7月25日(土)〜26日に大分県のオートポリスで行われたENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第5戦オートポリスから、シリーズは約3ヶ月のインターバルを経て、第6戦『スーパー耐久レースin岡山』を迎える。
今回は第4戦SUGO以来ひさびさの2レース制で、ST-X/ST-Z/ST-TCR/ST-1/ST-Qのグループ1と、ST-2/ST-3/ST-5F/ST-5R/ST-Qのグループ2というふたつに分かれて決勝レースが行われる。
各クラスの第4戦スポーツランドSUGO、第5戦オートポリスを振り返りつつ、第6戦『スーパー耐久レースin岡山』をプレビューしよう。

GT3カーで争われるST-Xクラスは、第5戦オートポリスには4台がエントリーした。ポールポジションを獲得したのは#31 DENSO LEXUS RC F GT3だったが、スタートから#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSがレースをリードしていった。ただ、Aドライバーがスタートを担当し、追い上げていった#23 TKRI松永建設AMG GT3が展開も味方につけてレース終盤、トップに立った。
#23 TKRI松永建設AMG GT3は大きなマージンを築いていたものの、チェッカーまで残り3分というタイミングでまさかのアクシデントが発生した。#23 TKRI松永建設AMG GT3はST-5Rクラスのトップだった#88 村上モータースMAZDAロードスターと接触。これにより30秒加算のペナルティが課されてしまった。これで優勝は逆転勝利となった#31 DENSO LEXUS RC F GT3に。2位は#101 Hitotsuyama Audi R8 LMS、3位は#23 TKRI松永建設AMG GT3となった。
迎える第6戦岡山には、#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSが参戦しないものの、#33 Craft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3、#81 DAISHIN GT-R GT3、#666 seven x seven PORSCHE GT3Rが第3戦富士24時間以来ひさびさにシリーズに復帰し、6台が参戦する。第5戦を終えて#23 TKRI松永建設AMG GT3が108.00ポイントでシリーズをリードしているが、第5戦を制した#31 DENSO LEXUS RC F GT3が91.00ポイントで、#666 seven x seven PORSCHE GT3Rが87.00ポイントで続いている。この第6戦の結果次第では、最終戦は緊迫のチャンピオン争いが展開されるかもしれない。
GT4カーで争われるST-Zクラスは、第5戦オートポリスでは開催がなかったことから、第4戦スポーツランドSUGO以来約3ヶ月半ぶりの開催となる。第4戦SUGOではグループ1の決勝レースの中で10台によって争われたが、#26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4が予選でポールポジションを獲得。レースも序盤からリードを築いた。
しかし、2番手からピタリとトップの#26 raffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4を追っていたのは、#52 埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2。レース中の1回目のフルコースイエロー(FCY)解除後にトップに立つと、シーズン3勝目を飾った。
迎える第6戦岡山は11台がエントリーした。第2戦鈴鹿以来の登場となる中国チームの#315 Prime Racing Supra GT4 EVOがどんな戦いをみせてくれるかも注目だ。また、ランキング首位の#52 埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2はランキング2位の#885 シェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2に対して34.5ポイントものリードを築いており、この第6戦岡山でのチャンピオン決定の可能性もある。
もちろん#885 シェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2をはじめ、2台のraffinee日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4などライバルたちもそうやすやすとタイトル獲得を許すはずがない。最終戦を前に注目のクラスと言えるだろう。
TCRカーで争われるST-TCRクラスは、第5戦オートポリスではST-Xクラスに次ぐカテゴリーとして行われ、6台がエントリーした。今シーズンは接戦が展開されているクラスだが、#97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVICがポールポジションを獲得すると、トップを譲ることなく今季2勝目を飾ってみせた。
第6戦岡山も5台が顔を揃えることになったが、今シーズンのタイトル争いが大いに盛り上がっている。第5戦オートポリスでは3位だった#98 WAIMARAMA Elantra N TCRが現在87.00ポイントで首位に立っているが、#19 BRP★NUTEC 制動屋 CUPRA TCRが82.50ポイントで2位、#97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが71.00ポイントで3位に続く。
2024年は2台の#97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが優勝、ワン・ツーを飾っている岡山だが、別チームから挑んだヒョンデ・エラントラN TCRも同一周回でフィニッシュしている。チャンピオン争いの鍵となる重要な一戦になるはずだ。
他のクラスに該当しない、STMOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは第5戦オートポリスには#28 TGRR GR86 Future FR concept、#32 TGRR GR Yaris DAT、さらに#104 GR Yaris DAT Racing Concept、そしてシリーズ初登場となった#271 CIVIC TYPE R HRC Conceptが参戦した。
ニュルブルクリンク24時間を走ったモデルで挑戦した#32 TGRR GR Yaris DATは、その知見を#104 GR Yaris DAT Racing Conceptとも共有しながらしっかりと完走。ニュルブルクリンクと日本のサーキットの違いなどを開発に向けて盛り込んだ。また、低炭素ガソリン(E20)燃料を使用した#28 TGRR GR86 Future FR conceptは、ミッショントラブルに見舞われるシーンもあったがチェッカーを受け、今後に向けさらなる知見を得ている。また#271 CIVIC TYPE R HRC Conceptは、ベースとなったST-TCR車両と競り合うスピードをみせ、総合6位でフィニッシュしている。
3ヶ月のインターバルで迎える第6戦岡山は、#12 MAZDA SPIRIT RACING RS Future conceptがシリーズに復帰。さらに、TOYOTA GAZOO ROOKIE Racingが#32 TGRR GR Yaris M conceptをデビューさせることになった。
#32 TGRR GR Yaris M conceptは、外観こそGR Yarisだが、エンジン搭載位置をミッドシップに変更した意欲的な車両だ。本来第5戦オートポリスに参戦する予定がアナウンスされていたが、熟成を経ていよいよ実戦に登場することになる。
開発が続けられる#28 TGRR GR86 Future FR concept、#104 GR Yaris DAT Racing Concept、参戦2戦目の#271 CIVIC TYPE R HRC Conceptとともにぜひ注目したいところだ。なお、5台のうち4台は決勝レースはグループ2を、#271 CIVIC TYPE R HRC Conceptはグループ1の決勝を戦う予定だ。
今シーズンは#2 シンティアム アップル KTM、#47 D'station Porsche 992という2台で争われているST-1クラス。開幕2戦こそ#2 シンティアム アップル KTMが連勝を飾ったが、第3戦富士24時間ではトラブルに泣き、第4戦スポーツランドSUGOではクラッシュと、#2 シンティアム アップル KTMは相次ぐ苦戦に見舞われ、#47 D'station Porsche 992がついにポイントランキングで逆転した。
ST-1クラスは第5戦オートポリスの開催がなかったことから、3ヶ月半ぶりに迎える第6戦岡山だが、2台のポイント差はわずか9.5ポイント差。#2 シンティアム アップル KTMがその差を縮めるのか、#47 D'station Porsche 992が点差を広げて最終戦に臨むのか。その結果が楽しみなところだろう。
8台が参戦した第5戦オートポリスでのST-2クラスは、予選こそ#6 新菱オートDXL☆ネオグローブEVO Xがポールポジションを獲得したが、レース途中のセーフティカーのタイミングを活かし、好ペースで追い上げていた#225 KTMS GR YARISが逆転勝利。開幕戦以来の優勝を飾った。
迎える第6戦岡山も、前戦同様8台が参戦する。チャンピオン争いを見ると、#72 OHLINS CIVIC NATSが101.50ポイントでリードしているが、#225 KTMS GR YARISが80.00ポイント、#13 ENDLESS GRヤリスが75.00ポイントで続く。昨年岡山を制しているのはランサーだが、今季はどの車種が優勝を飾り、最終戦に繋げるだろうか……?
OKABEJIDOSHA motorsportの2台の日産フェアレディZ、TRACY SPORTS with DELTAの2台のレクサスRC350による戦いが展開されているST-3クラスは、第5戦オートポリスでは#15 岡部自動車フェアレディZ34がポールポジションを獲得。決勝レースでも2台のフェアレディZがリードを築き、#16 岡部自動車フェアレディZ34が優勝、#15 岡部自動車フェアレディZ34が2位という結果に。チームにとって嬉しいワン・ツーフィニッシュを飾った。
この第5戦の結果、#39 エアバスター WINMAX RC350 TWSが107.50ポイントでリードしているものの、#15 岡部自動車フェアレディZ34が89.50ポイント、#16 岡部自動車フェアレディZ34が89.00ポイント、#38 TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWSが80.00ポイントで続いている。僅差だけに、第6戦岡山の結果次第で最終戦のタイトル争いは盛り上がりをみせそうだ。
ST-5Fクラスは、第5戦オートポリスには8台がエントリー。予選では#67 YAMATO FITがポールポジションを獲得。レースでも序盤から#4 THE BRIDE FIT、#17 DXLアラゴスタNOPRO☆DEMIOと三つ巴の戦いが展開された。
そんなレースは、終盤#17 DXLアラゴスタNOPRO☆DEMIOがトップを猛追。#4 THE BRIDE FITを逆転し優勝を飾った。一方、3位に食い込んだ#67 YAMATO FITが2025年のST-5Fクラスのチャンピオンを早くも決めることに。本田技術研究所の社内自己啓発チームとして創設60周年を迎えた年に記念すべきチャンピオンを決めた。
迎える第6戦岡山は、ST-5クラスにとっては今季最終戦だが、#17 DXLアラゴスタNOPRO☆DEMIOが参戦せず7台での争いとなる。すでにチャンピオンは決したが、このレースでもHonda FIT勢が優勝争いを展開するのか、はたまたライバルたちがそれを阻むのか注目だ。
6台が参戦したST-5Rクラスは、#88 村上モータースMAZDAロードスターがポールポジションを獲得。レースでもリードを広げ、終盤にはチャンピオン決定を目前としていた。しかし、残り3分というところでST-Xの#23 TKRI松永建設AMG GT3と接触。グラベルにストップしてしまった。
なんとか再走は果たしたものの#88 村上モータースMAZDAロードスターは5位までドロップ。チャンピオン決定はならなかった。代わってトップに立った#610 KOSHIDO RACING ロードスターが第5戦を制した。
ST-5クラスは迎える第6戦岡山が最終戦だが、8台がエントリーしている。#88 村上モータースMAZDAロードスターが#610 KOSHIDO RACING ロードスターに対して27ポイント差をつけ迎えるが、そのまま逃げ切るのか注目だろう。