日産Z GT4の初表彰台を獲得した。#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4は3位でレースを終えた。

迎える第2戦は10台が参加することになるが、多くのチームが豪華なゲストドライバーを起用する。第1戦ウイナーの#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4は野中誠太、2位の#26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4は柳田真孝を起用。また3位の#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4はベテランの新田守男と、ふだんはST-Xで戦う中山友貴を起用する。

さらに、#75 Team Noah GR Supra GT4にはST-Xの開幕ウイナーのひとりである金丸ユウ、#34 SUN'S TECHNO AudiR8LMS GT4は牧野任祐と影山正美を起用。さらに昨年富士SUPER TEC 24時間レースの半分以上をリードした#22 Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RS CSは、本山哲とジュリアーノ・アレジという大物を招聘した。

そして大きな話題とも言えるのが、#20 ナニワ電装TEAM IMPUL Z。石川京侍の起用に加え、なんとTOYOTA GAZOO Racig Europe副会長の中嶋一貴を起用することになった。同チームが開幕から“カズキ"の名をもつドライバーが多いから実現したものだが、非常に楽しみなのは間違いないだろう。

ST-Q

スーパー耐久機構が認めた開発車が参戦することができるST-Qクラスは、第1戦鈴鹿では4台が参戦した。今シーズンもカーボンニュートラル燃料を使う#28 ORC ROOKIE GR86 CNF concept、#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptの戦いは継続。さらに細かな改良を加えてきたバイオディーゼル燃料を使用する#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptが今季も参戦する。

一方で、世界で見ても挑戦的な試みとも言える液体水素を使用した#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptだが、第1戦鈴鹿を前にしたテスト走行で発生したトラブルの影響で、第1戦は参戦を見送り。代わってORC ROOKIE GR YARISを投入。ふだんはできない開発を行った。

第2戦に向けては、#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptの準備を再度整え参戦が決定。いよいよ液体水素を使用した世界初のレーシングカーの参戦が実現する。なお、やはり実験的な要素も多いようで、このあたりはレースウイークに説明がされるはず。この説明を把握してからレースを観戦したいところだろう。また今季も富士SUPER TEC 24時間レースでは、TOYOTA GAZOO Racing ワールドラリーチーム代表のヤリ-マティ・ラトバラがドライバーとして加わる。

そして今回の富士SUPER TEC 24時間レースには、Team HRCから#271 CIVIC TYPE R CNF-R、NISMOから#230 Nissan Z Racing Conceptが参戦する。どちらもカーボンニュートラルフューエルを使用する車両であるほか、それぞれの車両開発も担っている。

また、これまでST-Qクラスに参戦する各自動車メーカーの間で、クルマの明るい未来に向けた意見交換を行う『S耐ワイガヤクラブ』というものが行われてきたが、この第2戦から“共挑"というスローガンを掲げ公式にスタートすることになった。

ST-1

ST-1クラスは、2023年は#2 シンティアム アップル KTMと、#47 D'station Vantage GT8Rという2022年もしのぎを削った2台によるシーズンを迎えた。第1戦鈴鹿では、専有走行から#2 シンティアム アップル KTMが速さでリード。決勝レース序盤こそ#47 D'station Vantage GT8Rがリードを奪ったが、レース中盤に至るまでの間に#2 シンティアム アップル KTMが地力のスピードで首位を奪還していた。

しかし、レース後半に#2 シンティアム アップル KTMはまさかのエンジントラブルが発生し、車両を止めてしまう。これで#47 D'station Vantage GT8Rが第1戦を制することになった。迎える第2戦もレースは2台の争いだが、#2 シンティアム アップル KTMは小林崇志、#47 D'station Vantage GT8RはWEC世界耐久選手権に参戦するキャスパー・スティーブンソンを招聘。楽しみな戦いが展開されることになりそうだ。

ST-2

2023年はシンリョウレーシングチームの2台の三菱ランサー・エボリューション、ENDLESS SPORTS、そして2022年チャンピオンのKTMS KOBETOYOPET MOTOR SPORTSが走らせるトヨタGR YARIS、そして昨年途中から登場したHonda R&D Challengeのシビック・タイプRが争うST-2クラス。第1戦鈴鹿では、昨年同様ランサーが予選で速さをみせてきた。

2022年までと様相が異なるのが、#225 KTMS GR YARIS、#13 ENDLESS GR YARISにはAドライバー規定によるハンデがあることだ。第1戦では、これを跳ね返すべくトップに立っていた#743 Honda R&D Challenge FL5を2台が追っていたが、#225 KTMS GR YARISはトラブルで遅れ、#743 Honda R&D Challenge FL5が嬉しい初優勝。ゲストドライバーとして迎えていた武藤英紀の周回数が少ない中での優勝で、ポテンシャルの高さを見せつけたかたちとなった。

迎える第2戦は、#743 Honda R&D Challenge FL5にとっては初の24時間レース。昨年24時間を制した#225 KTMS GR YARISとどんな戦いを展開するか。もちろんこのクラスは激戦区で、他の3台にも優勝のチャンスがある。見逃せないクラスだ。

ST-3

2023年はOKABEJIDOSHA motorsportから2台、TEAM ZEROONEの1台と合計3台の日産フェアレディZ、TRACYSPORTS with DELTAの2台のレクサスRC350が集ったST-3クラス。このクラスはST-4とともにスーパー耐久らしさが色濃いクラスであり、毎戦のように僅差の争いが展開されている。

第1戦鈴鹿も同様に僅差の戦いとなったが、同一周回の争いを制したのは#15 岡部自動車Z34。#39 エアバスター WINMAX RC350 TWSを下しての優勝となった。第2戦に向けても、5台すべてにチャンスがあると言っていいだろう。

優勝候補のひとつとも言えるのは、充実のドライバーラインアップを揃えた#25 raffinee 日産メカニックチャレンジ Z。松田次生がST-Qクラスに参加することから不在だが、強力な助っ人として荒聖治を招いた。ただ、トラブルが多いのが気になるところでもある。

ST-4

2023年に大きく台数が増えたのがST-4クラス。こちらもスーパー耐久らしさが色濃いカテゴリーで、2023年から導入されたAドライバー規定により、どのチームが勝つかより見ごたえがあるクラスとなっている。

8台が参戦した第1戦鈴鹿は、2022年途中から参戦した#60 TEAM G/MOTION'GR86が嬉しい優勝を飾ったが、第2戦に向けてピストン西沢が加わるなど、さらに戦力を増強した。もちろん他チームも同様で、魅力あるドライバーラインアップが揃っている。

地力があるのは2022年チャンピオンの#86 TOM'S SPIRIT GR86、タイトルを争った#884 シェイドレーシング GR86、さらに強力ドライバーラインアップの#3 ENDLESS GR86といったところだが、レースは長い24時間。勝敗は予想がつかない。

なお今回、ブリヂストンの市販タイヤを使用するクラスのひとつだが、テストの段階ではレースに悪影響を及ぼしそうなフィードバックは聞かれなかった。安心してレース展開を楽しむことができるはずだ。

ST-5

今季も12台が参加し、身近で豊富な車種バラエティとともに魅力的なレースが展開されているのがST-5クラス。第2戦富士も12台が参戦する。第1戦では、レース終盤の白熱したトップ争いのなかで、#72 OHLINS Roadster NATSが激しくクラッシュ。これが赤旗終了の原因にもなったが、幸いドライブしていた山野哲也は退院しており、第2戦にもエントリーしている。チームは短いインターバルのなか、努力を重ね車両を仕立てており、#72 OHLINS Roadster NATSに関しては24時間レースのスタートを切った段階でまず賞賛の拍手を贈って欲しい。

気になるレース展開については、最も予想がつきづらいクラスと言ってもいいのがST-5だ。近年はマツダ・ロードスター、マツダ・デミオが勝利を分け合っており、マツダ車有利のようにも感じられるが、決してホンダ・フィット勢も侮ることはできない。24時間が経ってみないと趨勢は分からないだろう。なお、こちらもブリヂストンの市販タイヤが使用されるクラスだ。

 

 

 

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