スーパー耐久シリーズ

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ニュース: 2023.11.10

第6戦 岡山大会の振り返り / 第7戦 富士大会のプレビューレポート

3月に三重県の鈴鹿サーキットで開幕した2023年のENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONEは、さまざまなドラマを経ていよいよ11月11日(土)〜12日(日)の2日間、静岡県の富士スピードウェイで今季最終戦となる第7戦『S耐ファイナル 富士4時間レースwith フジニックフェス』を迎える。

 

すでにST-Zクラスでは2023年のチャンピオンが決まっているが、それ以外のクラスではまだ決まっておらず、各クラスのチャンピオン争いにも注目が集まる週末となる。また、今回も富士スピードウェイがさまざまなイベントを予定しており、最終戦にふさわしい盛り上がりをみせる一戦となりそうだ。

 

そんな週末に向け10月21日(土)〜22日(日)に、岡山県の岡山国際サーキットで開催された第6戦『スーパー耐久レースin岡山』を振り返りつつ、第7戦を展望しよう。

 

ST-X

FIA-GT3規定車両で争われるST-Xクラスは、第6戦岡山に第1戦のウイナーである#500 5ZIGEN GTR GT3が参戦。1台増えた7台が参戦していた。#500 5ZIGEN GTR GT3はそのスピードを発揮し、予選2番手を獲得。ポールポジションを獲得した#14 中升 ROOKIE AMG GT3との争いに注目が集まった。

ただ、迎えた3時間の決勝レースでは、スタートで#500 5ZIGEN GTR GT3が発進できず。その後追い上げをみせたものの、ふたたびトラブルに見舞われてしまった。一方、#14 中升 ROOKIE AMG GT3は今季決勝でのペースに苦しんでいたものの、取り組んできた改良が実を結びポール・トゥ・ウイン。今季3勝目を飾り、ランキングでも124.00ポイントで首位を守り最終戦を迎えることになった。

迎える第7戦富士は、#500 5ZIGEN GTR GT3が参戦しないものの、代わって今季初めて#777 D'station Vantage GT3が登場することになった。2021年のチャンピオンカーではあるが、今回はふだんST-1クラスに参戦していた星野辰也/浜健二/ジェイク・パーソンズが近藤翼とともにドライブする。

最終戦では、ウエイトハンデが1/3となることから、首位の#14 中升 ROOKIE AMG GT3が60kg、102.50ポイントランキング2位の#1 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が30kgのハンデで臨む。98.00ポイントでランキング3位につけるのは、第2戦を欠場したものの全戦で表彰台を獲得している#23 TKRI 松永建設 AMG GT3だ。そしてランキング4位の#31 DENSO LEXUS RC F GT3までがタイトルの権利を残す。

第7戦で勝利飾るのはどのチームか、そして2023年チャンピオンを得るのはどのチームになるだろうか……!?

ST-Z

GT4車両を使って争われるST-Zクラスは、今季開幕3連勝を飾るなど、全戦で表彰台を逃さぬ戦いをみせてきた#52 埼玉トヨペット GB GR Supra GT4が第6戦岡山でも2位でフィニッシュし、圧倒的な成績で今季のチャンピオンを獲得。クラス移行初年度でのタイトル、そして昨年ST-3クラスで逃したチャンピオンをたぐり寄せた。

これでランキング2位争いが第7戦富士に向けて注目となっているが、第6戦岡山で今季初優勝を飾った#34 SUN'S TECHNO AudiR8LMS GT4が90.00ポイントでランキング3位へ。119.00ポイントを得ている#885 シェイドレーシング GR SUPRA GT4 EVOとの差を詰めている。

迎える第7戦富士は、第6戦を欠場した#26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ GT4が復帰することになり11台がエントリーしている。各チームともその差は僅差で、どのチームが勝つかはなかなか予想がつかない。また#75 Team Noah GR Supra GT4には、日本のレースの経験も多いタイの実力派ドライバーたちがエントリーしており、こちらも楽しみなところだ。

ST-TCR

第4戦から2台のHonda CIVIC Type-R TCRがエントリーしているST-TCRクラスは、レギュレーションにより各クラスにおいて少なくとも5大会がクラスの成立を必要とすることから、今季のチャンピオンはないが、第7戦富士にも#5 AI' CIVIC、#97 Racer HFDP CIVICの2台が参戦する。

第5戦もてぎでは#5 AI' CIVICが完走できなかったものの、第6戦岡山ではふたりのドライバーがそれぞれ乗り込み、2台がそろって完走。参戦開始から速さをみせている#97 Racer HFDP CIVICが3連勝を飾った。

第7戦富士でも2台がエントリーしているが、#5 AI' CIVICも一矢報いたいところ。また今季初登場となる富士スピードウェイという舞台で、2台が総合でもどの程度の速さをみせるか楽しみなところだろう。

ST-Q

STOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは、第6戦岡山は今季で最も少ない4台のエントリーとなったが、その数字をまったく感じさせない活躍が展開された。決勝日午後のグループ1に出走した#271 CIVIC TYPE R CNF-Rは軽量化などを遂げ、安定的な走りを披露した。

また決勝日午前に行われたグループ2のレースでは、#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptがついにトップチェッカー。さまざまな改良を施してきた#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptを上回る結果を残した。

また、これに続く結果を残したのが第4戦オートポリスから参戦した#12 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept。スピード、安定感ともにラウンドを経るごとに増しており、第6戦岡山では#61 Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptとの差はわずか1周だった。

迎える第7戦富士は、#28 ORC ROOKIE GR86 CNF conceptが復帰。第6戦岡山に参戦した3台とのバトルはここ2年間のCNF使用車両の戦いのなかでも最も注目と言える。そして、第4戦オートポリス以来の参戦となるのが#32 ORC ROOKIE GR Corolla H2 concept。水素で動くGRカローラがふたたび姿をみせることになる。

液体水素の使用を開始した第2戦、そして第4戦との間に大きな改良を遂げており、2戦をスキップした第7戦富士ではどんな進歩を遂げているのか期待が高まる。

ST-1

#2 シンティアム アップル KTM、#47 D'station Vantage GT8Rという2台で争われているST-1クラスは、第2戦富士以降#2 シンティアム アップル KTMが3連勝を遂げていたが、第6戦岡山では予選こそ#2 シンティアム アップル KTMが先行したものの、決勝レースでは#47 D'station Vantage GT8Rがスピードでも優位に立ち、作戦面でも最後のピットストップでタイヤ交換を減らすなど、今季2勝目を狙っていた。

しかし、レース終盤にパワステのトラブルに見舞われてしまい、#2 シンティアム アップル KTMが逆転優勝。今季4勝目を飾り、第7戦富士では完走すればチャンピオンを得られるところまできた。ただ一方で#47 D'station Vantage GT8Rは、最終戦に向けシリーズの盛り上げを目指すべく、ドライバーラインアップを変更してきた。

かつてスーパー耐久でチャンピオン争いを展開し、チューニングカー界でも高い知名度を誇る織戸学と谷口信輝がコンビを結成。織戸がAドライバー、谷口がBドライバーに登録されている。Aドライバーハンディキャップが課されることが予想されるが、いったいどんな戦いをみせるだろうか。


ST-2

ST-2クラスは第6戦岡山での開催が“お休み"で、第7戦富士が2戦ぶりのレースとなる。第5戦もてぎでは、今シーズンスピードはみせながらも度重なるトラブルで涙を呑んできた#225 KTMS GR YARISがついに優勝。今季初勝利を飾った。ただ、ランキングではチャンピオンの芽はなく、130.50ポイントを加えている#13 ENDLESS GR YARISが首位で、102.00ポイントの#743 Honda R&D Challenge FL5がランキング2位につける。最終戦はポイントが1.5倍となるため、まだ逆転のチャンスは残されている。

2戦ぶりのレースとなるが、スピードの面ではどの車種も甲乙つけがたく、誰が勝つかは予想ができない。#225 KTMS GR YARISが連勝を目指しタイトル争いの2台に影響を及ぼす可能性もある。最終戦まで見逃せない戦いが続くだろう。


ST-3

毎戦のように大激戦が展開されているST-3クラスは、第6戦岡山では#25 raffinee 日産メカニックチャレンジ Zが参戦を見送ったことから4台での争いとなったが、#38 ヒグチロジスティクスサービス RC350 TWSが#15 岡部自動車フェアレディZ34の追撃を振り切りポール・トゥ・ウイン。121.50ポイントを重ねランキング首位で最終戦を迎える。

とはいえ、ランキング上位はレースでの結果同様に僅差。2位の#15 岡部自動車フェアレディZ34(111.50ポイント)、3位の#39 エアバスター WINMAX RC350 TWS(102.50ポイント)、4位の#16 岡部自動車フェアレディZ34(98.00ポイント)まで数字上はタイトルの可能性がある。

第7戦富士には#25 raffinee 日産メカニックチャレンジ Zが復帰することになるが、5台による激しい戦いは全クラスを通じて最も激しいと言ってもいいかもしれない。今季総決算となるバトルを見逃すわけにはいかないだろう。


ST-4

激戦のST-4クラスは、第6戦岡山でも僅差の争いとなった。ポールポジションは#884 シェイドレーシング GR86がポールポジションを獲得するも、Aドライバーハンディキャップもあり予選3番手からスタートしていた#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが首位を奪うことに。終盤、追い上げをみせていた#86 TOM'S SPIRIT GR86がわずか1.728秒差まで迫ったものの、#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYが逃げ切り。第5戦もてぎに続く連勝を飾った。

迎える第7戦富士は第6戦同様8台が参戦することになるが、注目はやはりチャンピオン争い。第7戦の勝利で109.50ポイントを重ねランキングトップに立った#41 エアバスター WINMAX GR86 EXEDYがこのまま逃げ切るか、それとも開幕2連勝を飾り、95.00ポイントを獲得している#60 全薬工業 G/MOTION'GR86が逆転するか。

他クラス同様各車の差が非常に少ないクラスであり、今シーズンもずっと接戦が展開されてきた。最終戦も見逃せない戦いになるだろう。


ST-5

第5戦もてぎでは“お休み"だったST-5クラスは、第6戦岡山には12台が参戦。レース序盤からポールポジションを獲得した#88 村上モータースMAZDAロードスターを中心に、ロードスター勢による激しいバトルが展開されていった。

そんな争いをそのまま#88 村上モータースMAZDAロードスターが制し、今季2勝目。一方2位には#72 OHLINS Roadster NATSが食い込み、117.00ポイントに伸ばしランキング首位で最終戦を迎えることになる。

今シーズンは第1戦鈴鹿で激しいクラッシュを喫した#72 OHLINS Roadster NATSがチャンピオン獲得を成し遂げるのか、それとも僅差の104.50ポイントで2位につける#17 DIXCELアラゴスタNOPROデミオが逆転王者を奪うのか。今回もレースは激しい争いになりそうだが、どんな結末が訪れるだろうか。


 

 

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