3月にモビリティリゾートもてぎで開幕した2025年のENEOS スーパー耐久シリーズ2025Empowered by BRIDGESTONEは、いよいよ今シーズン最終戦を迎えることになった。岡山国際サーキットでの第5戦から3週間のインターバルで、第7戦『S耐FINAL大感謝祭』を迎える。
すでに第6戦岡山までにST-Z、ST-5F、ST-5Rクラスはチャンピオンが決まっているが、他クラスのタイトル争いは激戦のまま最終戦を迎えている。また今回、アメリカ製車両およびチームを招聘することで、モータースポーツを通じて日米間の文化交流を促進し、国際的な文化発展に寄与することを目的として、新クラス『ST-USA』が創設され、第7戦で試行導入されることになった。
ST-Xクラスで今季最多、またST-Qクラスも最多の8台が集うなど、9クラス57台が集う第7戦『S耐FINAL大感謝祭』。第6戦岡山を振り返りつつ、第7戦をプレビューしよう。

毎戦僅差の争いが展開されているGT3カーのST-Xクラスは、第6戦岡山には6台が参戦した。第3戦富士24時間以来の出場となった#666 seven x seven PORSCHE GT3Rが、公式予選からポールポジションを獲得してみせる。
10月26日(日)午後のグループ1の決勝レースでは、スタート直後こそプロドライバーがドライブした#31 DENSO LEXUS RC F GT3がトップを奪い、#81 DAISHIN GT-R GT3が2番手に続くも、3番手にきっちりとつけた#666 seven x seven PORSCHE GT3Rは、レース中盤以降盤石のリレーでふたたびトップに浮上。3時間のレースを制し、今季3勝目を飾った。2位は#31 DENSO LEXUS RC F GT3、3位は3番手から安定したレースをみせた#777 D'station Vantage GT3となった。
迎える第7戦富士のST-Xは、第6戦岡山の顔ぶれに加え#101 Hitotsuyama Audi R8 LMSが復帰し、7台がエントリーすることになった。今シーズン最多の数字であり、どのチームも強豪だけに白熱した戦いが観られることは間違いない。
注目のタイトル争いは、第6戦岡山終了時点で114.00ポイントの#23 TKRI松永建設AMG GT3がリードしており、#666 seven x seven PORSCHE GT3Rが109.00ポイントで2位、#31 DENSO LEXUS RC F GT3が106.00ポイントで3位に続くが、ST-Xクラスは獲得ポイントの多い順に7戦中6戦のポイントが加算される。#666 seven x seven PORSCHE GT3Rは2戦を欠場しておりマイナスがないが、23 TKRI松永建設AMG GT3、#31 DENSO LEXUS RC F GT3は1戦分のポイントが加算されない。上位の差は予想以上に少ない。特に最終戦は1.5倍のポイント加算となる。
#23 TKRI松永建設AMG GT3が悲願のチャンピオンを獲得するのか、圧倒的なパフォーマンスで#666 seven x seven PORSCHE GT3Rが逆転するのか、安定したパフォーマンスを示す#31 DENSO LEXUS RC F GT3がタイトルを得るのか……? 今季最終戦は見逃すことができない。
GT4カーで争われるST-Zクラスは、第6戦岡山には11台がエントリーした。レースは序盤から#34 TECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT4がリード、#26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4が2番手に続くことになるが、#34 TECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT4はピット作業違反のペナルティを課されてしまった。
これでトップに立った#26 raffinee 日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4は逃げ切り優勝。2位には#20 NANIWA DENSO TEAM IMPUL Zが食い込み、日産Z NISMO GT4がワン・ツーフィニッシュ。そして3位に入った#52 埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2が、タイトルを争っていた#885 シェイドレーシング GR Supra GT4 EVO2がリタイアしたこともあり、3年連続のST-Zチャンピオンを決めることになった。
迎える第7戦富士も、顔ぶれの変化こそあれ11台が参戦することになる。すでにチャンピオンが決まってはいるものの、各チームとも良い形でシーズンを終えることを期待しているはずだ。着実にパフォーマンスを上げている日産Z NISMO GT4がこのレースも制するのか、トヨタGR Supra GT4勢が逆襲するのか、それともスピードをもつ#34 TECHNO FIRST FUNDINNO R8 LMS GT4が、富士を得意とする#22 EBI GROUP Cayman GT4 RS CSが上位に食い込むのか。このクラスも要注目だろう。
TCRカーで争われるST-TCRクラスは、第6戦岡山には5台が参戦。#97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVICがポールポジションを獲得した。しかし、レースでは#98 WAIMARAMA Elantra N TCRがトップを奪い、#430 エヴァRT初号機 RS3 LMSが続く展開に。終盤まで3台は僅差の争いを繰り広げたが、このトップ3は変わらず。#98 WAIMARAMA Elantra N TCRが第6戦を制した。
迎える第7戦富士には、#888 フェッツレーシングが加わり6台が参戦することになるが、タイトル争いでは#98 WAIMARAMA Elantra N TCRが107.00ポイントでリード。#97 Racer ホンダカーズ桶川 CIVICが85.00ポイント、#19 BRP★NUTEC 制動屋 CUPRA TCRが3番手で続いている。今季は接戦となっているクラスだが、どんな結末を迎えるだろうか。
他のクラスに該当しない、STMOが認めた開発車両が参加できるST-Qクラスは第6戦岡山には5台が参戦した。非常に大きな注目を集めたのは#32 TGRR GR Yaris M concept。GR Yarisをミッドシップ化し、新エンジンを搭載。ドライバーたちや関係者は「まだまだこれから」と開発が始まったばかりと強調したが、10月26日(日)午前のグループ2の決勝レースではそのパフォーマンスを見せ総合トップを快走。他クラスよりもピットストップが1回多かったこともありそのまま首位でゴールとはならなかったが、総合3位と今後への可能性を感じさせた。
またグループ2では、総合5位とこちらも上位に食い込んだ#12 MAZDA SPIRIT RACING RS Future conceptが速さをみせた。#28 TGRR GR86 Future FR concept、#104 GR Yaris DAT Racing Conceptは残念ながらトラブルもあったが、しっかりとチェッカーを受けている。またグループ1に出走した#271 CIVIC TYPE R HRC Conceptも進化をみせた。
迎える第7戦富士には、TOYOTA GAZOO ROOKIE Racingの32号車がどの車両になる楽しみなところ。そして、第6戦岡山に出場した5台に加え復帰となる#55 MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept、#61 SUBARU HighPerformanceX Future Concept、そして今シーズン初登場となる#230 NISSAN Z NISMO Racing Conceptが参戦する。今季最終戦ということもあり、8台がそれぞれの収穫を得て2025年を締めくくるべく臨むはずだ。
#2 シンティアム アップル KTM、#47 D'station Porsche 992という2台が開幕から争ってきたST-1クラス。第3戦富士24時間、第4戦SUGOと#2 シンティアム アップル KTMがトラブル、アクシデントに見舞われたことから、#47 D'station Porsche 992がランキングでも首位に浮上。第6戦岡山でも僅差の争いとなったものの、最後は#47 D'station Porsche 992が逃げ切り優勝を飾った。
迎える第7戦富士は、2台の争いの決着の時。12.50ポイント差で#47 D'station Porsche 992がリードしたまま迎えるが、チャンピオンを得るのはどちらか。目が離せない戦いとなるはずだ。
第6戦岡山では、午前のグループ2の決勝レースで争われたST-2クラスだが、ウエットコンディションの序盤から抜群の走りをみせトップに立ったのが#225 KTMS GR YARIS。その後も変化していくコンディションにきっちりと対応し首位をキープした。
ただ、レース序盤の濡れた状況からスリックタイヤを履くチャレンジングな戦略を採用した#95 SPOON リジカラ CIVICが終盤#225 KTMS GR YARISに迫ることになった。ただ、#225 KTMS GR YARISは逃げ切り優勝。今季3勝目を飾った。
この勝利で#225 KTMS GR YARISは100.00ポイントを重ねたが、#72 OHLINS CIVIC NATSがウエイトに負けず4位に食い込み111.50ポイントで最終戦に臨むことに。実質この2台のチャンピオン争いだが、タイトルの行方に注目したいところだ。
OKABEJIDOSHA motorsportの2台の日産フェアレディZ、TRACY SPORTS with DELTAの2台のレクサスRC350による戦いが展開されているST-3クラスは、第6戦岡山も4台による僅差の争いが展開された。ウエットコンディションのなか、ST-2クラス、ST-Qクラスの車両を交えながら序盤から好バトルを展開。#15 岡部自動車フェアレディZ34、#38 TRACYSPORTS with DELTA RC350 TWSがトップ争いを繰り広げていった。
これを制した#15 岡部自動車フェアレディZ34が第6戦岡山を制し、ランキング首位の#39 エアバスター WINMAX RC350 TWSとのポイント差を11点差として最終戦に臨むことになった。#16 岡部自動車フェアレディZ34にも逆転の可能性があり、最終戦は三つ巴の争いとなりそう。レースの展開も含め注目だ。
毎戦僅差の争いが展開されているST-4クラスは、第5戦オートポリスでは#66 odula TONE MOTUL ROADSTER RFがポールポジションを獲得したが、ペナルティを課されてしまうことに。優勝争いは#3 ENDLESS GR86、そして#884 シェイドレーシング GR86の争いとなったが、#3 ENDLESS GR86が優勝を飾ることになった。
ただ2位となった#884 シェイドレーシング GR86は128.50ポイントに得点を伸ばし、2位の#41 エナジーハイドロゲン EXEDY GR86 Winmaxに26ポイント差をつけた。チャンピオン争いとしてはかなり有利な状況で最終戦を迎えることになる。レースそのものの優勝争いに加え、タイトル争いも注目だ。
アメリカ製車両およびチームを招聘することで、モータースポーツを通じて日米間の文化交流を促進し、国際的な文化発展に寄与することを目的として、新クラス『ST-USA』が創設されることになった。この第7戦では試行的に開催されることになり、2台が参戦する。
1台は、BINGO RACINGのCallaway Corvette C7 GT3-R。武井真司と笹原右京というラインアップにもう1名がドライブ予定。歴戦のGT3カーで、今シーズンは鈴鹿1000kmに登場。上位を走る活躍をみせている。
そしてもう1台はTechSport RacingのMustang Dark Horse R。アメリカで開催されるワンメイクシリーズ用の車両で、アメリカ車らしいマッスルなフォルムをもつ。その車両をアメリカでドライブするデビン・アンダーソンに加え、ジュリアーノ・アレジ、中嶋一貴という豪華なふたりが加わる。もちろん富士スピードウェイを走るのも初めてで、非常に楽しみなところだ。